FASE4 高くそびえる欧州軍~遥かなるアルプス~
ロースト一味は進路はるばる、ヨーロピアンを目指した。遥かなるアルプスに囲まれた山岳地帯に欧州最大の基地がある。ハリネズミにも例えられる様にアフリカ、ロシア、ジャポネーゼと言った強敵をその智略で勝利してきたロースト一味であったが、今度の戦はかなり手こずりそうである。
自然条件的に見て真冬である事はしょうが無いとしても、使えそうな民間人がほぼおらず、海から離れた場所にありビーフンの艦隊も使えずと、かなりの悪条件である。その為、ロースト達は作戦を慎重に慎重を重ね丁寧に作戦を立案した。
EU軍はこのアルプスに囲まれたこの基地を失えば、連動性がなくなり、あとはなし崩し的に崩壊すると言う寸法である。その場にあるのはせいぜい石ころか雪玉であり、装備は貧弱だと判断し、ヒロシ・アベを独断専行で単騎突入させた。
そこは流石の紅の侍、有無を言わさぬ連続の突き技で仕留めて行く。仕留めた兵士の武器でロースト、ビーフン、ストロガノフが続く。まさかこんな所に敵襲は無いと想定していたのであろうか、セキュリティは甘甘であった。
基地の制圧には大した時間はかからなかった。ロースト一味はあっけなくEU軍中央アルプス方面隊を制圧した。とは言えこれに気付いたEU軍本隊が残留兵士の通信により来る可能性には注意せねばならない。作戦完了とは、想定されるリスクを100%排除出来て初めてコンプリートな訳で、1%でも取り除けて見落としてはミッションインコンプリートな訳である。
手なずけた捕虜を有効に活用し、アルプス方面隊の基地は100%制圧に成功した。しかし、まだここは激戦のプロローグに過ぎない。ヨーロピアンには倒すべき強敵が沢山残っている。ここはあくまで干渉地帯に過ぎない。改めて世界は広いと言える。凍てつく冷気が寒すぎる現実を見せつけて来るものの、落とした要所を足がかりにして、次から次へと同士を増やして行く。
現行の体制に抵抗する勢力の多さに驚きながらも、人手は多いに超した事はない。ロースト一味が起こしているこの革命はやがて大きなうねりとなって、今そこに風が吹き荒れて行く。