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二章・序節 プロローグ

 朝。

 目覚めの時、私は決まって寒さに身を震わせる。

 季節が真夏へ移ろいだ今もそれは何ら変わりない。


 瞼をキツク閉じて赤ん坊の様に毛布に包まると、冷たい手足の鈍痛にじっと耐える。

 およそ私は温かみというものを感じ取りにくい。


 身体は日差しを浴びても汗を浮かべることはなく、火に手を翳しても“熱”をぼんやりと感じる程度。そのくせ冷感ばかりは敏感で氷菓子なんて口にすれば、途端に口腔が刺し貫く様な痛みに襲われる。この時期は建物に入れば何処もかしこも冷房が効いていて、外を出歩くのも億劫だ。


 どうしてだろう、とはあまり疑問に思わない。

 それはきっと誰もが命の根幹に刻まれる母親の温もりを知らず生まれ堕ち、銀色の濁流の原風景を瞼に焼き付けた私だから。


 私こと──雨取照は理屈通りではない寒がりなのだ。


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