表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/57

レーチェの帰省

 そろそろクラレンスに戻り、決算書を見なければなりませんわね。まあ執事が大まかな処理をしたのを確認するだけですから、半日もあれば充分でしょう。

 わたくしは、その事を報告する為に旅団長に話しをする事にして、鍛冶屋の方へ向かった。団長のオーディスワイアさんは机に向かい、日誌か何かを見直している。


「団長おはようございます」と声を掛けると、団長は「おはよう」と言ってこちらを見る。

 ……いつもの事ですけど、顔を見た後に首や胸を確認するのをどうにかして欲しいですわ。ーーまあ、殿方は()()()()が好きだとは聞いておりますけれど、特に団長は、私の胸やお尻に興味がおありの様ですし。ーー多少は仕方ないとあきらめつつも、不躾ぶしつけに胸を眺められるのは恥ずかしいですわ。


「お前、また胸がでかくなったんじゃないか」

 といきなり「見ていた」と告白するような発言をする団長。

「あ、あ、あなたは……! 少しはそう言う事を隠したらどうなのですか!」

「いや、そう思うのだが。立派なおっぱいを突き出されると、ついつい見たくなるものなのだ」

「突き出してなどいませんわ!」

「いやしかし、その肌に()()()()()張り付く、エルニスの作ったという衣服がエロ過ぎるんだ。いや、それはいい事なんだが」

「少し黙っていてもらえますか……!」

 思わず力が入り声が震えてしまう。


 団長はさすがに私をからかうのを止めて、「今日は早いな」と話題を変えた。

「今月の終わりに休みを二日ほど頂きたいので、早めに伝えておこうかと思いまして」

「休み? 何故だ」

「実家に帰らせて頂きたいのですわ」

「まるで旦那に三行半を突きつける妻の様な口振りだな」

「だっ、誰が()()()()妻ですか!」

「いや、俺のとは言っていないが」


 団長と話すといつもこんな調子でからかわれてしまう。私は少し暑くなってしまった顔を手で扇ぐ真似をすると、「所有領地の決算書を確認したりしなければならないので」

 と告げると彼は「そうか、分かった」と納得してから、「それならその日は旅団の休日にしようーー月末なら分かり易いしな」と口にする。


 そう団長が言った時に旅団の皆が鍛冶屋に集まって来た。団長はすぐに休みの事を説明し、月末は副団長も居なくなるから二日休みにすると宣言する。

 そして皆の前でこう言った。

「きっと()()()も持って帰って来てくれるだろうから、楽しみにしていような」

 ……()()()()()土産みやげの前に手が出てしまいそうですわ……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ