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人外に囲まれて  作者: 紫夏
少女、転生。
10/11

少女、転生。10

今回はいつもより長いです。

ドキドキ



「まず、このくぼみに手を置いて下さい」


「あい」


おそるおそる手を置く。

機械はひんやりとしていた。



「こちらに出来るだけ意識を傾けて下さい。あとは私が致しますので、そのままに」


「あーい!」


カヤさんはそう言うと、この小さな機械に繋がっている別の機械コンピューターらしきものを何やらいじった。

……あ、カヤさんが機械をいじっているのは、あれからまた4人で「誰が機械操作するか(私の結果を一番に見るのは誰か)」めたから、私がカヤさんを推薦すいせんしたんだよ。


私は、言われたとおりにじっと機械を見つめる。




ーー刹那せつな



「むー…」


ほんの少しの倦怠感けんたいかんが体を襲う。

まるで、この機械に…力が吸い取られていくような。

その力は見えないけど、存在しているのは分かる。

そして、感じられる『魔力』の流れ。


「アリス様、もう良いですよ」


「ん…」



カヤさんにそう言われる。

私はこくんと頷き、手を引っ込めた。


「どー?」


そして、すぐに結果を聞く。

ーー私に魔力はあるのかな?


なんと言っても、前世は魔術がない世界で生きていたのだ。

力を感じられたとは言っても、それが何なのか分からない。

…あれは気のせいだったのかもしれないとすら思えてくる。



「………カヤ?」


カヤさんは何故か、結果を見たら固まってしまった。

母が不思議げにカヤさんの名前を呼ぶ。


「やーや」


……。

そうだった、カヤさんって言えないんだった!舌が回らない…。



「…………ぇ?」


ぼーっとしていたカヤさんが、小さく声を漏らし、ようやく画面から顔を逸らした。

ーー何なの、その反応はー!

すごい不安になるじゃないかっ



「カヤ、結果は?」


父が静かに訊ねる。

微笑を浮かべてはいるけど、…なんか威圧感半端いあつかんはんぱないです!


「……王妃様、どうぞこちらへ」


「? ええ、分かったわ」



え、そこでお母様呼ぶ!?


母は首を傾げつつも機械を覗く。

ーーそして固まった。



「レイチェル…?」


父が、カヤさんと同じように固まってしまった母の名を呼ぶ。



「ーーマルティン、これ…」


母は父の名前を呼んでーーー



そうして、結局。

両親、そして父方ちちかたの祖父母みんなが、画面を見つつ静止した。


「…あーう!」

【…おーい!】



いい加減にれったくなった私は使用人の一人に抱きかかえてもらって、画面の前に立った。

そして、その使用人に文字をよんでもらった。


………よ、読めないんだから仕方がないじゃんっ!



「……〔測定不能〕、です」


……は?計測…不能?

え、何それ。

計測出来ないってどういうこと!?



「……これ、どういうことです?」


おばあ様、私が知りたいです。


「どんなに『魔力』が無くても計れる機械なんじゃが…いや、それなら〔0〕と出るはず……」


ちなみに、おじい様からの事前説明では、この機械はその人の魔力を0~1000の値で表すらしい。




ちなみに、

レイチェル・クシュシュトフ……664

マルティン・クシュシュトフ……879



祖母

……720



祖父

……880


らしい。



『魔力』は、個人差はあれど、成長と共に多くなっていく。そして、死ぬまで増え続ける。…訓練しても増えないのであしからず。

言っておくと、900を越えた人は今まで1人もいない。

900以上は化け物だってことですね?


まぁ、『魔力』があってもそれを扱えなければ無用の長物だけども。



普通は成人男性でも300前後、成人女性はすこし下の250前後。

それを越えたら(滅多にいないけど)王の近衛部隊隊員エリートになれるレベル。

赤ん坊の頃は100行けば天才の素質あり。



ただ、王族は血筋の関係で、赤ん坊で200はあるものらしいけど。

強い血を遺すってわけね…。


だから、この4人はやたらと高い。

…みんな王族出身だしねー。





ーーーあぁ、話を戻そうか。

現実逃避している場合じゃ無かったね……はぁ…。



「ーーー…かもしれないわね」


うん?

お母様、何て言いました?

聞いてなかったよ、私。


「そうねぇ…。アリスちゃん、ちょっとこれ持ってくれないかしら?」


そう言って差し出されたのは、白くて勾玉まがたまのような形のアクセサリー。


「それはね、魔法具の一種よ。

 さぁ、触ってみて」


一体、それどっから出したんですか。

……疑問だけど、まぁいいや。

どうせ上手く喋れないから聞けないし。


「あいっ」


使用人の腕の中から手を伸ばして、それを握りしめる。


「きゃぁっ!?」

「うわ!?」


…あの、おばあ様?

これ何ですか!!



ーーみんな浮いてるんですが!?




「うふふ、大成功ね」


楽しげに微笑みつつ、空中にふわふわ浮くおばあ様。


てか、みんな浮いてるんですけど。

この場にいる皆が。ーー自分も含めて。



異様な光景だ……。



「ちょ、母上!?」


「ふふ、面白いでしょう?」


「ばーばぁ」


これ、どうすりゃいいの!?



「あぁ、もう手を離していいわよ」


おばあ様にそう言われ、手を離した瞬間。


「うきゃっ」


重力が元に戻る。

あぅ、体が重いよ…。


「これで証明出来たわね」


「そうですね、お義母様」


なんか母も嬉しそう。

…何で?



「これは、触れたアリスちゃん以下の『魔力』を持っている人が宙に浮くものなの。

つまり、自分より『魔力』の少ない者を飛ばすことができるってわけ。

もちろん、使いようによっては攻撃も可能よ」


「つまり、アリスは自分たちより『魔力』が高い…と?」


「ええ、そうなるわね。…すごいわ、アリス~!」


お、お母様、そんなに強く抱き締めないで…ぐぇっ



「レイチェル、アリスが苦しそうだぞ…」


「え?…あ、アリス!?大丈夫!?」

「あぃー……」


悪気がないのは分かってますから大丈夫ですよ~…。

そしてお父様、ナイスです!



「ーーアリスは『魔力』が多すぎて計測不能と表示されたんじゃな」


おじい様が分かりやすいように、そうまとめた。

……なるほど。

てっきり『魔力』がなさすぎたのかと焦りましたよ。

あって良かった……!



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