授業は遅刻してナンボであります!
カーン……カーン……
あぁ、もう5時限目始まるのか……
アザだらけの上半身だけ要約起こしたものの、意識はハッキリしない。
視界は水彩画の様にぼやけ、頭も惚けている。
「おい、人間じゃないか?」
「マジか!?」
あー、グラウンドからか?。
訳の分かんねー声が、テレビの音量を上げていくように聞こえ始めた。
「大丈夫ですか?」
要約鮮明になった視界に写ったのは、手、だった。
……手?
「あぁ、はいどうも」
今日はやっぱり誕生日か。
いつもは無視されているのに、今日だけは手を差し伸べてくれた。
「…………え」
俺は俯いていた顔を上げると、有り得ない、あってはならない事に気が付いた。
湖の辺、制服じゃない格好の金髪男子、ビックベンみたいな鐘……
どーーーーーー考えてもここ、夢だろォッ!?
意識はある、だとしたら明晰夢とやらなんやら……
「人間、ですよね?」
はぁ、しまいには金髪男子にイミフな事聞かれたぁー!?
「あーあー、5時限目の授業が始まる、目を覚ませ俺えぇー!」
「どうか落ち着いて!」
俺は自分の頭を何度も殴り、金髪男子は俺を窘めた。
どうやら俺、5時限目は遅刻しそう……