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ある夏の唄  作者: 神山亮輔
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エピローグ

二〇一七年八月二十二日火曜日


今日は先週話したとおり海に行くことにした。秋月も神山も車を持っていない。レンタカーを神山が手配し朝七時に彼が秋月の寮の前に迎えに来た。七里ガ浜はたった一時間で着く程度の距離だった。


彼女が去年みた七里ガ浜はどう映っていたんだろう。

彼の手に私の手を差し伸べようとしたその時、彼をそっと横を向いて私に背を向けた。

見られたくなかった、のだと思う。頬に伝う涙を。

彼の心には彼女が今後もずっと生き続けるのかもしれない。

それでも実香は悟とこの夏を共有したんだ。それは紛れもない事実だ。


何処までも続く波の向こう側を見つめるあなた。

その瞳の中には何が移っているんでしょうか。

ああ、世界はなんて残酷で美しいんだろう。


秋月実香も神山悟も毎日は変わらない。

結局のところもがきながら今いる場所で前に進んでいるのか、ただ足踏みしているだけなのかわからないけど、それだってなんとか社会の中で生きていく術を見につけようともがいている。

今いる場所が自分の本当にいるべき場所なのか、そんなことはわからない。

だけどどんなに苦しくたって生きている限り歩みは止められない。

そしてどこまでいっても人は孤独だ。

『世界は綺麗で優しくて悲しいね』

(完)

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