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認定を受け入れる
知っていて気づかないふりをする
少しだけ狡いと思った
でも責める理由にはならなかった
ただ、そうかと呟いた
彼等が間違えたのは
僕の過ちと同じ場所だったと思う
彼等は見殺しにしきれずに
僕は恐怖に足掻いて生き延びた
一番気の毒なのは彼等
苦しみを背負わせたのは僕
それは間違いない事実
神様なんて信じてない
けれどあれは気紛れな神様の
たわいのない遊びであり
唯一のチャンスだった
足掻くことを選んで不意にしてしまったけれど
もしも今の記憶を持って再びあの時に還れたら
僕は足掻かずに
水の中に沈めると思う
そんな不可能な根拠ある自信がある
まだ壊れてもいなかったから
まだ異常ではなかったから
だから足掻いたのだと
そう言いきれる僕がいる
僕を異常者と呼ぶ彼等
それは正しいと了承出来る
怒るなんてアリエナイ
ごめんなさい
あの時死ななくて
生まれてきてごめんなさい
そんな気持ちで
申し訳ない謝罪しか出てこない
彼等は正しいんだ
僕は狂っていて異常で
到底まともでないことを
彼等は気づかないふりをして
見ないふりを選んで
僕は自覚だけを深めていく
今日はいつも以上に眠れそうにない
そんなことを考えながら
澱んだ泉の中から何かを掬いだしている




