VSブリタニカ王国陸海軍②~クイーン・エリザグローネ救出作戦~
ロースト一味の全ての戦いは実は、このブリタニカ王国王女クイーン・エリザグローネをブリタニカ王室から完璧に救出するのが、狙いであった。
と言うよりはローストの個人的な望みであった。ローストとエリザグローネは高校生時代同級生であり、仲も良く交際していた。
ただ、卒業に伴いローストはブリタニカ王国から故郷のアメリケーヌ合衆国に帰国することを余儀無くされる。
エリザグローネはブリタニカ王国の姫である。現在彼女は、内戦状態にある軍事政権の人質となっている。ブリタニカ王国陸海軍は世界最強クラスだが、テロリストのクーデターに指揮権を奪われ機能不全に陥り、動けない状態にあった。
ローストはブリタニカ王国のクーデターの事を知り、革命家を志した。世界観や思想に特別なものはない。ただ、囚われのエリザグローネを救出したい。それだけであった。
だが、これまでのロースト一味の戦いとは違い、テロリストの指揮する正規軍との戦いになる。それは経験した事の無い事であった。
とは言え、これまでの戦いで味方につけてきた戦力を用いればそう難しい事ではないだろう。内戦状態にあるブリタニカ王国でのテロリストグループの目的は王族の排除ではなく、エリザグローネを人質に取ることによる政治目的の達成に過ぎない。
ブリタニカ王国はこれまで長きに渡り専制君主制度を用いて来た歴史のある王国である。バランスのとれた世界を目指して外洋海軍の整備にも懸命に取り組んで来た。
とにかく、ロースト一味はまずエリザグローネを救出する事を最優先課題とした。闇夜に夜襲作戦を展開するつもりである。ここはヒロシ・アベの独断上であった。ブリタニカ王室にいたテロリスト全員を掃討。クイーン・エリザグローネを含むブリタニカ王室全員を無傷で救出した。
ただ、クイーン・エリザグローネはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発病したため、他の王室の方とは別に入院させた。
ここからは、時間との勝負である。テロリストを排除したのは良いが、正規軍の指揮命令系統が戻れば戦争になるかもしれないからだ。出来れば白旗をあげさせたいのだが、それはロースト一味の望む所ではない。既存の有るべき体制を破壊する事を目指しているからである。
ブリタニカ王国陸海軍の最高指揮官ウィリアム国王は、王室の解放がなされたと発令し、内戦の終結を告げた。
これにより、ロースト達は欧州における優位性を確保し、新秩序の構築を目指す時代の潮流を作り出した。しかし、世界No.2のブリタニカ王国陸海軍との戦は避けられなかった。ローストの額には汗がにじんでいる。ビーフンも倒せるか分からないがワクワクした表情で戦いを待っていた。