VSブリタニカ王国陸海軍③駆逐作戦
クイーン・エリザグローネの救出に成功したロースト一味の前に欧州最強ブリタニカ王国陸海軍が立ちはだかる。ブリタニカ王国陸海軍の長所は、その強力な火砲を用いたバルテノンカノンや追跡砲弾である。弱点を上げるとすれば、機動力の低さであるだろうか。
まともにぶつかり合えば体がいくつあっても足りない。ブリタニカ王国陸軍大将ぺートンは、「我が機動師団と手を組めば百戦危うからず。」と述べている程である。
機動師団とは海兵隊的なものであり、陸軍とのタッグは確かに強力である。ロースト一味はまず、様々なトラップでこの強力な火力を封印する事を考えた。対洗車地雷なども用いて、効果的に敵勢力を足止めした。作戦は成功した。陽動作戦も見事にはまり、ぺートン将軍率いるブリタニカ王国陸軍は壊滅した。
無論、正規戦争による削り合いではあったが、既に機能不全に陥っていたブリタニカ王国陸軍では、ロースト一味の相手ではなかった。
軍隊において最も避けるべきは、文民が統制しようが、軍部が統制しようがとにかく司令部の機能不全である。上意下達の軍隊において、トップが機能しない事には豚に真珠である。ブリタニカ王国陸軍が破れた原因は他にもある。武装民兵であるテロリストグループに国家の中枢を乗っ取られてしまった事である。言語道断で逆を返せば、テロリストグループの上にいたのがロースト一味であり、その証としてロースト達の作戦が効をそうしたのかもしれない。
敗戦の将であるぺートン将軍はこう述べている。
「テロリストグループにブリタニカ王国の中枢を乗っ取られた事は言語道断であり、国民に謝罪せねばならない。あるべきはずのプライドも守るべき国家の体制も、これからのブリタニカ王国を担う若者による改革が必要なのだろう。と、考える。」
ロースト一味は次なる戦場をいよいよ本丸のアメリケーヌ合衆国と対峙する事になった。エリザグローネも救出当初は衰弱していたものの、日を重ねる毎に元気になり、1週間もすれば、元のクイーン・エリザグローネに戻っていた。まさか、助けてくれたのが、あの親友のロースト君であったとは夢にも思わなかった。
勿論、ローストはとりあえず全ての戦が終わるまではエリザグローネ王女に接するのは控えるべきと考えていた。それはいつ死ぬか分からないからと言うよりは、余計な心配をかけたくなかったよと言う、ローストの男気とでも言えただろうか。いや、今のローストの心の中にはそんな余裕は無かった。