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第2話 小さなお茶会。

「リディ、いらっしゃい!こっちに来て!」


私の母と、ベルの母上は学院での同級生だったらしい。仲が良いのでお互いの子供たちを連れてのお茶会も行ったり来たりだが、お邪魔する方が多いかな。

母親に連れられて、ラウリー伯爵家の中庭にお邪魔すると、ご挨拶もそこそこにすぐにベルが迎えに来る。


おばさまが好きなバラが一面に咲いている。白に赤にピンク。濃いマゼンタ色のバラ。蔓バラのアーチを越えて、少し小高いところにあるガゼボにベルと手をつないで走る。ベルの金色の髪が揺れる。


ガゼボの椅子にならんで座って、一面のバラ園を見下ろす。

「今年も綺麗に咲いたわね?」

「うん。早くリディが来ればいいのにって思ってたんだ。うふふっ。」


笑うと可愛い。同じ年だけど、今のところ私の方がほんの少し背が高い。

母たちにお茶が入ったと呼び戻されるまで、私たちはいろいろな話をした。

お互いに読んでいる本のおすすめをしたりね。冒険小説はあの頃、ベルに教えてもらったんだったな。


「リディの髪は美味しそうだよね?」

「え?」

「綺麗なチョコレートブラウンだ。白いバラが似合うね。」

恥ずかしそうに笑って、とげを抜いた白バラを私の髪に飾ってくれた。

「うん。リディ、思った通り、かわいい。」


あ…昔の夢を見ているんだなあ…と、気が付く。


あれは…私たちが7歳?8歳?



あの後は、ベルの弟妹や私の妹も参加するようになって…みんなでワイワイしていたなあ。それはそれで楽しかった。ベルは小さな子の面倒を見るのも上手で、お話も上手で…うちの妹なんか、お姉さんじゃなくてお兄さんが欲しいとか言ってたなあ…。うふふっ。


大好きだったなあ。あのお茶会。



学院の中等部にいる間は、今まで通り月に一回ぐらい開催していて…高等部になったら、ベルがあんなになっちゃって…おばさまには誘われたけど、遠慮しておいた。母と妹は、本当に行かないの?と言いながら出かけて行った。

ベルと付き合っている女の子のことを考えたら…嫌だろうしね。いくら幼馴染でも馴れ馴れしいのも。


私も、後継者教育が本格的に始まって、忙しかったし…。


まあ…跡取り娘と伯爵家の嫡男、何が起こることもないんだけどね。



ああ、ずいぶん昔のことだわ。お茶会の話なんてしたからね…。


リディアーヌが寝返りを打つ。

まだ夜が明けかけたばかり。カーテンの隙間から青白い朝が見える。


一つため息をついて、リディアーヌは布団に潜り込んだ。







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