勝利の後に残る課題~次なる悪党退治~
勝利とは何か?その答えは一つでは無いだろう。いずれにせよ、結果が全ての答えであり、どこまで実現出来たかと言う事でしか評価は下せない。
ロースト一味のやっている事は端から見れば、悪者退治である。ヒーロー気分の革命もどきは民衆を煽り、民衆の不満の火に油を注いでいる。
しかしながら、既存の体制を破壊したところで、その後どうするか、予後が大事で難題である。無論、戦後の後始末までが勝者の役目だが、そうではないケースもある。従来型のやり方より、地元の人間が力を寄せ合い知恵を出せば、それに勝るものはない。勝者による独断専行の政治が横行して来たのは、罪な歴史である。
そう言う歴史は常にトップヒエラルキーに君臨してきた人間を排除する事で、革命として成立してきた。まぁ、ロースト一味の行動はそう言う点では、新時代の革命とも言えた。
まだ倒していない大悪党がいる。その舞台はローストの出身地アメリケーヌ合衆国。ここまで派手にやらかして来たのだから、もうやるしかない。しかし、アメリケーヌ合衆国陸海空軍は全ての面でロースト一味が率いる(仮)世界連合軍を上回っているのは確かだ。しかし、戦はやってみなければ分からない。
劣っているとは言え、ここまでにロースト一味が獲得してきた常備兵力では圧倒的にアメリケーヌ合衆国軍を上回っている。さらには、ジャポネーゼ帝国海軍の誇るサブマリンE号型潜水艦もある。ブリタニカ王国海軍の航空母艦もある。それぞれの力を結集すれば、アメリケーヌ合衆国軍と互角に戦う事も不可能ではない。
何が正しいか?それは人それぞれ違って当たり前だ。立場もそれぞれに掲げる正義も違う。それでも戦わねばならぬのなら、宿命なのだとしたら、それはやるしかない。負け犬では正義を語れないのも事実。
ロースト一味は一貫して現行の政治体制の打破する事だけに注力していた。ローストはその人柄と勇気ある行動力で、クセの強いパーティをまとめて来た。壊さなくて良い物は壊さない。そうまでして打破しなければならないのが、世界の富と権力が集中するアメリケーヌ合衆国である。無論、簡単な事ではないし、ここまでの様には上手く行かないかもしれない。
それこそが彼の悲願であり、その為の遊軍集めであった。達成可能ラインには持ってこれたが、上回ってはいない。ローストの狙いは戦後の後始末よりも、プラン通りにプロセス通りに国家再建を果たす。あれやこれやと手探りの様な状況つまりは、トンネルの中をヘッドライト無しで暗中模索する中で位の覚悟がないと駄目だ。
ローストの持論としては、体制は常に変えていくべきだと考えている。少なくとも現状に満足しない勢力は常にいるし、反体制派の多さにローストは逆に驚いている。かくしてロースト一味率いる世界連合軍は大西洋を渡りアメリケーヌ合衆国に着いたのであった。