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足枷
増えていくのは足枷
切り捨てられるレベルの足枷
誰かが頑張ると言うから
僕はまた離れられなくなる
悪意ではないけれど
優しさの残酷さを知る
それを望まぬ存在に
優しさは反転の意味をも持つ
頑張る誰かの為に
更に盾を強化させなくてはならない
守らなくてはならない
優しくなる義務がより重くのし掛かる
諦めの淵の崖っぷちの中
優しさは残酷な刃に変わる
悪意よりもはね除け難いそれは
より深く突き刺さる
頑張りたくない
頑張れない
そんな本音が封じられる
困らせてしまうから
決して口に出来なくなる
涙は出てこない
そんなものは枯れてしまった
もう見つけられそうにもない
嘘で自らを固めて
笑ってくれる誰かの為に
大いなる盾、翼になること
それしかないから
チグハグすぎる内外のバランスは
とっくに壊れて久しい
壊れて嘘だけで保つバランスもどき
折れた心がまた踏み砕かれる
そんな繰り返しに
僕は笑う
笑い、嗤うのである




