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暗い部屋。明るい窓

作者: みたにノ日常

映像用短編戯曲


暗い(光が届かない部屋の隅)壁に寄りかかる2人。ただ寄りかかっている。


女)早く戻らないと

男)うん

......

男)あと3分。3分までいよう

女)どうなるの?これからいつものように.....

......

男)さあ、分からない。分からないから、こんな所にいるんだよ。

女)ねえ、なんで3分なの?戻りたくない、もっとここに居たい。5分でも10分でもいいから。

男)それは出来ない。


沈黙

声が聞こえる。その方向に視線を乗せる女。それから男。

別の2人組、意気揚々と歩いている。カメラは視線を追うようにその場で回転しながら近づく。

立ち止まる2人。あまり男女と離れてない。


1)それでさ、あんまりにも不味いから、そこの人に聞いたんだけど、そしたら「それが売りです」とか言うんだよ。あり得ないよ、ほんと。

2)看板とかに書いてあったかも?「当店人気No. 1“まずいコーヒー”」みたいに。

1)なにそれ。というか看板らしい看板もなかったよ。

2)でも実際、そこ人気店でしょ?物珍しさでみんな行くのかなあー。

1)やっぱりネットのレビューは当てに出来ないね。

2)ぷっ.....ハハハハハハ。

1)なに?笑いすぎ。

2)いや、だって...わざわざ高い金払って、不味いコーヒー飲みに行った時のアンドリューの顔思い浮かべたら.....アハハハハハハ⤴︎。

1)はあーあ。最悪だよ、もう。

2)...でもいい経験になったじゃん。

1)まぁね。


②の最後のセリフ当たりから。徐々にカメラが遠ざかる。

前の男女の所に戻る。元のアングル


女)アンドリューって、あの人どう見ても日本人だよね。

男)そういう人もいるよ。(どこか無関心)

女)あんな風に気軽に生きて行けたら....。ごめん。

男)もともとあんな生き方は出来なかった。そうだろ?どんな選択をしても結局こうなってた。

女)変えられたらどうしたい?

男)....考えるだけ無駄だ。でも、もし出来たら、不味いコーヒーを飲みに行きたい。

女)そうだね。不味いコーヒーを飲みに行こう。

男)そろそろ時間だ。



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