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資料編:現時点までに登場したヴィナロス王国の国家機関・会議/勅令・法律・内規/設備/貨幣の一覧2版

【国家機関・会議】


・御前会議

 国王が主催、各大臣を招集しておこなう、ヴィナロス王国の意思決定機関。

 議題は、重要性が高いと宰相が判断した順に奏上される。御前会議では個人の名や家名ではなく役職名で呼ばれる習わしになっている。

 4名の書記が付き、国王や大臣の発言、官僚による大臣への助言を細大漏らさず記録される。


・秘密会議

 非公開が前提の会議。ただし、何でもかんでも機密にできるわけではなく、機密指定の期限は20年。会議の内容はすべて書記が記録し、議事録にまとめられて、公文書館に保管される。

 宮殿内の王族の生活区域に近い場所にある『薔薇の間』で開かれるのが慣習である。


・宰相府

 ヴィナロス王国の行政機関のトップ。国王の直轄機関で、文官・武官はすべてここの下にある。

 主として御前会議で奏上する重要案件の整理・政治的な解決が必要な問題の調節にあたる。各種政策における方向性や個別の政策の軽重の決定もおこなう。

 所属:

 アルディア・サイヴス・ハルア・コンカーヴ公爵(宰相)


・司法省

 ヴィナロス王国の司法機関。裁判やその記録、各地の判例や法令の研究などをおこなう。国王への法律上の助言もおこなう。

 ヴィナロス王国では司法権が独立していないが、国王や爵位のある者が司法判断に介入するのは禁じられている。警察権は管轄しておらず、各地域を治める領主や治安維持に当たる騎士団に担われている。

 所属:

 フィアナ・バイヨンズ侯爵(司法長官)


・内務省

 ヴィナロス王国の国内行政を執行する機関。およそ、ヴィナロス王国内の行政活動の多くを統括し。執行する。職務の内容は多岐にわたるため、最も忙しい。

 所属:

 ヨハン・ムーリン公爵(内務大臣)


・外務省

 ヴィナロス王国の外交機関。

 国家レベルでの他国との交渉・情報収集・状況分析と研究・外交政策提言などおこなう。時には工作活動もおこなうが、もちろんこれは公にはできない性質のものである。

 所属:

 ジョルジュ・ゴルデス侯爵(外務大臣) クロード・カッシス(ヤー=ハーン王国大使) デボラ・ラブリット(大臣付き二等書記官)


・財務省

 ヴィナロス王国の財務機関。

 徴税機関も兼ねているが、ヴィナロス王国では徴税請負人のような制度を取らず、その地域の人口・ギルドの所属人数を基にして地元の領主やギルド長に一括して払わせている。

 所属:

 ルイス・ヴェッドン侯爵(財務大臣)


・産業省

 ヴィナロス王国の各種産業の振興に関わる行政機関。その性質上、商人・職人のギルドとつながりが深い。

 所属:

 ローラン・ガロベット侯爵(産業大臣)


・農務省

 ヴィナロス王国の農業・漁業・林業・畜産業などの行政を執行する機関。またそれらに必要な用水路などの建設もおこなうため、大型の土木系事業も統括する。

 所属:

 エリス・フレーヤス侯爵(農務大臣)


・魔術省

 ヴィナロス王国における魔術に関わる行政の執行機関。

 魔術と学術に関する事柄をほぼすべて担う。その業務は宮殿内の魔術的なシステムの保守や魔術技官の統括から魔術がらみの技術の安全性試験・魔法事故の調査・魔物(モンスター)の調査研究まで及ぶ。

 所属:

 ダルトン・アーディアス(宮廷魔術師長) アンドレ・モリソン(宮廷魔術師長付き公設秘書官) ベルペック(調査官)


・王立魔術院

 王国の魔術・学問の研究機関。宮廷魔術師長の管轄。

 ヴィナロス王国のシンクタンクとしての側面があり、それ自体が学究活動をするだけでなく、必要であれば宮廷魔術師長の命令で他の省庁や軍に人材を派遣する。

 所属:

 悪魔学専門の学者(研究員)


・幼児教育研究機関

 ダルトンが設立した特務機関。幼児の教育方法を研究する。

 王立魔術院に所属していた数学者・技術職員だったエレナ・ファインスが局長を務める。

 国家に有益な人材を育成する、が表向きの設立理由だが、実のところはダルトンが娘のアンドレアを闇堕ちさせないための教育法を探るために作った。

 所属:

 エレナ・ファインス(局長)


・近衛三軍/近衛五軍

 いずれも国王直属の騎士団。各団長は将軍位を拝命する。

 王都とその周辺の砦で首都防衛を担う拠点防衛戦に強い『白金竜騎士団』、物理的な攻撃力中心で重装歩兵・騎兵・弓兵・砲兵などで構成される『金竜騎士団』、魔法剣士・魔術師などの魔法攻撃を中心の『銀竜騎士団』を主要戦力とする。

 『赤竜騎士団』と『青竜騎士団』は国境防衛・国内の慰撫(いぶ)にあたる。どちらもバランス型の構成だが、赤竜騎士団はやや拠点防衛重視の傾向に、青竜騎士団はやや機動性を重視している。

 白金竜騎士団・金竜騎士団・銀竜騎士団の三つの騎士団は特に『近衛三軍』と称される。そこに赤竜騎士団と青竜騎士団を加えた五つの騎士団すべてをまとめて『近衛五軍』と呼ぶ。

 各騎士団は部隊レベルで自在に組み合わせて運用するのが前提であるため交流は盛んで、連携強化のために共同演習もしばしばおこなわれている。

 一見、柔軟に運用可能な体制がとられているように見えるが、工兵や補助的な役割の部隊や人材が少なく、他の官庁や現地で雇用した人物で間に合わせている。そのため現場レベルでは改善を求める動きもある。


・元帥府

 近衛五軍を統括する最高機関。元帥権はヴィナロス王国国王にある。通常は上級将軍が組織の長としてすべての業務を監督・指揮する。

 上級将軍と軍務尚書の執務室がここに置かれている。

 所属:

 ロイド・カステル公爵(上級将軍) シェーン・フィグレー侯爵(軍務尚書) サミール・タリク・クァラハ(軍務尚書の部下)


・白金竜騎士団

 所属:

 アーノルド・バーナード公爵(白金竜騎士団団長/将軍) 


・金竜騎士団

 所属:

 ケニス・サイヴス・アンナ・ゴーデス侯爵(金竜騎士団団長/将軍) エズアール・メフター・ドラリア(金竜騎士団/上級騎士) コンスタン・ペイニエール(金竜騎士団/騎士/神官戦士)


・銀竜騎士団

 所属:

 フレデリック・ニームス侯爵(銀竜騎士団団長/将軍) アンリ・ヴェレリー(銀竜騎士団/騎士/魔法剣士)


・赤竜騎士団

 所属:

 ウィル・ルーデス侯爵(赤竜騎士団団長/将軍)


・青竜騎士団

 所属:

 ヨハン・カーンブリッズ侯爵(青竜騎士団団長/将軍)




【設備】

・公文書館

 ヴィナロス王国で作成された国の公文書・議事録をすべて収蔵する。法律や勅令の原本・公式の文書のほか、覚書・メモ・参考資料類などの公文書作成に利用したものは一切の例外なく全て保管される。

 公文書館は国王の直接の麾下(きか)に置かれ、公文書館の館長は公式の席で王族と同じ黒地に金刺繍の(サッシュ)を身につけることが許されている。そうして身分の保障と不当な干渉を制している。


・外交文書館

 ヴィナロス王国がおこなった外交活動に関する公文書・議事録・資料・メモなどを全て保管した公文書館。

 公文書館の分館であるが、外交という国家行政の重大性と、外務省の利用に便宜を図る目的によって分けられ、例外として外務大臣の管理下にある。実質的に外務省の一部署として扱われている。


・宮殿

 王都にあるヴィナロス王国の中枢。

 王都ヴィナロスを見下ろす台地の先端と階段状になっている斜面に築かれている。主要な建物はおよそ左右対称。宮殿の西翼には上級の行政機関が集められ、奥の方には王族の生活区域がある。

 所属:

 ガイウス2世(国王) 王妃 アントニオ(王太子) カミーユ(王太子妃) ルカ(アントニオの息子)

 アーネスト・ファブラ伯爵(典礼長官) ヤン・グラウル子爵(王族の衣装係)


・離宮

 宮殿から少し離れて建つ建物。

 “暗愚王”アーベル2世の手で廃人にされた彼の二人の子供は、この離宮で短い余生を寂しく終えた。


・宮殿の食堂

 宮殿の西翼と東翼にひとつづつある。ふつう大臣クラスの人は来ない一般職員向けの施設。メニューは城下の町のものと大差ない。

 宮殿の品位を落とさないレベルの装飾と設えがなされているが、王族や貴族・国賓などを迎えることを前提とする部屋と比べれば簡素。

 その場で渡せる簡単なものは現金で、それ以外は食券を買うシステムになっている。


・不死鳥の間

 御前会議が開かれる広間。

 金彩に彩られる豪華な(ドラゴン)の彫刻が施された磨かれて艶やかに光る黒檀の玉座があり、玉座を挟んで右側が文官、左側が武官の席がある中央がくり抜かれた大きな楕円形のテーブルがある。


・月桂樹の間

 御前会議の出席者が集合する部屋。不死鳥の間の向かいにある。

 典礼長官が国王の名代として御前会議の出席者を呼び出す際、黄金の握りと装飾が施された艶のある黒い杖の石突を3回、高らかに床に打ち付けるが、長年にわたって同じ場所が打ち付けられるのでその部分だけ床材が張り替えられていて真新しい。


銀梅花(マートル)の間

 御前会議の出席者(大臣・官僚のほか、大臣の従者たち)に国王から昼食を用意される部屋。


・薔薇の間

 秘密会議が開催される部屋。宮殿内の王族の生活区域に近い場所にある。




【勅令・法律・内規】

 ヴィナロス王国では三権分立はできていない。

 国法は王による勅令の形で示されることが多い。

 法律はそうした勅令を集め、整理したものの他、各団体・各地域の慣例や裁判所の判例などを集めて、国王が国家の法として承認したものがある。

 内規は大臣がそれぞれの職権で定めたもので、勅令と法律に抵触するものは無効とされる。

 “復興王”フィリップ1世の時代に整理と体系化がされたが、それから長い時間が経ち、再び煩雑なものとなっている。そのため現司法長官のフィアナ・バイヨンズ卿は司法改革を志して、勅令や法律の統廃合を少しずつ進めている。


・勅令1588ー511

 『1588年の5月に発布された11番目の勅令』の意味。

 勅令1588ー511は国家で必要とされる情報を知っている人物から強制的に訊き出しても良い、場合によっては拷問も許すと言うもので、犯罪の尋問の根拠とされる法律。


・勅令1623ー321

 国家機密とその取り扱いについて定めた勅令。

 国家第一級機密は国防・外交・重要な内政上の情報などの、決して外国に知られてはならない情報が指定される。機密に保たれる期間は20年。更新して延長することもできる。

 指定できる対象とこれが宣言できる場所は明確に定められており、“軍事・外交および重要な内政上の情報のほか、国王が国家の安定に関わる重要事項と判断したもの”を“国王が招集した公式の会議において決議した場合”に限られる。

 速記録、議事録原本の該当ページに封印処理・閲覧に必要な許認可・機密期間中の複写の作成の可否なども決定できる。


・勅令1655ー1220

 官僚が立場上知り得た情報の取り扱いを定めた勅令。

 機密指定された情報に関連するものは外部に漏らしてはならない、という条文がある。


・公務での公道使用の優先的な通行権(慣習法)

 公用を任された者が公道を通る場合には優先権がある。何かの事情で道が使用されていても、公用を理由に押し通っても許される。

 とは言え、地元の祭儀・冠婚葬祭の行列などは、相手が庶民であっても無理に押し通らないのが基本的なルールとなっている。

 押し通られた側があまりに理不尽だと考えた場合は、地元領主を通じて、あるいは直訴によって、国王に抗議される可能性がある。




【貨幣制度】

・大金貨

 王国の印章と国王の肖像が刻まれた大振りの金貨。およそ10万円の価値。


・金貨

 王国の印章と国王の肖像が刻まれた金貨。およそ1万円の価値。


・銀貨

 王国の印章と国王の肖像が刻まれた銀貨。およそ1000円の価値。


・半銀貨

 銀貨の半分ほどの大きさの小さな銀貨。銀貨の半額の価値がある。およそ500円程度の価値。


1/4(クォーター)銀貨

 半銀貨のさらに半分の銀貨。銀貨の1/4の価値。およそ250円程度の価値。


・小銀貨

 王国の印章と数字の1を刻み込まれた銀の粒。銀貨の1/10の価値。形から『豆銀』とも言われる。およそ100円程度の価値。


・正銅貨・半銅貨・小銅貨

 正銅貨は小銀貨の1/10の価値。日本円に換算して10円程度、半銅貨は5円、小銅貨は1円程度。

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