第2話 魔法を使う
「んー木を切るにはどうしたらいいかなー」
『ウィンドブレイドがおすすめです。心に唱えるか、声に出してみて、手に魔力をこめて振り回してみてください。』
「お、てんきゅー」
よーし異世界初めての魔法だ。頑張るぞ。
「ウィンドブレイド!」
シャキンッという音を立て、手から透明な剣が伸びている。
「よっし。いくぞーふんっ」
ブワッという音を立てて振り回される。木がどんどん切れていき、倒れていく。
あ、これやりすぎたかも。
『さすがマスター!一発目でこれほどとは……』
あっ一人喜んでいるやついたわ。
『さあ!次は結界です。』
「結界か!どれくらいがいいかな」
『100m四方ぐらいですかね』
「それぐらいか……ん?結界魔法はどうやって唱えたらいいんだ?」
んーやっぱ結界展開!とかか?
『結界魔法に詠唱はありません。属性を付与するとありますが、普通に結界を思い描けばいいですよ。』
「そうなのか……」
んーっとこうかな
『おお!さすがですマスター素晴らしい強度です。賢者の効果で結界は少し強化されていますよ。成長して大賢者になるとさらに増します。
「んー木の切り株はどうしたらいいかな」
『火魔法で焼き消しましょう。広範囲で消滅させたいなら、召喚魔法で精霊を呼びましょう。』
「おお!精霊!」
『サラマンダーあたりがいいでしょうか?精霊召喚:サラマンダーと唱えて、サラマンダーに命令して魔力を込めるといいと思いますよ。』
「分かった。精霊召喚:サラマンダー!ここらを焼き消せ!」
『キュイ!』
可愛らしい萌えてるトカゲが出てきた。
『”危機察知発動”自動で結界を展開します。』
俺の体が虹色に包まれる
ブワー
森が炎で埋め尽くされていく。
「ベル。これはやばいな。しかも危機察知発動してたしやばかったんじゃね。」
『想定内です。』
「そっか」
もう諦めよう。何言っても無駄な気がしてきた。
『では準備が整いましたね。まずは体を動かしてみましょうか。』
「そうだったな。えっとジャンプ!」
足に力を入れて上に飛ぶ。ダンッという音を立てて体が宙に浮く。10mくらい飛んだ。
「はあ、はあ、はあ、こんなに飛ぶとか聞いてないぞ!
『今のは素の力ですね。少し私の体が張り切っちゃいましたか。』
「よし。人間の姿に戻ろう。」
早く戻らないと心臓がどうにかなっちゃう
『そうですか……』
そんなに残念そうにされても……
「どうすればいいんだ?」
『変身と唱えればいいと思いますよ。』
「変身!」
おおおお。体が人間の体に戻っていく!
「おおなんか久しぶりに感じるな。なんか肌もツヤツヤだし!本当に若返ったのか。」
『はい。そうですね。もう2度と老けませんよ。』
「それはすごいな。」
拗ねつつもしっかりと教えてくれるんだな。
『でもマスター』
「ん?どうした」
『今マスターはだかですよ。』
「え!」
やばい。気づかなかった。誰もいないとはいえこんなに裸を晒すのはやだな。
『魔力で体を覆ってみてください。それで服をイメージすれば服ができますよ。いい装備品に魔力をとおすといいですが、今はそれでいいと思います。』
「まじか!そんなこともできるのか。えーっとこうかな」
『さすがです。マスター上手いです。』
「えっとまあ異世っぽい服だな。」
『デザインはその人のイメージや想像に似てきます。』
あーだからこんな感じなのか。
まあ。何はともあれ、試していくか!
一方その頃
よし。回復したぞ。次こそあの者に勝つのだ。我こそが最強種魔古龍”パキラ”なのだ!
この世界の最強種が動こうとしていた。