人間パニック状態になると脳が活性化する であります!
5時限目は遅刻確定となった。
やっぱり何度見回しても湖の辺、目の前には立派な城。
……日本?か……?否、夢だ!
「ぎゃーぎゃー!目を覚ませ俺!それともここは天国か!?
死んだ!?俺死んだ!?ぎゃーっ!」
俺は思考回路が狂って、とにかくぎゃあぎゃあ連呼した。
頭に残っているのは前世の殴られた記憶僅かな知識のみ。
俺はついに死んでしまったんだぁ……(多分)
「どうか落ち着いて下さい」
俺は要約喚くのをやめると、さっきまで存在を忘れていた彼に気が付いた。
「え?誰?天国の神?ルシファー?ラファエル?ウリエルさん?それとも死神?」
端正な顔立ちで、アイボリーの長髪は綺麗に結われ、身分も高貴だとひと目で分かるくらいの立派な服を身にまとっていた。
俺とは正反対のイケメンという部類に入る人だろうな。
俺は情けない力の抜けた声で問う。
「いいえ、死神ではありませんのでご安心を。私はティム・アルノーと申します。この国の大臣を務めさせて頂いております。どうかお見知りおきを」
……あ?
大臣?内閣総理大臣って安倍●三じゃなかったっけ?
アルノーだっけ?ワシントンだっけ?ケネディだっけ?リンカーン?
え、何ココどこ?この国ってどこ?アメリカ?宇宙?琵琶湖?
あの城は安土城?
つーか、なんでテストで分からなかった答えが今脳内に浮かぶんだよッ!?
俺は頭の中がハテナマークで埋め尽くされていた。
「えっと……ココは?」
俺は恐る恐る訊ねてみた。
「そうでした、人間の方は此方の世界をご存知ないのでしたね」
彼は溜息をつくと、ぽつりぽつりと話し始めた。