少女、転生。5
「……ん…?」
目が覚めると、もう朝の8時を回っていて。
まだ働かない頭をそのままに、壁に掛けてある、くまの可愛い時計をぼーっと見つめる。
ーーそうして、しばらく。
1人になってから。
ようやく、いつもと違うことに気付いた。
…なんだか今日は騒がしい。
いつもは決まった人しか出入りしないのに。
(決まった人って言っても、乳母さんと両親だけだけれど)
でも今日は、他にも多くの人(?)がこの部屋を出入りしている。
まぁ、珍しいけれども…どうしたんですか、と聞くわけにもいかず。
ーー最初の頃は使用人さん達を見て楽しんでいたけどね。
ほら、彼女達もやっぱり人間じゃないから、何かしら特徴があるわけで。
獣耳観察して、どの動物のか当ててみたり。
獣耳が無ければなんていう種族なのか当ててみたり……
・ ・ ・
で、分かったこと。
その1、
獣耳のフサフサしてる感じとか艶が個人によって違っていること。
乳母さんーーカヤさんも獣耳所有してるけど、今まで比較対象が居なかったもので。
その2、
カヤさんは結構毛並みが素晴らしいということ!
いや、若いってのもあるのかもしれないけれどね。見た感じ20代前半だし。
・ ・ ・
さーて、何してようかな??
ーーー…起きたばっかだから眠くないし、別におなかもすいていない。
カヤさんがいれば構ってくれるんだろうけど、彼女は先ほど母に呼ばれてどこかへ行ってしまったし。
ーーー出入りしている他の使用人達に構ってアピールで声をかけてみるけれど、何が言いたいのか分かってもらえずに、困惑した表情をされるだけ。
……あーあ、カヤさんか両親なら分かってくれるのに。まぁ、仕事が忙しくて構ってくれないのもあるのかもー、とか考えていると。
「アリス様ーー」
「あい?」
呼ばれて振り返ると、そこにはカヤさんの姿が。
「お母様がお呼びですので、こちらへ」
「あい!」
こくん、と頷いて、差し出された両手へとダイブ。カヤさん笑顔ー。
「お一人にさせてしまってすみませんでした。せめて他の者に付いていてもらうべきでしたね」
「むー…いーお」
それ、カヤさん悪くないし…!
だから気にしないで下さい!
……いや、寂しかったけれどもさ。
「アリス様はお優しいのですね」
「……ぇ」
照れます。
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駄作ですが、これからもご自愛下さい
(´・ω・`)