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ヒロシ・アベとの握手(同盟)

 何故あまり多くを語らないヒロシ・アベであったものの、どうにかこうにか、ロースト達はヒロシ・アベを仲間にする事に成功した。これで、ローストとビーフンとストロガノフとヒロシ・アベの4人のパーティが完成した。ドラクエで言えば、勇者、魔法剣士、賢者、戦士みたいなものであろう。

 

 まるで、RPG(ロールプレイングゲーム)みたいなものであるが、このジャポネーゼ帝国での本当の敵はジャポネーゼ帝国陸海軍である。4人で戦うには、明らかに分が悪い。


 それでもある共通の目的達成の為、この戦は避けて通れない。ヒロシ・アベには兄弟はおろか父母すらいない。所謂天上天下唯我独尊の男である。己の腕っぷしの強さだけで生きてきた男だ。そんなヒロシ・アベの願いは只一つ。ジャポネーゼ帝国軍の壊滅である。

 

 とは言え、ジャポネーゼ帝国陸軍の強さはヒロシ・アベが肌身を持って知っている。世界最強クラスのジャポネーゼ帝国陸軍に対してヒロシ・アベがそう言う願望を持つに至るのはきちんとした理由があった。


 ヒロシ・アベが所属していたジャポネーゼ帝国陸軍第2師団の師団長モリオカ・タミオ陸軍少将に、あるはずのないスパイ疑惑をかけられたヒロシ・アベは罠に引っ掛かったのである。部隊行動基準(ROE)を犯しての行為に対して、その責任を取るはずだったモリオカ少将が階級の低いと言うだけの理由で、少佐だった部下のヒロシ・アベに全てを擦り付けた訳である。


 勿論、軍隊は階級社会で上意下達である。上官の命令は絶対であり、組織にあっては命令は絶対に逆らえない。やむなく若い内に軍を辞めざるを得なかったのである。と言うのが事実であると、ヒロシ・アベはロースト達に話してくれた。やり場のないやるせなさで一杯だ。


 その点を踏まえた上でロースト達を信じた為、同盟(仲間入り)に繋がった訳である。


 「ヒロシ・アベ?君が受けたその屈辱を晴らそう。ジャポネーゼ帝国軍と政府は我々の潰すべき対象である。勿論、君が我々の仲間に加わると言う事は、公式に世界を敵に回す事を意味する。それでも構わないとなれば、我々についてくれればよろしい。」

 

 ヒロシ・アベの答えはこうであった。

 「うむ、異論は無い。」

 組織の中にいた人間を味方にするのは、王制打破の最良な手段である。ヒロシ・アベの加入は、ロースト達にとってベストな選択であったと言える。ただ、ローストが何を目的に如何様な事をするのかまでは、仲間達の知る所ではない。と言うより、このパーティの主導権はビーフンやストロガノフも同じ様にイニシアティブを持っており、平等であると言った方が正しい。

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