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具現するほどの
壊したいものが在る
壊してはいけない
かもしれないそんな存在が
それはいつも僕と共に在り
僕の思考から具現された存在
僕の喉元にはスイッチがある
もしくは小さな扉のついた壁が
繰り返し続けた言葉の呑み込み
言葉を発する前の思考
結果を考えての言葉の誕生に
いつの間にか生まれた壁
生まれることが出来る言葉は
小さな扉を通過した存在のみ
濾過された言葉の真実は
綺麗で優しく軽い
嘘混じりの言葉は
誰かに心地好く
自身を切り裂く刃となりて
世界に降臨する
自身が産み出した壊せなくなった壁
習慣性の中毒は深まり
壁が分厚く扉は小さくなっていく
抜け出せない迷宮を造ったの僕
喉元の壁も無から造り上げたのは僕
後悔と安寧の繰り返しに
疲れながら逃げられない
壊したくて壊せない
狂気の幻を視ることを
どうしたら止められるのか
考えても出ない答を
僕は探した続けている