149 娘の闇堕ち阻止計画0.2.1
いつも拙作をお読みくださり、ありがとうございます。
今後の投稿ペースですが、一応の予定として『月曜日・水曜日・金曜日』の更新としたいと考えております。
曜日や更新ペースについては、皆様の反応や私の都合などで変更するかもしれません。
公開はいつも通りの午前04:00時です。
朝の通勤・通学の時間のお暇つぶしに間に合うようにするのは変わりません。
今後もよろしく、おつきあいくださいませ。
うまくいくか、どうかは今後の課題だが、そもそも【白薔薇の聖女と黒薔薇の魔女】でアンドレアとルミリアが対立するようになった理由ははっきりと描かれていない。
プレイヤーは『白薔薇の聖女』か『黒薔薇の魔女』のどちらかを選んだ時点で、選ばなかった方が敵になることが確定するのだ。敵になる理由としては、それだけである。
作中の舞台は王立学園であり、それ以外は過去も含めて必要なこと以外の描写は無い。
アンドレアを選べば怖るべき暗黒の未来を『啓示』として受けたルミリアが妨害することで話が進み、ルミリアを選べば婚約者がいながら庶民の娘に恋したルカ王子とアンドレアからの攻撃を回避することで話が進む。
しかし、視点を変えればルカ王子が優柔不断でウロウロしているのが悪い。
もしかしたら王子の方も二人の美女に言い寄られて悪い気はしないから、こんな事になったのかもしれない。
「アントニオに言って、きちんと自覚を持ってもらうように教育してもらうか。」
ルカ王子の教育については、王家の家庭内の問題でもあるので私には手が出せない。
とは言え、彼は友人であるし、婚約しないか、と言ってきているのであれば、きちんと教育しろ、ぐらい言っても許される範疇のはずだ。
「婚約したいと言うなら、婚約者にふさわしい人物になってもらわないとな。他の女にうつつを抜かして災いを呼び込むような奴など、アンドレアにはふさわしく無い。」
私のこの考えは至極まっとうなもののはずだ。
もちろん現代地球の倫理感を持つ者として、許嫁のような本人の意向を無視したやり方が良いとは少しも思っていない。
アンドレア本人の意向を尊重したい。
ルカ王子とアンドレアが出会って惹かれ合うならそれで良し、そうで無いならそこまでにしたい。
ルカ王子とアンドレアがくっつかなければ、少なくとも魔女エンドは避けられるのである。
ルカ王子を亡き者にしてしまえば解決では?と思う人もいるだろうが、さすがにそれは避けたい。
子供を手にかけるなど最悪の行為だし、しかも親友の、仕えている相手の子を殺すなど制度上も大逆である。
いろんな意味でそれは取り得無い方法だ。
対案としてアンドレアとルミリアが対立せずに、お友達になってくれると解決だ。
目的は私と妻の死の回避、親友や一家の滅亡の回避であって、そのためにアンドレアとルミリアが敵対することを回避すれば良いのであって、その手段はなんでも良いのである。
ルミリアを暗殺すると言う手段も考えられなくも無いが、やはり私自身が取りたく無い方法であるのと、魔女エンドが回避できるかどうか不明だからだ。
どちらかを片付ければ解決、と言う単純なものでは無い。
それに万が一、魔女エンドが避けられない場合に備えて、戦力としてルミリアを確保しておきたいと言う気持ちもある。
魔術属性『闇』と『光』は互いに相殺する要素が多い属性であるのは事実だが、それでもその個人の一つの個性に過ぎない。
それ自体が邪悪であるわけでも、善良であるわけでも無いのだ。
両者が協力できれば、新しい道も開ける場合もあるだろう。
(そもそも、考えてみれば…。魔女エンドなり、聖女エンドを克服したらどうなる?)
先の事を考えすぎるのは良く無いかもしれないが、この件はおろそかにできない気がする。
魔女エンドでは『魔王』の出現が無くなるわけだが、魔王という概念がもともと無いこの世界で、どこからその概念が出てきたのだ?
その概念を作った奴はどこにいる?
確実なのは、現代地球の知識を持っている私だ。
少なくとも私は『魔王』という概念を知っている。
ひょっとしたら、自分が『魔王』という概念の元祖になってしまうかも知れないので、私はこの件を決して口外したり、どこかに書き留めないように注意しようと思った。
魔術が実在する世界では、これが最悪の事態を引き起こさないとは限らない。
「アンドレアやルミリアでなく、自分自身が危険な存在である可能性に気づくとは思わなかった。」
だが、ここで気づけたのは僥倖と言うべきだろう。
考えてみれば神々には『神王』と呼ばれる中心的な存在がいるが、悪魔側にはいない。
この非対称性は何を意味するのか?
霊素術の霊素界についての基礎理論では、属性に偏りは無く、すべて等価であるとしている。
神々の側に中心的なものがあるならば、悪魔側にも無いとおかしいのである。
しかし、いかなる神話・伝承・霊素界への魔術的探索でも、そのような存在は報告されていない。
そこまで強大な存在であれば、気が付かれないとは考えにくい。
「なんか、世界のカラクリがありそうな気が…。」
私は腕を組んでしばし頭を悩ませたが、答えは出ない。
「まあ、この件は後にするか。アンドレアが健やかに育ってくれるのが今は一番だ。」
アンドレアの健やかな成長と、目の前に迫りつつある危機への対応にしばらくは集中するとしよう。
・子供への教育法の研究・開発によるアンドレアの心身ともに健やかな成長
(闇落ちへの耐性を養成)
・ルカ王子のまともな人物への成長を促進
(婚約が避けられない場合の闇落ち回避の環境づくり)
・可能であればルカ王子との婚約回避
(魔女エンドの到来を阻止)
・ルミリアとの友情を育み、互いに害する事など考えられない関係になってもらう
(双方の敵対的関係の阻止)
・アーディアス家とその周辺の法令遵守と明朗会計の徹底
(聖女エンド回避の環境づくり)
・ヤー=ハーン王国との戦争に備えた戦力確保
(一部実行済み)
・戦争で優位に立ち、かつその後の復興と流通の活性化による商業の拡大を目指すための技術開発
(計画中)
・そのための各種の調査と研究の拡充、および人材の確保
(一部実行済み)
これが、今の私にできることかな?
万が一に備えて、アレクの養育についても本腰を入れねばならない。
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