prologue であります!
灰色の、どんより淀んだ汚い雲。
今にも雨が降り出しそうな気味の悪い生暖かい風。
今日は俺の誕生日だってのに。
天気さえ祝福してくれないのか!
家は親が離婚して貧乏、プレゼントは無し。
学校では愚者の俺は優秀者にいじめられて。
オマケに汚ねーウイルスもらって風邪ひいて。
一体俺の人生どうしてくれる!?
「おーい、成績最下位さぁーん」
「くっくっくっ、あーマジストレス発散ー」
いつも通り、俺は強面の生徒会長、明日峰 右京
と、その愉快な仲間たち……に裏庭へ呼び出され、ボコされていた。
ばきょっ、ぐしゃ、ざーっ。
もう自分でも訳の判らない効果音が鳴り響いていた。
多分俺は、捨てられたポテチの袋みたく、転がっているのだろう。
「今日お前誕生日なんだってぇー?」
「え……あぁ、はい」
一人の取り巻きが二ヤッと気味の悪い笑みを浮かべて笑う。
俺は転がったまま、やっとの思いで声を絞り出し、掠れた声で答えた。
これってプレゼントとか言って殴られるパターンなんじゃ……
「へーえ、じゃあプレゼントにもういっちょ……!」
ぎゃー、ほらやっぱりー!
バキッ、ゴキッ、ブシャー。
俺は鳥を象ったマンホールへ打ち付けられた。
「ははは、あー面白かった」
「だな、やっぱ無能を痛めつけるって楽しー」
強面生徒会長とその愉快な仲間たち は裏庭から要約立ち去った。
言うまでもなく、俺は大の字になって伸びているing、なう。
「無能……か」
綺麗でもない空を見つめて、俺は溜息をついた。
某アニメキャラの、の●太ですらゴル●13を凌ぐ射撃能力を持つ。
なのに俺は……俺は……俺の特技とは……?
感慨に耽っていると、どんどん意識が薄れ、俺は意識を手放した。