資料編:現時点での登場人物一覧2版 アーディアス公爵家
現時点での登場人物の一覧です。分量が多くなったので、4つのパートに分けました。同時に投稿しております。
この一覧はベータ版です。
【登場人物一覧】
※主人公の暮らす国(ヴィナロス王国)の風習で、性別に関係なく結婚後も実家の姓を名乗る。身分を表す際に、例えば“アーディアス公爵夫人”と付けられることで続柄を表す。
【アーディアス公爵家】
王国の創建から仕えている名家。
歴代の当主は宰相・宮廷魔術師長・王立魔術院長官・魔術師と魔法騎士からなる銀竜騎士団団長などを拝命し、国家の中枢で働いた。
初代は魔術師であり、その関係もあって知恵と魔術で王国に奉仕することを一族の誉れとしている。
そのため学者・魔術師・錬金術師・技術者を多数輩出し、結果として貴族の中でも“風変わりな”一族だと見なされている。修業や研究のために異国に旅する者も多く、歴史的には旅の途中に異郷で果てた者も少なくない。
・ダルトン・アーディアス
主人公。28歳。茶色い髪に水色の瞳、中肉中背で平均よりはちょっとマシな程度の容貌。
アーディアス公爵の現当主、宮廷魔術師長を拝命している。
妻のマリアとは10歳の時に婚約し、25歳の時に結婚した。マリアのことを深く愛している愛妻家。夫婦仲は良く、毎日、朝夕2回、妻の寝室に顔を出すのを欠かさない。
生まれた娘を抱き上げた時に『前世の知識と経験』を得てしまう。その結果、不完全ながら異世界(現代地球)の知識と、そこで暮らしていた前世の経験の記憶を利用できるようになった。
そうして得た知識で、今自分が生きているのが恋愛ゲーム【白薔薇の聖女と黒薔薇の魔女】の世界だと気がついてしまった。このゲームの『聖女エンド』『魔女エンド』のどちらでも自分が悲惨な死を迎えるために、どちらの可能性も排除するために動き出す。
それ以前は宰相いわく“当たり障りのない提案しかしない男”だったため、前世の人格が多少は影響してきている模様。
・マリア・アンブローズ
ダルトンの妻。28歳。アーディアス公爵夫人。ダルトンとは10歳の時に婚約し、25歳の時に結婚した。
西の長大な国境を護る国防の要であり、由緒ある名家アンブローズ辺境候の第二夫人(第一夫人は結婚後間も無く逝去していた)の長女に当たる。
頭の回転が早く実務能力も高く、公爵領内の財務と行政判断の一部をダルトンに代わって執る。社交界でもひときわ注目される存在であり、貴婦人たちを介した情報網も構築しているため事情通である。
婚約とはいえ、ダルトンを夫として、人として愛しているので夫婦仲は良い。惚気なのかツッコミが厳しい。
・アレク・アーディアス
ダルトンとマリアの子。3歳、男性。長男にあたる。
貴族としてのごく初期の教育を乳母のナターシャから受けている。
恋愛ゲーム【白薔薇の聖女と黒薔薇の魔女】では彼の行く末は明確に語られておらず、ダルトンは『シナリオの強制力』による最悪の結末が回避できなくても、アレクは逃げ切ることが可能なのではないか?と期待している。
・アンドレア・アーディアス
ダルトンとマリアの子。祝福式を終えた時点で生後1ヶ月。黒髪の女性。長女にあたる。
希少な魔術属性である『闇』の持ち主であるうえ、火と土の属性も持つ希少な三重属性持ち。
【白薔薇の聖女と黒薔薇の魔女】で初期に選択可能な二人の主人公の内の『黒薔薇の魔女』に相当する人物。
もしゲームのシナリオ通りの人生を歩めば『悪行の限りを尽くしていた実家のアーディアス公爵家もろとも、王子と聖女に断罪されて公開処刑される』か『王子と組んで国王夫妻と両親・聖女をはじめとする多くの人々を魔王召喚の生贄として捧げ、暗黒帝国を築き上げる』の未来が待っている。
ダルトンはこの『どちらに転んでも破滅』という運命を打開するために、アンドレアの育児と教育に注力しようとして奔走する。
・パウロ・アーディアス
ダルトンの実父。
前アーディアス公爵家当主、元宮廷魔術師長・元王立魔術院長官。すっかり禿げている初老の男。
割と学究肌の人で、今は屋敷内の自分の書斎で文献と親しむ日々を過ごす。しかし、現在もヴィナロス王国の要人に顔が利き、ムーリン公爵・カステル公爵・モンジェリン公爵は彼に頭が上がらない。
孫のアレクとアンドレアにメロメロ。
・ソフィア・ディウリーズ
ダルトンの実母。
前アーディアス公爵夫人。ディウリーズ侯爵の娘。真っ白になった髪を綺麗に結い上げている。
詩才に恵まれており、その作品集は現在でも出版・販売されている。かつては『王国三大美女』の一人と呼ばれ、パウロとは大恋愛の末に結ばれた。
ダルトンの妻のマリアを子供の頃から知っており仲が良い。またアーノルドの母親とも友人関係にある。
孫のアレクとアンドレアにメロメロ。
・ダルトンの祖父
ダルトンが子供の頃に亡くなった、かつてのアーディアス家当主。
パウロ・アーディアスの語るところによれば、彼は食道楽であり“年に数回は客を招いて公式の食事会を催していた”。
アンドレアの祝福式後の宴で使用した、公式な食事会用の食器類を揃え、壊れないように自ら“保護”の魔術を永久付与化した。
・3代前の当主
ダルトンのひいお爺さんにあたる人物。
アーディアス公爵領の領都にある銅葺き屋根の白亜の神殿を建てた。
・イザーク・アーディアス
アーディアス公爵家初代。“建国王”勇者ウードの仲間の一人で、“知恵者の”イザークと呼ばれた魔術師。
彼の持っていた“少しゆがんで、表面がくすんでいる金色の小さなメダルと切れた金の鎖の一部”が代々のアーディアス家当主に家宝として受け継がれている。
このメダルは生前の彼を知る者達には意味のあるものらしく、これを見た金角の黒竜王グレンジャルスヴァールはダルトンを彼の子孫である証拠のひとつとみなした。
【アーディアス家で働く者たち】
客人や領民からの陳情、事務処理なども多いため、多くの使用人が働いている。
・マイケル
中年の男性。勤続20年余りになる執事。ある男爵家の三男で宮廷で侍従として働いていたのを、パウロが引き抜いた。
礼儀作法・各種儀礼に精通した常識人。宮廷内で顔も広く、実務能力も高い。公爵家内の状況を一通り把握しており、ダルトンは屋敷に帰ると彼からその日の報告を受ける。水と火の魔術属性を持ち、ある程度の魔術の心得がある。
ダルトンが新しい試みについて相談することもある。
・メリル
アーディアス公爵家で働く財務担当の事務員。
アンドレアの『祝福式』の予算見積もりを作成して保管していた。
・ロレーヌ
マリアの少女時代からそばに使える専属の侍女。彼女の考えをもっともよく理解する人物であり、マリアの手足となって身の回りの雑用や簡単な事務を代行する。
ロレーヌの最優先事項はマリアの意思の遂行であり、遠回しにダルトンを牽制することもある。
ダルトンにオムツの替え方を指南し、その際にダルトンの姿勢が興味本位では無いことを認めた。
・ナターシャ
アレクの日常の世話を任せている初老の女性。
貴族家での乳母や子供の世話役の経験が長く育児の経験豊富。加えて人柄も良く、教養も深い。そのためダルトンから全幅の信頼を置かれている。
ダルトンから幼児教育の方針や方法論について、彼女自身の経験や知見をもとにして意見を求められた。その際に幼児教育研究に携わるように提案されて、了承した。
・モラン
中年男性。アーディアス公爵家で料理長を務める。
ダルトンから『いささか庶民的に過ぎる』料理を作るように命じられて困惑するも、指示通りに作り上げた。
アンドレアの祝福式後の宴では、食通たちが賞賛するような料理の数々を披露した。
後にこの世界におけるサンドイッチのレシピの開発者・マヨネーズの発明者として、彼の名は歴史に残ることとなった。
現在、シリアルの開発や瓶詰め技術の確立をダルトンから命じられている。
・ラバール
アーディアス公爵家で女使用人長を務める。
・アルバン
アーディアス公爵家で従者長を務める。従軍していた経験がある。
・ヴィクトル
アーディアス家で働く従僕のひとり。10代後半。
御前会議のある日に従者としてダルトンに従い、荷物持ちなどをした。その後も竜の狩場へも同行する。
【アーディアス家・アーディアス領の警備隊】
アーディアス家は文官・技官の家系とはいえ所領を持つ貴族なので、統治のため。また一般的な警察組織として警備隊を有する。
指揮系統はアーディアス家当主をトップとして、ラウルが武官と兵士全体を統括、アーレンがその副官、ディオンとバーネットが下士官(現場の指揮官)を務める。もっとも人数が少ないので、ラウルとアーレンも下士官の役割を兼任している。
指揮官レベルの以下の四人はヒト族の男性。
指揮能力があり、個人としても一定レベルの戦闘力がある。ずば抜けた武勇があるわけではないが、少なくともそこいらの傭兵ならあっさり返り討ちにできるぐらいには強い。
彼らには18人の兵が与えられているので、72人の兵士も雇用されている。
・アーレン
アーディアス家、およびアーディアス領の警邏を務める武官。
北方の国出身のがっちりした体格をしている元傭兵で38歳。他国で下士官になった経験もある。
・ディオン・ロイエ
アーディアス家、およびアーディアス領の警邏を務める武官。
ヴィナロス王国北部の町の出身者で背が高い。銀竜騎士団の元上級兵で35歳、魔術戦の心得もある。
ダルトンのが特使として竜の狩場に赴く際、身辺警護のために部下と共に同行した。
・バーネット
アーディアス家、およびアーディアス領の警邏を務める武官。
29歳。冒険家から町の警邏隊に入り、そこからアーディアス家の武官に推挙されてきた。
・ラウル・ファーロ
アーディアス家、およびアーディアス領の警邏を務める武官で、彼らのまとめ役。
ごま塩髭を綺麗に刈り込んだ、45歳のダンディーな感じの男で、元々は青竜騎士団の騎士だった。軍の運用について見識があり、自身の力量をわきまえている。




