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人外に囲まれて  作者: 紫夏
少女、転生。
2/11

少女、転生。2



赤ん坊になって困ったこと。

『その1・喋れないので意思表示ができない』 



「アリシア様、朝食のお時間です」



そういって入ってきたのは、



「あー!」

【ちょ、この人の頭に獣耳が…っ すげーもふもふしてる!触りたい!】


お察しの通り(?)、獣族といわれる方。耳から察するに、狼だと思われる。


手を伸ばすが、その意図は察してもらえず。


「えー、うー!」

【その無敵アイテム《狼耳》を触らせて下さいっ!前の世界では空想でしか無かったの!】


「え?……あ、朝食ですね」


「んーん」

同時に、首を降ってみる。

…朝食よりもそのふかふかしてる狼耳を触りたいのです!



「お食べにならないと、大きくなれませんよ?」


「………やー!」


大きくなれないなんて困る!

前の世界では背が小さいことがコンプレックスだったというのに。

転生しても小さいままでいるなんてお断りだー!

…けど、獣耳を触れないのも嫌だ。



「ええ、食べて大きくなりましょうねー。 本日はラシーム鳥の卵のお粥でございます」


「うーぁ」

【え?ラシーム鳥って何?おいしいの?】


「はい、あーんして下さい」


「あー」

【あぁ、そっか。赤ん坊は1人で食べれないよね】



話が噛み合っていない。それはもう、致命的に。

…なんと不便な…!



『その2・我慢が出来ない』


「……ぅ」

あ、ヤバい。すごくトイレに行きたい。


「うーぁ!」

【トイレに行きたいです。誰か…ってか、そこの狼耳さん!私のたった1人の乳母さーんっ。トイレまで連れて行って下さいな】



「いかが致しましたか?朝食は食べたばかりですから、お腹がすいているわけではないですよね…?」


「んー」

【もちろん、満腹です。…じゃなくて、トイレ!】



「……あ、トイレですね?

それでしたら、オムツを履いていらっしゃいますのでそちらに」


「うー!?」

【まさかの!? っていうか、何なのこの人!たまに言い当てるよね。…勘が鋭いのかな?】



…いやいや、それより。

今はこっちに集中!

どうにかトイレまで…もたせない、と……っ



「………」


生暖かいんですが、オムツが。

…やっちゃったよ!



「うぇっ……ふ、え…えぇええん!!!」


ちょ、私!;

何も泣くことないだろう!!

赤ん坊ならこれが当然なんだよ?


「うわぁあん!」


だから泣かなくても…っ



「ふぇえん!!」


……泣き止めない。

え、堪えようとすればするほど出来なくなるんだけど!?

えーい、泣き止め私っ!


「気持ちが悪いのですね。…今変えますので!」


抱きかかえられて、さらに号泣。



「やあぁー!」


………すみません、乳母さん。

しばらく私、泣き止めそうにないです。




ーーー結局、泣き止むよりも先に眠気に襲われたため、あらがうことなく就寝。

…いわゆる、泣き疲れて寝た、ってやつです。






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