ヒロシの前にヒロシ無し、ヒロシの後にヒロシ無し。
ヒロシの前にヒロシ無し、ヒロシの後にヒロシ無し。とは彼の為にある様な言葉である。昭和の大横綱双葉山と言うレジェンドに与えられた名文句である。
まぁ、要約すればヒロシ・アベは偉大であり、代わりの人間等いないと言う意味である。侍の国であるジャポネーゼ帝国において、今尚実戦殺人剣術を使いこなしている人間はほとんどいない。
武士が刀を捨てて早200年。侍と言う言葉すら死語になりつつあるのは紛れもない事実である。そんな中にあって実戦殺人剣術を使いこなしているヒロシ・アベはまず間違いなく戦力になれる存在である。それはローストもビーフンもストロガノフも3人とも同じ見解であった。ローストはこう言った。
「あのヒロシを仲間にしようぜ!」
だが、ビーフンは一端拒否した。
「まだ一度出会ったきりだ。その話は時期尚早だ。」
だが、ストロガノフは別の見解を見出だしていた。
「あんなに親切な人はそういないよ?しかも彼はチップすら求めない。あれこそ有名なサムライスピリットだわ。」
3人の意見はそれぞれ至極真っ当な意見であり結局、ヒロシを誘うのは、現時点では中断する事にローストが決めた。だが、それはあくまでもヒロシの意見をコミュニケーションをとるための仮判断であった。ヒロシ・アベが仲間として相応しいかと言う事をこれから判断する為のものでしかなかったのである。言ってみれば仮処遇の様なものである。
ジャポネーゼ帝国に入国して3日目の朝であった。いつもの様なブレイクファストのポーチドエッグとサラダと食パンを3人が食べた後の事であった。食後の珈琲も飲み終わり、喫煙者であるローストとビーフンは食後の一服を楽しみにしていた。ローストはマルボロを、ビーフンはマルボロのメンソールを吸っていた。ストロガノフは全く吸わない。その為きちんと分煙している。それにしても、タバコと言うのは不思議な嗜好品である。珈琲も嗜好品だが、精々気になるのは口臭とカフェイン中毒位のものである。
それに体してタバコは吸いすぎると、肺がんになるし、心臓にも悪い。体に毒である。百害あって一利無し。のようだが、たまに吸う分には全く問題ない?。と思いニコチン中毒になる人のなんと多い事か。まぁ、そんな事はストーリーの構成に何の影響も無いのだが、やはりどう考えてもタバコは体に毒であり、副流煙が及ぼす周囲の人間には迷惑である。