VSブリタニカ王国陸海軍④駆逐作戦
ブリタニカ王国海軍は、指揮権を持つ陸軍を破った時点で勝負はついた。然るに、戦わずしてあの外洋海軍に勝っていたのであった。
ブリタニカ王国を去る前夜…。ふとローストとビーフンは話し込んでいた。
「なぁ?ビーフン、俺達がやってる事って正しいんだよな?正直最近よく分からないんだよな。」
「俺は悪い事してる感覚は無いけど?俺達は革命を起こしているだけだ。それは立場によって良いか悪いか決まる。」
「物は考えようなのかもしれないが、たまに自信がなくなる。時がある…。」
「ロースト?それは俺もあるぞ?自分の存在価値なんて大したことではない。」
「しかし、解せぬ。たった4人で転覆するものなのか?政府とやらわ。」
「実際問題堅牢な守りにも隙はあるからな。エリザグローネ王女を救えたのはその隙をつけたからかな。」
「これからどうする?」
二人は数分間沈黙した。ふとビーフンが口を開く。
「ロースト?お前の地元が残ってんじゃねーか?つーかそれが一番キツいぞ?」
「アメリケーヌ合衆国軍に隙はない。住んでたから分かる。」
「ブリタニカ王国もジャポネーゼ帝国も重要な事は紙一重で、ネゴシエートしてるしな。」
「遊軍は増えたが、まだアメリケーヌ合衆国軍を倒せる戦力はない。」
「そんな先の事まで考えて行動していないがな。俺達自身はな。」
「それは言えてる。つーかタバコある?」
「おう。」
ジュポ。と安いジッポライターでタバコに火をつけたビーフンが言った。
「お前も吸えよ。深夜の一服は最高だぜ?」
「あ、ああ。理想論なのかな?平和って?」
「必要最低限の自衛力は必要だろう。その時点で平和なんて無理な訳で。」
「ビーフン、今何時?」
「夜中の3時だけど。」
「ストロガノフが起きる時間だ。ビーフン、気を付けろ。」
「もう、二人が盛り上がってるから眠れないじゃない?」
「たまにはそう言うのも大事だな。」
ヒロシ・アベは刀の手入れに余念が無い。
「ヒロシがいてくれたお陰でブリタニカ王国海軍の戦力をほぼ無傷で手に入れられたのは、結構デカイぜ?」
「ジャポネーゼもブリタニカもあるし、行けるんちゃう?」
「まぁ、ドデカイのは狙わず足元救わせずヒッティングやな。」
「さて、雑談は終わりだ。少しでも寝とこう。」
こうしてロースト一味は苦悩しながらも、最後の強敵との戦備を始めた。本当はクイーン・エリザグローネの救出が目的の革命行為であったが、ここまで来たら取るは天下統一である。平和な未来を作る為に、仕掛ける大戦を途中で止める訳にはいかない。