【設定】─「転移門」、「生物」や「敵」について─
設定なので読み物としてはつまらない内容。……あくまで世界観の補足という意味合い程度のものです。
興味のある人に目を通していただければ。
本編にまだ出ていない大地が書かれていたりします。そのうち出るかもしれません。
「樹海と草原」、「岩山の廃坑」を追加。
上級難易度に「動かざる王の居城」、「枯れ果てた森と山岳地帯」、「月下の大要塞」、「三つの壁に囲まれし城」を追加。
【転移門】
別の大地へと移動する為に使う門。潜れば別の大地へと繋がるようになっている。
フォロスハートが崩壊する前の大地と繋がっているという訳では無く、混沌の中にある、異なる世界の大地とも繋がっている。
混沌の中で消滅しない大地には、神などの存在が居ると考えられているが、混沌から生み出された様な大地も存在している。場所により、混沌の影響が強かったり弱かったりもする。
【ミスランにある転移門】
「鉱山と荒野の大地」(難易度=下級)
鉱石の採れる山がいくつもある大地で、鉱石採掘の為に造られた拠点がある。鉱石などの資源が採れる他に、細々とした草地と、地面の剥き出した荒れた土地がある。
管理局がフォロスハートと接合する大地の、候補地の一つとして考えられている。
<出現する敵>
熊。
狼。
「塩の山と泥の沼地」(難易度=下級)
塩(岩塩)が取れる山があり、山から染み出した水はもの凄くしょっぱい。大地の半分は塩の山と、そこから流れる小川などがある。
もう半分は泥状の水溜まりなどがある、ぬかるんだ大地。
<出現する敵>
沼大蛇。
沼の中に棲息する大蛇。大きい物で七メートルを超える事も。沼地に棲む大蛙を主食としている。
悪鬼猿。
体長一メートルくらいの猿。顔や頭が固い甲羅状の物で覆われている。短い角を生やし、集団で襲い掛かってくる。火が苦手。
甲殻蜘蛛。
固い甲殻を持つ大きな蜘蛛。体長は二メートル以上(脚を広げるともっと大きいだろう)。岩場や森に棲息し、悪鬼猿と縄張り争いをする事も。
「深緑の大地」(難易度=下級)
牛や羊などの哺乳類の生息数も多い、自然豊かな大地。森と草原が土地の大半を占める。
<出現する敵>
豹。
虎。
森巨人。
この森巨人は体長三メートルくらいの土や泥の体を持つ、妖精に近い存在。知性は低く、好戦的という訳でも無いが、希に人間を敵として襲ってくる場合もある。
大地にある精霊の力から生まれた存在だと考えられる。
妖樹。
こちらは混沌の影響を受けた精霊の力から生まれた、樹木を依り代とする危険な存在。根を使って歩く事も出来、枝や根で攻撃してくる。
「嵐の広野と鉱山脈」(難易度=下級)
晴れた日がほとんど無い場所で、曇り空に覆われている事が多い。天候が急変し嵐になる事がある。
山脈からは鉱石が採掘できるが、危険な生き物や灰色亜人などの敵も多い。
<出現する敵>
甲殻蟻。
甲殻に覆われた体を持つ大きな蟻。体長は一メートル以上。群れで行動する事が多く、この大地では最も一般的な敵対生物。
怪鳥アンクーム。
体長三メートルほどの大きな鳥。鋭く尖った嘴と爪を持つ。甲殻蟻を捕食している姿がたびたび目撃されている。ふさふさの羽毛に覆われていて愛らしい姿だが、割と好戦的。
灰色亜人。
鉱山の洞穴などに棲む危険な亜人種。石器や棍棒を武器にしている者が多い。不気味な姿で、青い大きな目をしている。
「湖と大河」(難易度=下級)
大きな川と湖があり、草原や樹林もある自然豊かな大地。牛などの生物も多いが、危険な生き物も多い場所。
魚介類も多く、鳥類の種類も多く棲んでいる。
<出現する敵>
鉄歯鮫。
四本の脚が生えていて姿は鰐に近い、脚や体を鱗で覆っているのが雄で、雌は海獣に似て固くて強靭な皮膚を持っている。
背鰭や尾鰭には金属質の刃状になった物が付いていて、尻尾で攻撃してくる事も。名前の通り、鋭い無数にある鉄の歯が特徴。
「湿原と沼地」(難易度=下級)
蜥蜴亜人の生息数が多い場所。湿原にも沼の多い場所にも、どちらにも出現する。
湿原特有の植物が多く生え、毒のある物や薬になる物なども多い。
<出現する敵>
蜥蜴亜人。
ここの蜥蜴亜人は武器や防具を身に着ける事は無く、さほど危険は無い。原始的な生活をしている野蛮人の様な存在。
「森林と草原」(難易度=下級)
広大な草原の中には所々に切り立った崖のある岩山や丘があり、植物や鳥類、動物など生き物が多い。
建造物の遺跡や謎の巨石群があったり、以前は人も住んでいた事を窺わせる物も存在するが、現在は人間も亜人も住んでいない。
<出現する敵>
大蛞蝓。
大きな物になると二メートルを超える。やっぱり塩が苦手。
白豹。
灰色熊。
「西海の大地」(難易度=下級)
フォロスハートの大地と接合された初めての大地。最初は「海の中の島」と呼ばれた転移門で繋がっていた。西の海を治めていたという海の神エウシュアットアと、地の化身エウシュマージアの双神が治める大地で、海の幸が豊富に穫れる大地である。
この大地が接合した事による食糧問題の改善と、塩、砂糖の代替品(海藻から糖蜜を錬成する)を手に入れる事に成功した。
<出現する敵>
無し。
「暗黒の鉱山」(難易度=中級)
大地を照らす光が無く、大地からは魔力が溢れ出ている場所。魔法が無限に近い状態で使えるので、魔法使いにはありがたい場所。
混沌の影響力が強く、危険な魔物の出現も多い場所である。
<出現する敵>
蝙蝠魔人。
暗闇の中を飛び回る奇怪な姿の魔人。魔法で攻撃してくるが、足に付いた鉤爪で攻撃してくる方が多い。
「暗黒の大地」(難易度=中級)
暗黒の鉱山と同じく、大地を照らす物が存在しない周囲には魔力が満ち溢れているのも共通している。
この暗い大地に生える「白樹老」から生る果物「白樹玉」は、魔力量を増加させる薬品の素材になる。
赤血樹木という赤い樹液を流す、魔力を有する木が生えている場所。
<出現する敵>
廃獣グフトアモス。
大きな体に固い皮膚、巨大な角を持ち、体中に生やした魔力鉱石を撃ち出して攻撃し、それを爆発させる能力を持つ。
❇「廃獣種」は魔法を使わないが、特殊な能力を持つ固体が多い。
魔樹。
混沌力で動き出した樹木、比較的大きな物が多い。魔力を持っている為、魔法を使っての攻撃も行う。
「炎の丘」(難易度=中級)
炎に包まれた大地。ミスランにある火属性の影響が最も濃い場所。燃結晶や火の精霊石などが採取できる。
<出現する敵>
火の悪霊。
精霊の力が混沌の影響か何かで悪霊と化した存在。それほど危険な敵では無い。
火炎鳥。
大きい物になると一メートル近くにもなる炎の身体をした鳥。精霊石を体内に持っている事が多い。
火炎蜥蜴。
固い皮膚を持つ大きな蜥蜴。火を吐いて攻撃してくる。
火の悪鬼。
炎の丘出現する敵の中でおそらく最も危険な存在の一つ。岩に似た固い体から火を噴き上げ、体内にある炎を噴き出して攻撃してくる。
火で形作った剣を手にしての攻撃も行う。
「樹海と草原」(難易度=中級)
草原と樹海があり、一部は湿地となっている大地。
牛や羊や鹿。数々の小動物や昆虫の姿が見られる。猛獣や魔獣も多く棲み、危険な場所。
<出現する敵>
剣歯虎。
灰色狼。
熊。
餓鬼熊。
「飢えた熊」と呼ばれる黒い痩せた姿の熊に似た魔獣。
恐ろしく獰猛、醜い姿をしている。骨張った頭部はぎょろりとした眼球があり、これに見られると多くの冒険者が恐怖すると言われる。
素早い動きで獲物を追い詰め、鋭い爪と牙で襲って来る。
冒険者だけでなく、多くの生き物がこの魔獣に殺されている。出現率は低い
魔獣オーザフ。
もっとも数の多い魔獣と言われる。四つ足で歩く蝙蝠に例えられる姿をしている。前足に皮膜が付いていて、空を滑空するらしいが、滅多に飛行しない。
大きな前腕に対し短い後ろ足。細長い鞭の様な尻尾。
鋭い牙の生えた口からは毒霧を吐き出してくる。
大きさは最大の物でも三メートルを超えるか超えないかくらい。
巨獣ボロロッサ。
巨体を持つ猪に似た頭部をした獣。身体が硬い甲羅状の皮膚に覆われ、一部からは棘が突き出ている。
犀に似た胴体と足に、猪の頭部が付いたような獣で、その突進は脅威となる。頭は良くないので、大岩などに突進させて昏倒させるような戦い方をする冒険者も。
「岩山の廃坑」(難易度=中級)
巨大な山の中にあると考えられている廃坑の洞穴。地下に転移門があり、上層階と下層階と分けられているが、地上への出口があると考えられている区画は崩落が起き、道が塞がれている。
かなり大きな天然の洞穴と、人の手が掘り出した通路の二種類が交差する広い地下迷宮。
<出現する敵>
牙百足。
他の場所でも出現する危険な敵。
かなり大きな身体で外殻は硬い。
棘甲虫。
甲殻から棘が生えた丸い虫。人間の胴体くらいの大きさがあり、団子虫の様に丸まって転がり、体当たりしてくる。
骸骨坑夫。
鶴嘴を手にした骸骨。元々が坑夫であったもの。弱い。
土巨人。
森巨人とよく似た魔物で、土や泥の身体を持つ。森巨人との違いはこちらの方が一回り小さく、好戦的だというところ。
妖精や精霊とはなんの関係もない事が分かっている。
岩巨人。
こちらも精霊とはなんの関係もない魔物。土巨人と分けられているのは、身体が硬い石や岩で構成されているから。恐らくどちらも同じような存在。
ここに出現する岩巨人の身体は石灰岩などから出来ていて、管理局が巨人の身体を買い取り、回収している(石灰を作る為)。
「巨大な塔のある山間」(難易度=中級)
隆起した地形が多く、森や丘、山や谷もある大地。山間部にある平地に古びた塔が聳え、巨大な生き物などが生息する。
塔以外の遺跡も確認されているが、特別な物が発見された事は無い。
<出現する敵>
大蛇竜。
短い手足が付いた大きな蛇。遭遇する機会は少ない。尻尾を振り回す多彩な攻撃を繰り出してくる。
蜥蜴族の王。
蜥蜴亜人や大蜥蜴を支配する権力者。王と言っても一体しか居ない訳では無い。
「峡谷の中の隠し神殿」(難易度=中級)
岩山や崖、谷に草原や森などもある大地。
岩山の中にある迷宮神殿には混沌の魔物や、混沌の悪魔が出現する。
<出現する敵>
昏き邪鬼。
混沌の魔物。黒い気に包まれた武装した小さな鬼。
混沌の尖兵。
混沌の魔物。大きな体に小さな翼を生やした姿をしている。武器を手にする者も居る。怪力と魔法を使う不気味な存在。
牙象。
大きな二本の牙を生やした象。足には三つの指があり、それぞれに大きな蹄が付いている。堅い皮膚と巨体が特徴。
牙象王
四本の牙を生やした牙象。縄張りに入って来た者を容赦なく攻撃する巨体の獣。
「古びた城塞都市」(難易度=中級)
中級の中でも最も危険な転移門として知られる、高い壁に囲まれた城と城下街。
混沌の影響が強く、時間が経つと倒した敵が復活したり、入手した宝箱の中身が再び取れたりする。不可解な場所に閉じられた門があり、その先は混沌が広がっていて進む事が出来ない。
<出現する敵>
死霊。
城下街に現れる骸骨。ぼろぼろになった衣服を身に着けている事から、街に住んでいた人々であろう。この大地に現れる敵対存在の中でも最も弱い敵。
死霊の兵士。
鉄の鎧などを身に着けた骸骨の兵士。剣や槍や弓を装備し、侵入者を襲う。
死霊の騎士。
全身鎧に身を包む骸骨の騎士。剣や盾や槍を装備している。兵士よりも手強く、魔法を使ってくる者も存在する。
混沌の尖兵。
(「峡谷の中の隠し神殿」を参照)
「動かざる王の居城」(難易度=上級)
別名「青き王の城」とも呼称される場所。上級の転移門の中で最も簡単だとされている。行動範囲が城の中だけなので、気をつけていれば挟み撃ちなどの危険が少ない。
主に戦士系の敵が出現する。
城壁に囲まれた城が舞台で、「動かざる王」とは王の間にある石像からきている。
<出現する敵>
赤の兵士。
赤い装備を身に着けた兵士。多くは胸当てや鎧を身に着けている。
大剣や槍、剣と盾を装備する兵士や、大斧を手にする者も居る。
白騎士。
白い装備を身に着けた騎士。全身鎧を身に着け、白い外套を羽織っている。長剣か大剣を持って戦う。
かなり高い戦闘能力を持ち、城の中に登場する敵の中でもかなり危険な相手。多彩な剣気の技を使ってくる事でも知られる。
金騎士。
希に出現が確認されている黄金の鎧を着た騎士(鎧は金を貼り付けただけで鋼に近い合金製)。幅広の剣と盾を持って戦う。
剣気も魔法も使ってくる敵だが、剣士としての技量は白騎士に劣るとされる。だが油断していると様々な魔法に苦戦する事も。
魔影剣士。
忍者の様な剣士。細身の長剣や短剣を持つ。黒い拘束具に似た物に身を包み、多くは顔が隠れている。中には目を塞がれた者も居て、目が見えず耳で周囲の気配を察知しているとされる。
動きが速く、首などの急所を狙ってくる危険な敵。気配を消して不意打ちをしてきたり、後衛を積極的に狙うなどの攻撃を得意としている。
赤魔法使い。
赤い法衣を着た魔法使い。
攻撃魔法を使う事が多く、兵士や騎士と共に出現し、後方から魔法で攻撃してくる。中には魔影剣士を連れ立って登場する者も。
「枯れ果てた森と山岳地帯」(難易度=上級)
上級の転移門の中でも敵の出現が少ないとされる場所。危険な生物が少ない反面、混沌の化け物が出現する。
山岳地帯では鉱物が採掘し易いが危険も多い。
<出現する敵>
灰燼魔犬。
体の内部に炎がある謎の魔獣。混沌の魔獣だと考えられている。
身体は灰から出来ており硬くはないが、中心部にある炎を消さない限り、延々と復活してくる。
魔樹・亜種。
中級難易度の「暗黒の大地」に出現する魔樹の亜種とも言われる怪樹。
枯れた木の体をした魔物で、自らの体を棘のようにして飛ばしてくる。
攻撃魔法も使ってくるので囲まれると危険。
餓鬼熊。
(中級難易度の「樹海と草原」参照)
混沌の獣兵。
鎧や武器を手にした犬や狼に似た頭部を持つ戦士。犬亜人と違い生物ではない。何より犬亜人よりもずっと手強い。群れで出現すると厄介な相手。
混沌の尖兵。
(「峡谷の中の隠し神殿」を参照)
幻影体の大戦士。
二メートルを超える巨躯を誇り、巨大な剣を振り回してくる重装備の戦士。
ここで出現する大戦士は幻影の様なものであり、枯れた森の中に登場し、場違いな鎧姿で見る者を驚かせる。
大戦士が本来出現するのは「三つの壁に囲まれし城」であり、そこでは城門を守る番兵として三体の異なる戦士が出現する。
「金銀鉱山と濃霧の湿地」(難易度=上級)
竜種に近い生き物も出現する、山脈と湿地帯の多い大地。上級難度の中では危険度が少ない場所として知られている。
名前の通りに金や銀が採掘できる鉱山がある。
<出現する敵>
穴大鼠。
洞窟に棲む大きな鼠。下級の冒険者でも倒せるくらいの弱い生き物である。繁殖力や成長力が凄まじく、小さな子供も二週間もすれば親と同じくらいの大きさにまでなる、と言われている。
牙百足。
大きな牙を生やした大百足。かなり攻撃的で、洞穴の中にも湿地にも現れる危険な虫。牙は下手な金属よりも固く鋭い。
槍角蜥蜴。
固い鱗を持つ大蜥蜴で、鋭角な角が頭部から突き出ている。体長は二メートル前後の物が多い。
跳躍大鰐。
大きな守宮に似た胴体、鰐の口の様に牙だらけの顎。長い脚はまるで蜘蛛の様に、体の外側に向き鋭い爪を持つ。硬く鋭い刃状の先端を持つ尻尾など、不気味な見た目をしている。名前の通り跳躍力が凄く、跳び掛かって攻撃してくる。
「竜棲の広原と森」(難易度=上級)
大型から小型の竜種が住む大きな大地。山や丘などもある。自然豊かな場所で、草原や池、涌き水なども豊富な環境。牛や馬、草食竜なども数多く存在。
山などから鉱石も採掘できる。
<出現する敵>
鱗獣竜。
二足歩行する小型の竜種。何種類かの分類が存在する。多くは群れで活動する肉食竜。草食竜や動物を襲うが、希に大型の竜種に襲いかかる群れも存在する。
大顎獣竜。
二足歩行する大型の竜種。小型から中型の肉食竜を狙って狩りをする。名前の通り大きな顎を持った口が特徴。緑棘爪竜と縄張り争いをする事もあるらしい。
緑棘爪竜。
棘に覆われた身体と、長い尻尾を持つ緑色の大型竜。草食竜や肉食竜を捕食する狩人で、大顎獣竜も標的にして襲う獰猛な竜種。
赤翼竜。
朱色の鱗に覆われた身体を持つ翼竜。空を飛ぶ事もあるが、地上で駆け回る時間の方が長い。火を吐き出す。
「神座す山脈」(難易度=上級)
四つほどの山が連なる山脈から、稀少な神結晶や霊晶石が採掘できる場所。
山の麓には森があり、その中に遺跡が存在する。
<出現する敵>
霊獣。
大きな狼の姿をした白い獣。雷を操る。見た目以上に手強く、危険な相手。
「荒廃した都市と岩山」(難易度=上級)
岩ばかりの山と、廃墟と化した街のある大地。混沌の影響を受けており、混沌の勢力も出現する危険な場所。
<出現する敵>
混沌の戦士。
武器や防具で武装した戦士。その姿は人間の戦士そのものだが、会話する能力などはなく、人間の姿を見ると襲い掛かってくる。弓使いや魔法使いなども存在する。
魔牛人。
多くは金属の鎧で武装した、大きな身体の半人半牛の魔物。牛の頭と蹄、胴体や腕は人間に近い(いわゆるミノタウロス)。上級難度に出る敵の中でも代表的な魔物で、大斧や大剣などの武器を使い、さらには魔法を行使する者も居る。
業魔牛人。
魔牛人の変異種。混沌の影響を受けた姿をし、暗青色や暗紫色の発光気を放つ魔物。攻撃力や魔法などは魔牛人と大差ない場合がほとんどだが、動きが速く変則的な攻撃をする為に、玄人の冒険者達からも危険視されている存在。
混沌の尖兵。
(「峡谷の中の隠し神殿」を参照)
「太古の城塞都市」(難易度=上級)
古い城とその足下に広がる都市。街にも鎧を着た戦士や白銀騎士が出現する危険な領域。街には教会があり、希にこの場所にも混沌の悪魔が出没する。
城には鐘楼のある場所や兵士訓練場などもあり、そうした広い施設には混沌の悪魔が出現しやすい。
<出現する敵>
死せる者共。
戦士や魔法使いなどの冒険者が死んで不死者と成り果てた存在。この多くはもともと城塞都市に居た冒険者のもので、混沌の力によって復活している。
白銀騎士。
銀色に輝く全身鎧を身に纏う騎士。様々な武器を手にする類型がおり、戦士として手強い技量を持つ事で知られる。魔法の掛かった武器や防具を持っている場合もあり、冒険者はそれらを目当てに積極的に戦いに臨む。
白銀騎士(騎士長)。
外套を羽織る騎士長は、通常の騎士よりもさらに強く、魔法を使う者も多い。中でも大きな鎧を身に着けた巨漢の騎士長や、銀の鎧に金の装飾を施した騎士長はその怪力や、洗練された剣技が冒険者からも恐れられている。
混沌の悪魔。
様々な姿形をした混沌の化け物達の中でも、魔法や異能力を使う恐るべき存在の総称。武器や防具を身に着けた者から、巨体を持つ者まで──様々な種類の悪魔が居る。
❇「鐘守りの悪魔」
第五章で登場した太った身体と毟られた小さな翼など、特徴的な風体を持った魔物。大きな鉄の塊に似た大剣や、斧槍などを手に現れる。「鐘守り」と呼ばれる訳は、鐘のある塔の下や入り口を守る様に出現する事からそう呼ばれる。
「月下の大要塞」(難易度=上級)
常に夜の領域にある要塞。高い壁に囲まれた要塞の中に転移門があり、狭い通路や広場など人型の敵と戦う機会が多い場所。
ミスランの上級難易度の中でも危険な戦士や騎士が登場する場所で、そこで手に入れた武装は性能が高い。
<出現する敵>
混沌の戦士。
「荒廃した都市と岩山」登場するものとは違い、装備品も個体の能力もかなり優れた敵が多い。
混沌の騎士。
大きな盾や槍、大剣などを持つ選良戦士。馬に乗って現れる者も。
月光の騎士。
滅多に出現しないこの騎士の剣は「月光の剣」と呼ばれている魔法の剣
魔法の障壁を切り裂く力がある。よって魔法による防御が期待できない、危険な相手となる。
城塞の騎士長。
「将軍」という俗称が付けられた騎士。月下の広間に希に現れる。多くの兵士を従え、槍を手に戦う。
周囲の兵士が倒されると長剣に持ち替え、積極的に攻撃してくる。
黒騎士。
大要塞の一部の区画に出現する黒い鎧を身に着けた敵。
黒銀鉄鋼とは異なる材質の「暗黒鉄」から出来た装備品を身に着けている。
この金属は恐ろしく硬く、重い(この金属を加工するのは非常に難しい)。
「三つの壁に囲まれし城」(難易度=上級)
城に続く緩やかな段差のある通路から始まる。
通路を上がりながら敵と戦い、城壁にある三つの城門を突破しなければならない。
門には門を守る特別な戦士が居て、それぞれが二メートルを超える巨体を持っている。
<出現する敵>
青の兵士。
青く塗られた軽装鎧や全身鎧などを身に着け、手にする武器も剣や槍や弓など様々な兵装で現れる。
強さもまちまちで、手練れの兵士が紛れている事もある。
門を守る大戦士。
第一の城門を守る、全身鎧に大剣を手にする二メートル超えの戦士。戦士の体長を超える長さの剣を振り回す。通称「荒ぶる者」
第二の城門を守る、大盾と短槍を手にした大戦士。複数の技を使う。通称「貫く者」
第三の城門を守る、青と白の軽装鎧に身を包んだ大戦士。二本の幅広剣を使い、高速で接近、攻撃を仕掛けてくる。通称「乱れ舞う者」
近衛兵。
王の間に大抵は三~五体で出現する。
青い装飾をした金属鎧を装備している。魔法と剣気を使う手練れの兵士。
青き王者。
王の間に希に現れる存在。
青い鬣の付いた兜を被り、金色を基調に、青い装飾がなされた鎧を身に着ける。
威風堂々とした姿で現れ、その強さも城門を守る大戦士に劣らないとされている。
【シャルファーの転移門】
「風紋岩の荒れ地と森」(難易度=下級)
風によって削られた奇妙な形の地形を為している場所。多くは固い地面と岩ばかりで、範囲は少ないが森もある。
<出現する敵>
狐狼。
狐に似た頭を持つ狼、群れで活動する者と、単独行動する者が居る。
青銀甲鼬。
固い甲殻を持ち、丸まって突進したりする小型の獣甲殻は防具の素材として使われる事が多い。
「風の霊域の野原」(難易度=中級)
広々とした草原や丘が広がる大地。起伏の多い地形をしていて、小さな生き物も数多く生息する場所。
<出現する敵>
風狼。
風を操る狼。風の刃を放ったり、素早い動きで突進してくる。
刃大蛇。
頭部から金属質の刃が突き出ている蛇、大きい物で六メートルを超える大蛇。背中にまで小さな刃が出ているものも居る。
風精一角獣。
頭の先から緩やかな曲線を描く長い角を持った馬。緑色の美しい鬣を生やし、青や紫色の毛並みを持つ。
「悪臭満ちる森林」(難易度=中級)
大きな樹木に囲まれた森林。大きな物になると幹の太さは何メートルにも及ぶ物も。悪臭と呼ばれている理由は腐敗樹という樹木型の魔物の所為。様々な種類の樹木がある広大な森林で起伏も多く、探索は危険を伴う。
<出現する敵>
黒豹。
甲殻百足。
固い甲殻を持つ大きな百足。四メートル前後の物が多い。
悪鬼。
大型の鬼、二メートル近くある体長の者が多い。武器を手にしたり、鎧などを身に着ける者も居る。
腐敗樹。
毒と麻痺を引き起こす瓦斯を吐き出す危険な樹木の魔物。小型の物は弱いが、大型の物は手強く危険な相手。大型の物からは魔晶石が大量に手に入る。
森竜。
巨大な蜥蜴の姿をした爬虫類。機敏な動きで木々の間を動き回る強敵。
「大怪鳥の森と谷」(難易度=中級)
高い崖のある地形や谷がある場所。大きな渓谷には森があり、隆起した場所以外に広原も存在する。各場所に金属が採掘できる岩などもあり、山からは化石が採掘される事も。
<出現する敵>
大怪鳥ファルバルシス。
大型の鳥、固い尻尾を振り回して攻撃してくる。嘴や爪も鋭く、危険な相手。風の魔法も使用してくる。
旋風鳥。
体長二、三メートルの大きさの鳥。風の魔法を使ってくる。
「風穴の迷宮と琥珀山脈」(難易度=上級)
琥珀の採れる山脈の麓に広がる森、そこには風穴が多く、地上と地下を行ったり来たりする為もあって迷い易い地形になっている。
碧銀鉄鋼(神霊の翼)が採れる場所でもあるが、危険な存在も多く出現する大地。
<出現する敵>
狂風精霊エシュタム。
狂える風の精霊、緑色や青色の肌をした巨人の様な姿をしている。風の防壁を張ったり、雷撃を放つ事もある。
【ウンディードの転移門】
「湧水と水田地帯」(難易度=下級)
新たに転移門が開かれた、綺麗な涌き水と小川の多い大地。「水田」と呼ばれているのは、湿地帯にある浅い水溜まりが多い場所を、水田と称したらしい。その水田の中に「水玉葱」が多く自生しており、その水玉葱を食べて生きている魚(脚が生えている個体も居る)や山椒魚などが棲んでいる。
<出現する敵>
「水満ちる丘と川」(難易度=下級)
水が湧き出す小高い岩山や川の多い大地で、海獣に似た生物なども生息する。尻尾に針を備える大きな蜻蛉など、大型の昆虫なども多い場所。
<出現する敵>
電撃亀。
雷を纏う大きな亀。鱗に覆われた堅い足、瘤の付いた長い尻尾で攻撃してくる。見た目よりも機敏で、尻尾から雷撃を撃ち出す事もある。
「氷結湖と凍土」(難易度=上級)
広大な凍り付く大地。この環境下でも成長する植物などは生命力が強く、中には気脈から力を吸い上げて、魔力に変換している植物もある。
山などもあり、そこに開いた洞窟は入り組んでいて、多くの生物がその中で棲息している。
表面が氷結した湖があり、その氷の下で活動をする魚とも、竜とも思えるような怪物も棲んでいる。
<出現する敵>
白豹。
魔氷精。
氷の体を持つ妖精。個体差があり大きな者は人間の子供くらいの大きさになる。様々な氷属性の魔法を使用する。
氷巨人。
氷の体を持つ巨人。個体差があり大きな者は「大型種」と呼ばれる。足や腕を破壊しても時間経過で再生する危険な相手、氷の塊を投げつけてくる事もある。
雷霆獣ラグナジーグ。
雷撃を纏う大型の魔獣。周囲に放電する範囲攻撃や、強力な雷撃を撃ち出す強力な魔獣。動きも素早く「氷結湖と凍土」の中でも危険な敵とされる。
古竜魚。
氷結湖に棲む巨大な魚。四本の脚を備え、陸上でも活動する。滅多に姿を見せない事から、一日の大半を睡眠に使っていると言われているが、事実かは分からない。
水鉄砲みたいに口から水を吐き出し攻撃する手段を持っており、鼻先の尖った固い部分で氷を砕き、水中に潜って逃げる事も。
【ゲーシオンの転移門】
「昏き星々の死地」(難易度=上級)
異様な空間が広がる暗い世界。空には大きな月や星が浮かんでいる。まるで宇宙空間にある星の上に居るような光景が広がる場所。
ほぼ全てが荒廃した土地で、硬化結晶などが採取できる変わった所もある。
<出現する敵>
破滅の宣告者。
大型の神結晶を落とす希少な混沌の悪魔種。巨大な鎌を持ち、浮遊する死に神のような見た目で、物理攻撃や多彩な魔法を使う強敵。滅多に出現しない危険な存在。
【フレイマの転移門】
「竜棲の灼熱地」(難易度=上級)
溶岩の流れる場所などがある危険な大地。たいへん暑く、立っているだけで体力が奪われる。
溶岩地帯を越えた岩壁の向こう側には湖などがあり、生き物が多く棲む領域もある。
<出現する敵>
火竜エングナス。
四足歩行する巨大な蜥蜴に似た竜。吐き出す炎の威力は凄まじく危険だが、そんなに多用できないらしい。長い尻尾や鋭い爪での攻撃もおこなう。
旋風炎竜。
飛翔する大型の竜の中でも危険な敵。炎と風を使った攻撃や魔法を得意とする。翼と腕が一体となっており、翼に鋭い爪を持っている。爆発する火球を吐き出したり、灼熱の息を吐き出す。
【無限の混沌領域】(難易度=超上級)
門のある場所=中央都市ミスラン。
四大神からは「混沌絶界」と呼ばれている特殊な混沌領域に繋がる転移門先(いつもは閉ざされている)。無限の混沌領域がフォロスハートに近づいた時にのみ開かれる、異空間へと続く門。
ここに現れる混沌の恐るべき存在を討伐する為に、多くの旅団の精鋭が集められ、神々の加護を受けて戦う。弩砲などを持ち込んでの集団戦闘で倒すか、混沌の中を移動して避ける、の二択が管理局と神々の間で決議される(旅団が参加しないなら避けるしか方法がない)。
<出現する敵>
大型混沌魔獣。
超大型の黒い魔獣。太い足に大きな鉤爪を持つ。動きは遅いが様々な特殊攻撃に、重い一撃を奮ってくる為、数十人での討伐でも危険な相手。死者が出る事も多い。
混沌の魔神。
混沌の悪魔よりもさらに強大な力を持つ「魔神」と呼称される存在。魔法に似た数多くの技を使ってくる。六本の腕に武器を持ち、防具も身に着けている。追い詰められると変形する。