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停まれない
狂った感覚の狂い
普通の計算機ならば
マイナスにマイナスが重なればプラスに変わる
マイナスにマイナスを重ねて
深くなる狂い
止められなくなる
歯止めだけが緩くなり
気付けば無になっている
壊して壊してを繰り返しても
根本的解決に至らないこと
現実は何も変わらない
変える努力の無意味さに
僕はいつからか諦めを覚えた
動けなくなることは怖くない
誰かが気付くことが怖い
誰かから何かを奪う存在になりたくない
そんな想いが僕を支え突き動かす
停まれないのは停まるわけにいかないから
そんな事実を知っているから
停まるべきだとも知っている
実行を選べないけれど
本当は必要なこと
誰かの為に停まること
その時訪れる未来に僕は居ないだろう
それを選ぶ時は全て終わる時
それを僕は知っている
停まらないのは留まる為
留まり在ることの安心の裏に
何があるのかは知られてはいけない
沈黙と諦めは安心を
停まれないことは
譲れない必要不可欠な
脆く硬い地盤