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少女、転生。3
ぱちっ
目を開けると、そこにはーー
「可愛いわね、アリス~」
…満面の笑みの女性がいました。
あれ?どっかで見たことあるような…
軽いウェーブのかかった金髪。優しげな微笑を浮かべて私を見下ろす茶色の瞳。
…恐ろしいほどの美人さんです。
「あー…?」
まだ首が座ってないようで、首を傾げることはできなかったけれど。
それでも彼女は言いたいことが分かったみたいで…
「私はレイチェル。あなたのお母さんよ」
「きゃっきゃっ」
おお!
私の言ってることを分かってくれるなんて、流石は私の母親!!
「それはそうと、アリス、中々会いに来れなくてごめんなさいね」
いえ、そこはお気になさらずに。
だって私、転生してきたばかりですから。
「本当はあなたのお父さんも来るはずだったのだけれど…仕事で」
……美人さんは物憂げな表情も映えるんですね。羨ましいわ…
「あぁ、お父さんはこの国の王様でね…」
周りにキラキラしたものまで舞って……って、は?
父親が、王様?
それなら、母親はこの国の王妃様?
ーー聞き間違いだよね?
…なにそのハイスペックな設定。
アリシア改めアリス、早くも現実逃避したい気分です。