プロローグ
俺、宮﨑康太。32歳。男。年齢=彼女いない歴。のナイスガイは人生を真っ当に生きてきたつもりだ。少しやんちゃをしてた時もあったが、しっかりと親孝行をし、人助けをしてきた。
そして仕事もしっかりやってきて、上からの理不尽な依頼も頑張って耐えてきた。ゲームやアニメなどの娯楽も楽しんできた。彼女はいないけど、
まぁそれなりに人生を楽しんできた。なんで過去形なのかというと1時間前に遡るのだが……
「はぁこれで仕事もやっと終わりか」
「先輩おつかれさまでした。」
「おう、加藤もお疲れー」
こいつも何気にこのブラックな会社で頑張ってんだよな……今度飯でも奢ってやるか、唯一のブラック仲間だし。
「がちであのクソハゲジジイめ〜先輩もそうおもいますよね!?」
「ああ。そうだな……」
これの愚痴はいつものことだ。うちの部長は社長に気に入られるためにたくさん仕事を持ってこようとするから仕事がやってもやっても増えていってしまう。そのつけを払うのがうちの課になるわけだ。
「あっ報告書も書かなくちゃいけないんだった」
こうやってこいつは忘れることが多い。でもこいつ今日は記念日だって言ってなかったか?こいつは忌々しいことにリア充なのだ。
「ああそうだな。でももう9時だけど大丈夫か?なんか予定があるんじゃなかったのか?」
「あっ!そうだったっす!今日は1年半の記念日なんっすよ」
「ほら、報告書は俺が書いといてやるから急げ」
仕事は増えるがこいつが別れて効率が落ちるのは困るからな
「まじすか!先輩マジで神っす!ありがとうございます!」
「ほら急げって」
「先輩も早く彼女作るといいっすよ」
「うるさいなぁ余計なお世話だって」
「まじっすよ」
作れるんだったら作ってるわ
「じゃあ先輩ありがとうございます!お先っす!」
「ああじゃあな」
さてと、報告書をサクッと作るか
〜数時間後〜
はっ……今は何時だ?10時半……寝てしまった。報告書自体は終わっているから提出するだけか……でも……なんだろうこの違和感、まるでずっと眠っていたかのような、、まあ気のせいか
〜数分後〜
はぁ、なんかどっと疲れたな。おっ今日は新月か。新月って意外とわかるもんだな。そういや加藤うまくいったかなー。彼女か〜まあ俺とは無縁の話だな。
ん?あれは……加藤とあれが彼女か?話しかけないほうがいいよな。ってなんだ?やばい!トラックが!
加藤と彼女が信号を渡ろうとしているところに居眠り運転しているトラックが突っ込もうとしていた。
「かとうっ」
ドンッ
俺はとっさに加藤とその彼女を突き飛ばしていた。
「えっ先輩っ」
「え?」
やばいっ俺が
俺の目の前にトラックが来ていた。
ドンッ
俺はトラックと正面からぶつかった。
い、痛い…くるしい…か、とう…無事だったか…
「せ・・パイ!・・・い!」
何だ加藤しっかりしゃべれ…
!?
そうだ、そうだった、俺はトラックに轢かれたんだった……なんだか……意識が……
俺の意識は落ちていった。
こうして俺の32年間の人生は終わった。はずだった。
その後は意識がぼんやりしていて、あまり覚えてないが、下に落ちていく感覚がした後、ずっと何かに引っ張られるような感覚だった。そのまま身を任せた。
そうして気がついて、落ちたと思ったら俺は森にいた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。誤字やアドバイス、感想があればよろしくお願いします。