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炎の丘への探索

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 オーディスワイアさんからの要望で「炎の丘」までやって参りましたわ。何と言う場所なのでしょうか、当たり一面が熱気に包まれています。ーー立っているだけで汗をきますわ。

 ユナが「常態冷却魔法」(こんな魔法もありますのね⁉ 火の属性に関係する転移先が多い都市、フレイマで魔法使いをしていた彼女にとっては普通の事らしいですが)を使い、身体の周辺を冷気で包んでくれたお陰で、楽に探索できそうですわ。


 転移門を囲む六つの柱のある場所から、赤々と燃える地面の間に降り立つ。地面が裂けた場所から炎が噴き上がる。遠くに見える、いくつかの燃え盛る丘や岩山の間にある谷間が、恐ろしい魔物の口か何かに見えてきます……


 わたくし達は地面の裂け目や火に包まれる丘を避けながら、岩山のそびえる谷へ向かいました。私とリーファおメイにユナ、この四人で炎の悪霊(アングリム)火炎鳥フェルナスなどと戦って岩山へ近づきました。


 岩山の高さは三階建ての建物くらいの高さで、切り立った崖となった面が多く、まるで天然の岩の壁が、地面から生え出てきたようですわね。驚異的な外観で圧倒してきます。

「あ、ありましたよ。あの洞穴ではないでしょうか」

 ユナが崖の陰にあった暗い穴を指し示す。


 その穴の前に来ると暗い穴の奥が所々明るくなっているのが見えます。ーー話しに聞いていた通りですね、あの明かりがある場所に、燃結晶や火の精霊石があるのでしょう。

 私達は洞穴の中に入って行き、鶴嘴つるはし(これもオーディスワイアさんが錬金鍛冶の技術で造った物で、小型だけれど簡単に岩を砕ける力が掛かっているらしいですわ)を手に採掘さいくつ場所へ近づく。


 この鶴嘴を使って明るくなった場所を叩くと、()()()()()宝石の様な赤い石が落ちてきました、それは精霊石でしょう。地中の熱に反応して赤い光を発していましたが、地面に落ちると半透明な赤い石の様になってしまいました。


 洞穴の奥では黒い大きな塊が壁からはみ出しています、これが燃結晶でしょう。大きな塊を鶴嘴で砕きながら集めていると、洞穴の奥から火炎蜥蜴バームレゼクが二匹近づいて来て、いきなり炎を吐き掛けて来たのですが、そこはユナ。さすがですわ、対火炎障壁(しょうへき)で完全に炎を遮断しゃだんして、すかさずメイが蜥蜴とかげあごを蹴り上げ浮かせると、剥き出しになった腹部を殴って、一撃で止めを刺したのです。


 二匹目はリーファが仕留めました。この二人は同じ武術を学んだと言うだけあって息がぴったり合いますのね、などと感心しながら採掘を終えて。さらに洞穴の中を探索しながら、鉱石袋を目一杯になるまで精霊石や燃結晶、その他鉱石などを採掘して回りましたわ。


 暑いのも、ある程度ユナの常態冷却魔法のお陰で楽をさせてもらえました。

 私も魔法をもっと習得しなくてはなりませんわね。適性はそれほど高くはないのですけれど……


 幸い、オーディスワイアさんが心配していた「火の悪鬼ヴァルノクス」というのには出会でくわさずに転移門まで戻り、ミスランに帰って来る事が出来ましたわ。ーー私、この仲間達には本当に感謝していましてよ。

 そしてもちろんオーディスワイアさんにも……あの人のお陰で、こんな素晴らしい仲間と出会えて、危険な冒険も恐れずに活動できるのですから(あの方の嫌らしい発言には、そのうち大きなおきゅうえなくては、と思ってますけど)。


 炎の丘から無事に帰って来た私達を見て、オーディス……旅団長は、ほっとした顔をされますの、毎回毎回そうですわ。きっと自分では冒険に出れない分、余計に心配してしまうのね。何となくですが気持ちは分かりますわ……


「おお、こんなに火の精霊石と燃結晶を……! よくやった、これで金属加工も当分の間は大丈夫だな。ご苦労さん、水でも浴びて体を冷やして来い」

 あらあら、現金な人ですね。心配していたかと思ったらもう仕事の事ですか、こっちが心配して損しますわ。

 あなたは鍛冶仕事の悪鬼ですわよ。

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