第1話 平和な日常……って何だぁ?
初めまして。
今回初投稿になります。
暖かい目で見てくださると嬉しいです。
某私立○○学園の2年A組の教室にて……
「あぁ〜暇だ……」
そう呟くのは、この物語の主人公の一人……
名前は瀧沢 優、14歳、中等部2年。
黒板の前で教科書を手に先生が何かを言っているが、ダメだ、話が何一つ頭に入って来ない。基、真面目に聞く気すら俺にはまるで無いのだが、何故こうなっているのかって言うと、まぁ簡単な話だ。
退屈……そう、退屈、ここ最近やけに退屈を感じるようになって、基本的な事は何でも『つまらない』と思うようになった。何故如何してなんて誰も思わない、突然訪れたモノだからな。
一応、授業が退屈の根本だったりするんだが、それはそれで学生の本分的にダメだろう。いやしかし頬杖で眺める真横の窓の景色は何か感慨が深いもんだ、壮大な青空が広がり広がって……あっ、俺なんか時が見えそう……
「……〜」
ん? 誰かの声が聞こえる?
「……〜い」
本当に誰かの声が聞こえるな、一体誰だ?
「うぉーーい!!」
「うわっ!?」
耳元でいきなり怒鳴るもんだから驚いて机から転げ落ちてしまった。その場で見上げると、ボサボサなポニーテールを揺らして俺を見下ろす女子が居た。
「目、覚めた?」
「お前か」
俺の耳元で怒鳴ったこいつは同じく主人公の一人……
名前は大島 茜、14歳、中等部2年。
1年の時に知り合って以来、親友の仲となっていつも一緒に居る。
全学年の中でも六本の指に入るくらい美少女だと言われているが、実際如何なのか俺には解り兼ねるね。そんなところで、気が付いたら休み時間になっていたようで、俺は椅子を戻して座り直した。
「寝てねーよ」
「寝てるっぽかったから」
「寝てない、折角ニュータイプになれたと思ったんだ、時も見えそうだったんだ」
「まさかのガ○ダム!? スーツ云々の超能力者なの!?」
「違う、それはあくまで最初に考えられていた事で俺の定義としてはザ・オリジンの方だぜ」
「よくわかんないから!」
若干ふざけていると、教室の戸を勢い良く開く音が鳴り響いた。
「大変でス!」
慌てた様子で俺達を訪ねてきたのは同じく主人公の一人……
名前はアントニオン・ライブラリー、14歳、中等部2年。
中学生とは思えない程の長身で名前の通り帰国子女である。俺や茜はアントニーと呼んでいる。
茜と同様に1年の時に知り合って、初めて見た時はアフロだったので驚いた。今もアフロだ。本人曰く地毛らしいが、世の中にはアフロが地毛なんて人も居るのだと知り、世界の広さを密かに痛感していた。
「どうしたんだよ?」
「大変なんでス! アレを見てくださイ!」
「何が? ん?」
アントニーが指を差した方向を見てみると、そこには……
「オラオラァァ!!」
他校、と言うか、明らかに違う学年のヤンキーが校庭に群がっていた。木製バットや鉄パイプを手にした数十人の群れは体格や制服を見る限り高校生である事が何となく窺える。
すると、群れの中から一人、リーダーっぽいクールそうな男が前に出て口を開いた。
「この学園に強い奴が居ると聞いた。学年は中等部の2年で、名前は"たきざわ"とか言ったか……確かそんな奴だ」
なるほど。そう言うことか────
────────────
茜〜
えっちょっと、待って、今あの男何て言った? たきざわ……今ハッキリ"たきざわ"って言ったよね? それって、まさか……
「おい、"たきざわ"って……」
「中等部の2年でその名前って言ったら……」
周囲が一斉に騒ついた、無論ながら私もその中の一員だ。だって、私の知る"たきざわ"って言ったら、一人しか思い付かない、一人しか居ない、私の頭の中で該当する"たきざわ"は、彼一人……
「どうやら、俺に用があるみたいだな」
そう、私の友達、"瀧沢 優"。
「ちょっと優! どう言う事? 説明してよ! あんた何か要らぬ喧嘩買ったりしてないよね!?」
「全く。けど呼ばれてるんだし、行かなきゃマズイだろ?」
そう言うと、優は駆け足で教室を抜け出し、ものの10秒程で校庭に出た。教室は3階、ロッカーの在る1階まで最低でも20秒は掛かる筈なのに、当然を無視するような速さで優は校庭まで到着した。
「アントニー! 私達も行こう!」
「あ、茜さン?! ちょっと待ってくださイ!」
筆舌に尽くし難い胸騒ぎがした私は、アントニーを呼んで駆け出した。一体何が起ころうとしてるのか、この目で直接確かめなきゃ……
続く
どうでしたか?
僕としては満足の出来です。
また次回もよろしくお願いします。