朝も早よから壇ノ浦
※本作はフィクションです。実在の法律・人物・団体とは一切関係ありません。
HHK(日の本放送協会)朝の報道番組
『おはよう日の本』
「おはよう日の本。
今朝は壇ノ浦と中継がつながっています。
現地の藤原さーん?」
「はい!こちら壇ノ浦ですー!
見てください、この見渡す限り一面に広がる白旗!
今日は壇ノ浦の戦い開催当日ということで、陸でも海でもたくさんの源氏の皆さんが大きな声を上げていま〜す!」
「そして、こちらは平家の皆さんです。おはようございまーす!」
オハヨーゴザイマース
「源氏に比べると少ないですが、こちらもたくさんのお侍さんが、船上から元気な声を上げています。」
「今朝は平家のエース、平教経さんにお越しいただきました。おはようございます!」
「あ、どうも、おはようございます」
「今日はいよいよ源氏との決戦の日ということですが、意気込みを聞かせてください」
「いやぁ、陸はほぼ抑えられてますからねぇ。しかもあちらさんは一人一人が強いですから。
ほら、持ってる弓なんかこっちの倍くらいあるでしょ?
力は強いし、戦慣れしてるし。性格もね、もうキチ◯イみたいな顔して襲ってくるでしょ?ウチで単体で勝てるのオレくらいしかいないからねぇ…」ア、イマノハツゲンハチョット…
「まあ、序盤は潮の流れが味方してくれそうなんで、はじめから飛ばしてね、弓を撃てるだけ撃って、頑張って行きたいと思います。」
「ありがとうございました。頑張ってください!
平教経さんでした。」
「さて、今朝は地元婦人会の皆さんにもお越しいただいています。
戦の間、両軍の皆さんにご飯を提供するボランティアとして参加されるとのことで、何やら名物料理を振る舞っていただけるということですが、こちらは何ですか?」
「ヘイケガニの唐揚げです」
「えぇ〜っ!?食べちゃって良いんですか?」
「殻がパリパリしておいしいですよー」
「ええと、ではいただいてみたいと思います………、うん、えと、なかなか、こう背徳的な、お味、で、す、ね!
はいっ!ありがとうございましたっ!地元婦人会の皆さんでした〜!」
「それではですね、最後に今回の戦いの平家代表、安徳陛下と平時子さんに、お話を聞いてみたいと思います。おはようございます」
「おはよーございまーす」
「…………」
「あのー時子さん?ちょっと音声が入りづらいようです」
「…ニ……ス」
「時子さん?時子さーん」
「ミズノソコニモミヤコハゴザイマスミズノソコニモミヤコハゴザイマスミズノソコニモミヤコハゴザイマスミズノソコニモミヤコハゴザイマスミズノソコニモミヤコハゴザイマス」
「うわぁっ!?」
「時子、昨日からこれしか言わないんだよ。可笑しいよね。ハハッ」
「そ、そうなんですねー。カメラの前で緊張してるんですかね?
では陛下。本日はどのような展開を期待していますか?」
「試合は水物だからね。始まってみないとドッチガカツカワカラナイカナー。
じゃ、僕たちはこの辺で。」
〜時子ー。僕たちが乗る船はそっちの豪華なのじゃなくてこっちの小さいのだってば。昨日の作戦忘れたのー?ほらしっかり歩いて。
ミズノソコニモミヤコハゴザイマスミズノソコニモミヤコハゴザイマス……〜
「あ、ありがとうございました〜ぁ
今朝はこちら壇ノ浦からお伝えしました!
スタジオにお返ししまーす」
「藤原さん?藤原さん!源氏の方は呼ばなかったんですか?」
「あ、はい。
実は源義経さんをお呼びしていたんですけど、ここに来る前に平教経さんが義経さんを見つけちゃって、二人で追いかけっこを始めちゃいまして
ここに来てもらえなくなったんですよー。」
「そうでしたか〜。分かりました。ありがとうございます。」アリガトーゴザイマシター
「はい、壇ノ浦から中継でした。この後、戦は正午開始予定ということです。
いやー、それにしても安徳陛下!七歳とは思えない落ち着きぶりでしたね〜。」
「そうですね〜。私にも息子がいますが見習ってほしいですね、ハハハ。
……さて、先ほどの中継で一部途中不適切な発言がありましたことをお詫びいたします。
では次のニュースを…」
おしまい




