VS続アメリケーヌ合衆国陸上海兵混成団②
海戦が激しさを増した中で、陸上でも熾烈な争いが行われていた。アメリケーヌ合衆国陸上海兵混成団を駆逐する作戦にもロースト一味は着手していた。世界連合軍の兵力は約150万人。対するアメリケーヌ合衆国軍の兵力は約160万人と拮抗していた。
戦いは熾烈を極めた。山、町、川全てが銃弾の降り注ぐ戦場と化した。広大なアメリケーヌ合衆国で究極のサバイバルバトルが展開されて行く。所詮この世は弱肉強食の世の中である。
マッキード山脈での戦いは両軍の天下分け目の戦いとなった。高い標高に冬山であると言う寒さと言う難条件が重なった。目の前の視界は、ブリザードでほとんど無いに等しい。
しかし、この難条件下のマッキード山脈を制圧しない事には世界連合軍の勝利は完全なものとならない。こう言う時は牛歩戦術で一歩一歩前に進むしかない。部隊毎に連携を取りながら、世界連合軍はマッキード山脈を着実に攻めた。2ヶ月かけてマッキード山脈を制圧したが、西海岸に辿り着くにはまだようやく5合目を越えたに過ぎない。しかも西海岸のシャンフランシスコや、リョスアンジェルスには、世界最強の陸上兵力を持っているアメリケーヌ合衆国陸軍海兵隊の本部がある。
戦場はやはり惨禍を極めた。ロースト一味は覚悟していたが、最高責任者としてローストは亡くなった兵士には申し訳ない気持ちに心の底からなった。
「人の上に立って何かを成し遂げるって、凄く切なくなるよな?」
「らしくねーじゃねーか?どうした?」
ビーフンは吸ったタバコをフーッとはきながら言った。
「戦況が優勢ならともかく、こうもバタバタと人が倒れるとさ…。」
「馬鹿野郎!そんな弱気でどうするんだよ?世界連合軍の頭が甘いざれ言を言うな。」
「フーッ。こう言う時はアフリカの雄であるビーフンの強気な感じで何時も立ち上がるんだよな。(笑)」
「まぁ、一服しようぜ。」
と、ローストはビーフンからジャーキーとタバコを一本貰った。
「あんがとな。」
これは彼等の毎日の日課だ。
「まぁ、気持ちは分かる。確かにこれだけ人の死を見させられると、気は滅入るよ。」
「開けちまったパンドラの箱だが、まぁやれる所までやってみよう。って感じだな。」
「それは今更言っちゃあかんで?」
吐き出した煙は寒い夜空に吸い込まれて行く。
「俺がやりたいのは、このアメリケーヌ合衆国をぶっ倒す事だからな。」
「王子が革命戦争起こすって、どんだけだよ。(笑)まぁ、面白くなって来たから、最後まで付き合うよ。」
世界連合軍は結局、悪戦苦闘しながら何とか西海岸の部隊(シャンフランシスコ隊、リョスアンジェルス隊)を攻略したのであった。何はともあれ世界連合軍は劣勢ながらアメリケーヌ合衆国陸軍海兵混成団を壊滅させる事に成功した。