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「クリスティーナさん!私たちの組に入りませんか?」
その時、突然フェリシアが彼らのところに割って入っていった。ハヴェルもダーヴィトもクリスティーナも、驚いた顔で彼女を見ている。
「あの、でもフェリシア様。クリスティーナは俺たちが誘おうと」
「何言ってるんだよ、ダーヴィト。クリスティーナは僕たちと回るんだ」
二人はまだばちばち睨み合っている。フェリシアは溜め息交じりに言った。
「そうは言っても、そちらはどちらもすでに三人いるじゃないですか。こちらの組は二人なのですよ。それに、そんなに揉めるくらいならどちらの組にも入らない方が平和に済むでしょう」
「それは……」
「クリスティーナさんはどうしたいんですの?」
話を振られ、クリスティーナはぱっと赤い顔を上げる。
「わ、私はフェリシア様の組に入れていただきたいです!」
クリスティーナの答えに、フェリシアはにっこり微笑んだ。
──
「エルランド様。勝手に決めてしまってごめんなさい」
授業が終わった後、フェリシアは申し訳なさそうな顔で近づいて来た。
「いや、君がいいなら構わないけど」
僕は若干戸惑いつつ答える。教室で冷たい目線を浴びせられていた子を助けてあげるなんて、フェリシアはとてもいい子だ。素晴らしい女性だ。しかし、フェリシアは僕がクリスティーナを好きになることを心配していたのではなかったのか……。
「でも、本当にいいの?僕とクリスティーナは関わらない方がよかったんじゃ?」
尋ねると、フェリシアは困ったような顔で笑った。
「私はそんなことを頼んでいませんわ。私はエルランド様の邪魔をしたくないだけなのです」
何とも納得のいかない答えが返ってきた。
しかし、いいことをしたフェリシアを問い詰めるわけにもいかず、僕は仕方なく口を噤んだ。