強面生徒会長はジャイアン思考であります!
翌日、俺は成績不振のため、土曜の補習が義務付けられているので学園へ来た。
補習とか、めんどくさい……
正門を通り、グラウンドに入った。
土曜でも陸上部やサッカー部といった運動部は熱気に満ちていた。
グラウンド中、沢山のボールが飛び交っていた。正直通りづらい。
よくあんなにやる気出るなー。
他愛もない事を思いながら歩いていると、俺はぎょっとした。
「げっ!?なんであいつら(生徒会)が……っ!?」
昨日俺を殴って痛めつけた明日峰右京とその愉快な仲間たちッ!
見つかったら厄介だ!逃げろ俺ッ!さっさと校舎に入るんだ!
「おい、あれ磯波じゃね?」
愉快な仲間たち♪の一人が俺を指してヒソヒソ右京と話している。
右京と目があった。バレた!?バレたかッ!?
「おーい、響喜くーん!土曜も補習~?馬鹿だから仕方ないねぇ~」
嫌味ったらしいく、非常に不快な声と共に、右京が近づいてくる。
「ムカつくから殴っちまおうぜ♪」
だから何なのそのジ●イアン思考――――ッ!
「ぎゃーっ!やめろー」
「おいこら待てえぇ!」
なんで俺を殴るのー!?俺補習ー!?マジ何ー!?
校舎の前では愉快な仲間たち♪が囲んでいて、通れない!
俺はとりあえずグラウンドへ逃げる。
サッカー部、野球部が唖然とした目で駆けずり回る俺を見てきた。
そしてヒソヒソと笑いながら俺を指す。
「ヤバイ、行き止まり!追い詰められる!」
俺は逃げ道を探すが、後ろからは右京が追いかけ、正面は倉庫が建ち並ぶ。
殴られるぞ俺、どうする――?
「あれは……っ!」
ふと地面を見てみると、昨日の異世界の繋ぎ道という不気味なマンホールがあった。
「この手は使いたくなかったが……くそっ!あっち(異世界)へ逃げるか……っ」
俺はマンホールに向かって全力で走った。
沢山の倉庫を掻き分けて……
「頼む、間に合ってくれ……っ!」
沢山並んだ倉庫が壁になっているおかげで右京の姿は見えない。
だが見つかるのも時間の問題だ。
「……っ」
後ろを振り向くとスローモーションの様に、物凄い形相で走る右京が倉庫の間から垣間見えた。まだこっちに気付いていない!
「間に合え――――ッ!」
思いっきりジャンプし、マンホールの上へ着地した。
そしてその瞬間、マンホールを中心に魔法陣が浮かび上がる。
もしも、昨日の事が夢ではないのなら――――……
「いっけえぇ――――……っ!」
俺の事を助けてくれよ――――……ッ!