神はサイコロを振らない
概要:
Twitterで月一に催されている「決まったお題で300字の作品を書こう」という企画『300字SS』、
第三十九回参加作です。
お題は「試す」。オリジナルです。
文字数は改行と全角スペース除いて300字ぴったり。
超備考:
新作書いたらTwitterで告知してます。宜しければ。
http://twitter.com/drawingwriting
注意:
この作品は「カクヨム」「Pixiv」などでも掲載しています。
マークシートは得意だ。
入試終盤、俺は机端の六角鉛筆を掴む。秘技・鉛筆転がし。解けない問題には、運否天賦で対抗だ。さぁ、秘技発動――の、直前。
不意に、バタン、という音が響いた。
見ると、前の席の女の子が床に倒れている。顔色が真っ青だ。だが、彼女は試験監督に「大丈夫です」と繰り返す。
机に戻る。
試験を続ける。
……何となく。
俺は鉛筆を置き、愛用のシャープペンを再度握った。
「で、結果は?」
「落ちた」
「落ちたのかよ」
「でも次の年で受かった」
そんなもんさ、と俺は息子に笑い、宿題の続きを促した。
「さ、もう一回考えてみろ。何事も粘り強く、な」
後ろで妻が軽く笑った。いつかの青い顔は、もう彼方に消え失せたようだった。
入学試験シーズンですね。
学生の皆様、人生は長いです。楽しいことも沢山あります。
大変だと思いますが、楽しみなことを思い浮かべて乗り切ってくださいね。