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序章

え?設定資料を読んでいないって?大丈夫、作者も読まない派だから読まなくても良いように物語を作ってます。

まぁ、設定資料を読まない人がここを読むと思って無いですが…


俺、内山春人は17歳という若さで命を落とした。


原因は、信号無視のトラックに轢かれ、そのまま即死と言うなんともパッとしない死に方。


そして、死んだはずの俺が目を覚まして最初に見たのは、暗闇に浮かぶよく分からない光の球だった。


その光の球は自分を神だなんだと言って俺に第二の人生を与える代わりに異世界で魔王を倒してこいと命令した。


そして、俺がそれを聞いて最初に思ったのは…



      これ、ラノベで良くある展開だ



そんな事を考えながら、無事転生。

いや、よくよく考えたら一回死んでるし無事ではないが、そんなことはどうでもいい。


そして転生後、俺はあの自称神の光の球に言われた通りに魔王を倒すべく、魔王についての情報を集め始めた。


どうやら、転生者特典とか言うやつのおかげで、ありとあらゆる言語を自動的に翻訳して理解できるようにしてくれているらしい。

この能力が無ければ、まず最初の情報収集の時点で躓いていただろう。



そして、なんやかんや紆余曲折あって俺は魔王がいると言われている城へと辿り着いた。


まぁ、そのなんやかんや紆余曲折の中には辛い修行の日々、様々な人との出会いと別れ、実は一体どころか7体いた魔王のうち2体をなんとか倒した熱い戦いだったりとか色々あるのだが、今は置いておこう。


そうして俺は、3体目の魔王を討伐すべく、魔王の城に来たと言うわけだ。


一人で。


いや、別に人望が無いとかコミュ障とかそう言うわけでは断じて無い。

ただ、俺について来れる人間が居なかっただけだ。


そう、人望が無いとかコミュ障とかじゃ無い…



まぁ、そんな話はさておき、俺は魔王の城へと乗り込んだ。


そこで出会ったのだ。



俺の運命を大きく変えるその存在に。


魔王の城に入った俺が見たのは…




      大きな玉座に座るちっちゃいやつ…




    いや、とてもとても可愛らしい存在だった。




その存在を目にした瞬間、俺の脳は前世を入れて考えても最も早く回転した。


そして出した答えは、『カワイイは正義!!』だった。



何言ってんだこいつと思ったやつは、ちょっと落ち着いて聞いて欲しい。


え?俺が落ち着けって?

大丈夫だ、俺は至って冷静だ。

だからそんな可哀想な子を見る目をするんじゃあ無い。



まず、その可愛らしい存在が座る玉座は、高さ5メートルはあろうかと言う大きさに金の髑髏(どくろ)や金の髑髏(しゃれこうべ)、金の頭蓋骨がふんだんにあしらわれていた。



え?全部同じだろって?

………まぁ、それは置いといて。



兎に角、そんな悪趣味な玉座に座るのは、全くと言って良いほど似つかわしく無いとてもとても可愛らしいお嬢さんだった。



透き通るように綺麗な白い髪、宝石のルビーを思わせるような輝きを放つ綺麗な赤眼、触れただけで壊れてしまいそうなほど綺麗なツヤ肌、140cmも無さそうな体に纏ったさも身体の一部ですと言わんばかりに似合っているゴスロリ服。



そう、異世界で出会いたい理想のロリを体現したかのような完璧な生物がそこに居たのだ。


そして、俺は悟った。



そうか、俺はこの子に仕えるために異世界に転生したのかと。



そこからの俺の行動は早かった。



俺は魔王(理想のロリ)の前に跪き首を垂れ


「貴方様に仕えるために馳せ参じました。」


と言い放った。



最初こそ魔王は困惑していたが、話をしていく間に、お互いの境遇や現在どちらもボッt…1人だった事もあり、すぐに打ち解けていった。



そして、俺の異世界ライフは本当の意味でここから始まったのだった…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『いや、違うでしょ?』



ある日、夢に転生する時に見た自称神の光の球が出てきた。


違う?いや、俺の転生した理由は魔王(理想のロリ)に仕えるためだ!!だから、何一つとして間違っては居ない!!



『いやいやいや、私は貴方に魔王を倒して世界を救ってもらうように言いましたよね?』



何を言うか。俺は転生してから確かに魔王を討伐したぞ。

しかも2体も。



『いやいやいや、確かに2体は討伐しましたけど、あと5体…あの子はまだ魔王の器では無いので良いとしても、後4体もいるんですよ?』



いや待て、そもそもの前提の話をしよう。

俺は確かに魔王を討伐すると言う約束の代わりに第二の人生を貰った。

だが、そもそも転生するときには魔王を倒せと言われただけで、何体倒せとか言われていないし、そもそもの話転生する時に魔王が7体も居るとは聞いてない。

そんなの詐欺だ!後から条件を付けてくるとか、詐欺の手口だ!!



『ちょっ、落ち着いてください!確かに魔王が何体居るとかの情報は渡しそびれましたが、貴方はあの子に出会うまでは全部倒す気だったのでしょう?でしたら、そのまま続行していただければ良いだけです。』



確かに倒す気ではいたが…

てか、そもそもの話、異世界転生と言えばチートスキルだったり、最初から最強だったり、レベルがカンストした状態で始まったりとか、強くてニューゲームが普通だろ?

俺が貰ったスキルは《万能翻訳》と《成長促進》だけだぞ!

なんだったらあの世界では10歳の子供ですらレベルは5以上だって言うのに転生したばかりの俺のレベルは1だぞ?

産まれたての赤子と変わらない1だぞ?

その状態からほんの2年で魔王を討伐出来るくらいまで行った俺を褒めて欲しいくらいだわ。

それに、貰ったスキルが実は最強!とかはなかったし、何だったら《成長促進》の方に関しては割と持ってる人居たし、《万能翻訳》だって学者に1人持ってるやつ居たしで何の特別感も無かったぞ!



『いきなり凄い熱量で語ってきますね…しょうがないじゃ無いですか、ただでさえあの世界では宗教の概念が大きく根付いていなくて私の持っているエネルギーは小さいのに、さらには魔王が7体もいてその分使えたはずの世界のエネルギーを魔王たちに使われていて最終的に残っていたエネルギーをどうにかやりくりして付けられるスキルは全て付けてようやく2つ、そして残りギリギリのエネルギーで転生させたので結局レベルに振り分けられず…そんな状態でチートスキルだとかを付けれる余裕があるとお思いですか!!』



うわ、逆ギレされたよ。

てか、そんな状態で転生させるなよ。

ハードモードにも程があるわ。



『と、兎も角残りの魔王も倒してください!!魔王が3体いなくなって使えるようになったエネルギーでどうにか追加でスキルを付けるので!!

……って!レベル172!?貴方、転生してからほんの2年ですよね!?どうやってここまでのレベルに…』



くくく、驚いただろう。

俺は前世では、少ない時間しかゲームを出来なかったから、その中で最高効率を考えてレベリングをしていたんだ。

その経験から高経験値の魔物が出る場所のいくつかを狩場に設定してそこを何周も周回、さらには空き時間で経験値を貰える錬金術をやりまくってさらなる経験値稼ぎ、そして狩りや錬金術の効率を上げる為に魔力を使いまくって魔力最大値を極限まで上げて全体的な効率を強化。

こうする事で、この世界の人類の頂点級である150レベルを難なく突破したのだ!!

ちなみに魔法を使いすぎてせっかくの聖剣はほとんどお飾り状態だ!!



『なにしてくれてんですか!!ほとんどスキルを渡せなかった情けで最初から用意した聖剣がお飾り状態って、ほんと何してくれてるんですか!!!てか、今貴方の魔王戦を見ましたけど、ほとんど魔法のみで制圧して勝ってるじゃ無いですか!!これじゃあ聖剣が本当の意味でただの飾りじゃ無いですか!!』



い、いや、聖剣も役に立ったから、ほら、例えば序盤とか魔法の概念知らなかったから魔物を倒すのに使ったし、それに、この前だって焼いた肉を置く為に使ったし…



『完全に皿として使ってるじゃ無いですか!!まぁ、まだ聖剣に関しては良い…いや良く無いですけど置いておきます。それよりも、魔王を後4体討伐してくださいね!』



いや、俺は魔王様に仕えると…



『良いですね?』



い、いや…



『良いですね?』



はい…



『では、よろしくお願いします。それと、新しいスキルの方は私の方で選んで付けておきますね。それでは。』



その言葉を聞くと、俺の意識は遠のき…


ーーーーーーーーーーーーーー



魔王の城のベットで目が覚めた。

外はまだ薄暗く起きるには早い時間だった。



いやはや、嫌な悪夢を見たものだ。

まぁ、さっきの悪夢はさっさと忘れて二度寝するかぁ。



そうしてまた寝入った俺は、夢で再度自称神の光の球に魔王討伐について釘を刺されるのだった。


「自称神の光の球って呼びづらいけど、なんて名前なんだろ…?」


『自称じゃ無くて本当に神なんです!!』

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