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転生召喚『黒龍』記  作者: 緑楊 彰浩
第五章 真実
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真実1







 闇オークションが終わり、宿に戻ってきたのは10時を少し回った頃だった。宿からは0時10分前程度に出ればいいだろうと決め、それぞれが思い思いに過ごしていた。

 ただ、全員がいつもの服装に着替えていた。それは、もう異性の姿でいる必要がなかったからだ。スレイの屋敷では何が起こるかわからない。慣れていない体でいるより、慣れている体でいたほうが動きやすい。そのため、女性から先に着替えて現在に至るのだ。

 人型ではなくなったユキは少し残念そうにしていたが、エリス達と話しができなくなるわけではないと微笑んだ。別に人型のままでもよかったが、ユキ本人が落ち着かないらしかった。いつもより高い視界に、目を合わせて話せるのはよかったのだが、疲れてしまったようだ。

 そんなユキは今、ベッドの横で大人しく目を閉じている。眠っているのかはわからない。だが、尻尾も動かさずに黙っている様子を見ると眠っているのかもしれない。

 他の者達も眠っていたり、本を読んでいたり、何も言わずに外を見ている。龍も椅子に座り、黒麒が淹れたコーヒーを飲んでいた。

 龍は時々目を閉じる。白龍を感じる方向に変わりはないかを確かめるために。感じる方向に変わりがないことを確認すると、心の中で話しかけてみるが返答はない。自分が白龍の声を聞くことができないように、白龍も聞くことができないのかもしれない。

 もしかすると、白龍に聞こえていても、龍が返答を聞くことができないだけなのかもしれない。しかし、たとえそうだとしてもどうすれば聞こえるのかわからないためどうすることもできない。

 小さく息を吐いて、目を開いて両手を上げて伸びをする。そして、一緒に翼を広げて首を回す。女性でいたためか、いつもより疲れている気がしていた。

 それだけではないことはわかっていた。翼を長い間消していたことが一番の原因だ。翼を消すという慣れないことに体力を消耗しているため、疲れているのだ。椅子に座ったままでもいいので、少しだけでも体力を回復するために眠ろうと一度欠伸をするとテーブルに突っ伏した。

 突然龍がテーブルに突っ伏したため、正面に座っていたエリスは驚いたようだったが、声をかけることもなくコーヒーを一口飲んで本を読み続けた。

 刻々と過ぎる時間。部屋の中は静寂に包まれていた。誰も作戦会議をしようという考えがなかった。行った時にどうすればいいのか考えればいいのだ。それだけだ。作戦を立ててもその通りに行くとは限らない。だから、作戦を立てても無駄だと少なからず思ったのだ。

 暫くして、本を読んでいたエリスが大きく音を立てて本を閉じた。その音を聞いて龍は目を開いて起き上がった。全員の視線がエリスに集まる。椅子から立ち上がると、エリスはゆっくりと全員へと視線を合わせた。

 時間なのだ。

 龍も立ち上がり、もう一度伸びをして翼と角を消した。出したままでも構わないが、受付の前を通るのだ。白美の能力で見えないようにすることは可能だが、街の中を歩くには消していたほうがいいだろう。遅い時間だと言っても、誰とも合わないとは言いきれないのだ。

 荷物はベッドの横に置いて部屋を出る。全員が部屋から出て鍵をかけると、エリスはそれを黒麒に渡した。もしも戦うことになったとしても、黒麒に渡しておけば、無くす心配はないと考えたからだ。何故なら、黒麒を戦闘に参加させるつもりはないからだ。

 量にもよるが、戦っている最中に血を見て倒れられても困るのだ。だから参加させるつもりはない。そのことを黒麒もわかっているようで、鍵を素直に受け取ると小さく頷いた。

 白美を先頭に、階段を下りる。受付にいる男性2人と目が合うが、とくに何かを言われることはなかった。

 ただ、小さな声で気をつけてとだけ言われた。姿が違うことに対して何も言われなかったのは、白美の能力で異性の姿に見せていたからなのか。それとも、ただ受付にいた彼らが宿泊している人物のことを知らないだけなのか。それとも、どちらも違うのかはわからない。

 宿を出ると、先頭にエリス、エリスの右に黒麒とユキ。左に白美。後ろにリシャーナ。そして、3歩後ろにラアットと龍が並び歩いている。誰も何も話さずに歩き続ける。

 黙って歩く龍の視界に、キラリと光る何かが入ってきた。それは、左を歩くラアットの左手。だが光っているのは左手ではない。左手に持っているものが、雲の隙間から覗く明るい月の光を反射して光っていたのだ。

 龍が左手を見ていることに気がついたラアットは、龍を目を合わせてニヤリと笑った。その顔を見て龍は、ラアットが何を思ったのかがわかってしまった。

「俺は知らなくていい物……か」

「正解! まあ、今は知らなくていいってだけだから、あとで教えてやるよ」

 左手の親指と人差し指で挟むそれは、2センチほどの綺麗な青いビー玉だった。しかし、今手に持っているということはただのビー玉ではないのだろう。何かの魔法(マジック)アイテムの可能性が高い。そうでなければ、ただ手持無沙汰のためビー玉を触っているだけになってしまう。それに、そうだとしたら何故ビー玉を持ち歩いているのかと疑問に思うだろう。ただの、ビー玉好きという可能性は無くもないのだが。

 持っているビー玉が魔法(マジック)アイテムならば、いったいどのような効果があるのかわからないし、今聞いても教えてくれないのだから考えても無駄だろう。龍は青いビー玉を左手で握るラアットから、辺りへと視界を向ける。

 高い壁に囲まれた屋敷の数が多くなってきていた。それぞれ敷地の大きさは異なるが、どの屋敷もまるで壁のような高い塀に囲まれていることは同じだった。

 そして、何処の屋敷にも番犬がいるようで、出入り口である門扉の前を通ると中から唸り声が聞こえてくる。そちらへ視線を向けると、門扉の隙間から鼻を出している犬や、中で牙をむく犬の姿を確認することができた。

 物騒だから、番犬がいるというだけではないのだろう。金持ちだからこそ、様々なものに警戒しているのだろう。泥棒が入らないとも言えないのだ。

 一つの屋敷を通りすぎれば、一般住宅が2軒建てられるほどの空間を空けてまた屋敷が建っている。屋敷の向かい側にも同じように屋敷が建っており、そちらからも番犬の声が聞こえてくる。

 時々白美がその声に反応をして視線を向けるが、目を細めるだけで何も言わないし、何かをすることもなかった。白美は何を言われているのかはわかってはいるのだろうが、相手をするつもりが全くないようだった。

 迷うことなく歩くエリスは、まるで一度訪れたことがあるかのように感じられるほど、歩みを止めることはない。他のどの屋敷にも目を向けることはない。話しに聞いていたとしても迷わず向かうエリスの頭の中には、スレイの屋敷への地図が描かれているのかもしれない。

 ただ、エリスの隣を歩いている白美と黒麒、ユキは屋敷の陰に目をやり人がいないかを確認している。誰1人も歩いていないが、突然飛び出してこないとも言えないのだ。だから、周りを注意しているのだ。

 しかし、生き物の気配は番犬達以外にはしない。何処の屋敷も暗くなっており、住人はすでに眠っているようだ。

「ん?」

 誰も歩いていない薄暗い道。龍は誰かに呼ばれた気がして、声が聞こえた方向へ顔を向けた。しかし、そこには誰もいない。見回しても、歩いているのは自分達だけだ。

「どうした?」

「いや、声が聞こえた気がしたんだけど……」

 聞こえた声は、近くというよりも少し遠くから耳に届いたような気がした龍は首を傾げた。もし、本当に聞こえているのなら龍より耳がいい白美とユキが反応するだろう。

 だが白美とユキには聞こえていなかったようで、龍とラアットの様子に気づかずエリスの横を黙って歩いている。

 それならば、何故龍にだけ聞こえたのか。首を傾げて考えると、その答えはすぐにたどり着くことができた。

「白龍?」

 そう思った龍は、歩きながら目を閉じた。今は声は聞こえない。偶然聞こえただけなのか、それとも聞こえたように感じただけなのか。

 しかし、白龍の気配は先ほどよりも近くにあった。もしかすると、近づいたことにより声が聞こえたのかもしれない。

 白龍の気配は右斜め前方から感じられた。これから行く屋敷がある方向なのかは龍にはわからない。だが、確実にそちら側へと向ってはいるのだ。

 目を開くと、隣を歩いていたラアットが手を伸ばさずとも届くほど近くを歩いていた。龍が目を閉じたため、躓いたときにすぐ手を出すことができる位置に移動してきたのかもしれない。

 目が合うが、とくに何も言うこともない。少し離れて歩くだけで、何かを聞いてくることもなかった。もしかすると、ラアットは左手に持っている青いビー玉のことを、龍に何かを話さなかったために聞かなかったのかもしれない。

 一番前を歩いていたエリスが、二つの屋敷の間にある広い通路を右に曲がった。龍とラアットの前を歩くリシャーナが右へ曲がると、体ごと龍とラアットに振り返った。

「もうすぐ目的地に着くみたいだよ」

 リシャーナの言葉通り、この道はどうやら一つの屋敷へ向かうためだけの通路のようだ。他に曲がる場所がなければ、屋敷も建っていない。もしかすると、リシャーナはスレイの屋敷が何処にあるのかを知っていたのかもしれない。そうでなければ、まだ見えない屋敷にそんな言葉は出てこないだろう。

 周りにあるのは木々だけだ。どうやらこの先にある屋敷は林の中に建っているようだ。ぼんやりと屋敷の影が見えるが、明かりがついていないためか、少々不気味に感じられた。

 門の前でエリスが立ち止まると、白美が警戒しながら門へと近づいた。番犬がいると考えていたようだが、そこには1匹も犬の姿はなかった。

 それに気がついた黒麒がおかしいと首を傾げた。何故なら、通ってきた屋敷には必ず番犬がいたからだ。今までこの屋敷以外に番犬がいないところなどなかった。

 これではまるで、泥棒に入ってくださいと言っているようなものだ。とくに、この物騒な国ではなおさらだ。番犬の1匹や2匹を庭に離しているものだが、この屋敷の庭にはそんな様子はない。

「今まで犬を飼っていたような匂いもしないね」

 そう言った白美だったが、何か別の匂いがしていた。あまり気にはならないが、長い間嗅いでいたくはない不快な匂い。それはユキも同じだったが、何も言わなかった。

「そう。それで、どう?」

 白美の言葉に小さく頷いたエリスは龍へと振り返った。それは、白龍の気配がするのかを尋ねてだろう。それがわかった龍は頷いた。目を閉じることなくわかる。

「白龍がこの屋敷の何処かにいる」

 とても近くに白龍がいる気配がする。林の中や、他の屋敷でもなく。目の前の屋敷の何処かに。絶対に白龍がいるのだ。

「それなら、入っても問題ないな」

「そうね。一応私が先頭になるわ。何かが向かってきてもどうにかできるから。貴方達はエリスを守ってね」

「了解いたしました」

 リシャーナがゆっくりと門を押し開く。どうにかできるとリシャーナは言ったが、本当にできるのかは龍にはわからなかった。龍はリシャーナが戦う姿を見たことはないのだ。

 そのため、本当にどうにかできるのか気になった。そして、それと同時に心配にもなった。もしも、本当は戦うことができなかったらと。

 だが、エリスが心配している様子もないため、本当にどうにかすることができるのだろうと龍は黙って後ろを歩き続けた。

 警戒しているとは思えない、いつも通りの速さで歩くリシャーナ。必ずしも先頭に何かが向かってくるとは限らないのだが、何かが近づいてくる気配はしない。

 玄関まで続く舗装された道を歩き、玄関前の階段を上がろうとした時、龍の横を歩いていたラアットが何かを草が生い茂る庭へと放り投げた。放物線を描いたそれは、青く光った。

 ――あのビー玉はいったい何なんだ?

 ラアットの左手から放り投げられた青いビー玉が消えた場所を見て思う。しかし、そんなラアットの右手には黄緑色の別のビー玉が握られていた。

 それを親指と人差し指で挟んで、目の高さに上げるとラアットはにっと笑った。やはり、それも何かは教えてくれない。本当にその内教えてくれるのかと思ってしまうほどに。

 7段の階段を上ると、どうやら全員が揃うまでエリス達は待っていたようだった。龍とラアットが扉へ近づいてくるのを確認して、エリスは強めに扉をノックした。

 しかし、どれだけ待っても誰かが出てくることはなかった。屋敷の明かりが全て消えているのだから、誰も出てこないのはおかしいことではない。だが、誰か1人が起きているものではないのだろうか。とくに、番犬のいないこの屋敷だとなおさら。

 エリスではなく、リシャーナがドアノブに手を伸ばして回した。それは抵抗なく開いてしまった。驚いたリシャーナは目を見開いてエリスを見た。驚いたのはエリスも同じだった。それもそのはず。物騒な国で、番犬もいない屋敷が鍵をかけていなかったのだから。

 鍵のかけ忘れという可能性もなくはない。だが本当に、ただの鍵のかけ忘れなのだろうか。それはこの場にいる誰にもわからなかった。

 ゆっくりと扉を開き、リシャーナから中に入って行く。白美、エリスと続き、最後に龍が屋敷へと入った。扉が小さな音をたてて閉じられた。不快な匂いが強くなったのを、白美とユキは感じて目を細めた。

 屋敷の中は月明かりが入らなければ真っ暗だった。それに屋敷内から人間の気配が感じられなかった。誰もいないのか、それとも気配を消しているのか。もしも気配を消しているのならば、エリス達が侵入していると気がついていることになる。

 それに、龍と白美は気づいていた。屋敷に入った時から、そこに人間がいることに。2人以外は気がついていないようで、1階を見渡していた。

 だが2人が黙って同じ場所、2階を見上げていることにエリスが気がつくと、全員が2人と同じ場所へと視線を向けた。それは、正面の階段から二股に分かれている左側の階段近くだった。

 一部分が雲で隠れていた月が、雲が流れて行きその人物の顔を照らした。口元に笑みを浮かべた人物。それは――。

「スレイ……」

「無断住居侵入はよくないよ」

 本当にそう思っているのか、スレイは笑みを浮かべたままだった。この屋敷にはスレイ・ヴィオーリオ・チャントーマが住んでいるのだから、彼がいることはおかしいことではない。しかし、彼の気配がしなかったのだ。そう、全員がスレイに気がつくまでは。

「いやあ、会場で似ている人がいるから、もしかしてとは思っていましたが、……本当に貴方達で、ここに来るとはね」

「白龍を返してもらうぞ」

「白龍……?」

 龍の言葉にスレイは首を傾げた。白龍が誰なのかわからないようで、手すりにもたれかかりながら数回左右に首を傾げて、暫くしてから誰のことかわかったようで3回頷いてから笑みを消した。その目はとても冷たいものに変わっていた。

「ああ、あれのことか」

 そう言ったスレイの声はとても低かった。やはりスレイは白龍の居場所を知っているようだ。だが、白龍のことを『あれ』と呼ぶ様子から、不機嫌になっているようだ。

 何故不機嫌なのかはスレイ以外にはわからない。ただ、その原因が白龍であるということだけは全員わかってしまった。そうでなければ、名前を聞いただけでは笑みを消しはしないだろう。

「あれが来てからツェルはよく笑うようになった。ここに来てから笑うことも話すこともなかったから、友達になれるだろう子を見つけて連れて来てもらったのに……。ツェルは私には笑いかけることがない! それに、話しもあれとしかしない! まともに私と話しをしようともしない!! きっとあれがそうさせているんだ。だから、躾をしようとしてもツェルが守って何もできない。それどころか、ツェルがあれを守るから傷つけたくないのにツェルを傷つけてしまう。今までは私に口答えなんかしなかったのに、あれが来てからツェルは変わってしまった。だから! 新しい友達を連れて来てあげようと思った! でも、ツェルにふさわしい友達はあそこにはいなかった」

 目を見開き、口元には笑みを浮かべながら言うスレイに誰も何も言わなかった。手すりを強く掴む両手から力を抜かず、玄関ホールで自分を見上げてくるエリス達を見下ろす。

 こいつらは、わざわざあれを取り戻すためだけに何故か異性になって闇オークションに来たのか。あれにそんなことをするだけの価値があるとは思えない。そう思いながらまるで睨みつけるようにエリス達を見下ろすスレイの目を見てエリスが叫ぶ。

「そのツェルって人のために白龍を誘拐するように依頼したの!? もしかして、姉さんもそのツェルって人に……」

「私のツェルの名前をその口から発しないでもらおう!!」

 響くスレイの大声。あまりの声量に白美は両手で耳を押さえた。突然そう言われ、エリスは驚いて一歩後退りをした。

 スレイの話しからすると、ツェルという人物の友達にするために白龍をスインテ達に誘拐してもらったようだ。だが、連れて来ると友達にはなったが、自分には見せない笑顔を白龍には見せ、そして普通に話しもしている。そのことにどうやら彼は、嫉妬をしているようだ。

 怒りを白龍にぶつけたくても、ツェルが守る。その言葉から、白龍はどうやらツェルという人物と一緒にいて、守ってもらっているようだ。しかし、何処にいるのか。

 居場所を問い詰めたくても、聞くタイミングが見つからない。近くにいるということはわかっているが、居場所がわからないのだ。スレイに吐かせればいいのだが、素直には言わないだろう。

「スピカのことは本当に残念だったよ。まさか、あんなことになるとはね」

 どうやら、エリスの言葉は遮ったが、しっかりと聞こえていたようだ。

 エリスはスレイの言葉を聞いてツェルが白龍と何処かで出会い、白龍と友達になりたいと言ったためスレイが誘拐の依頼をしたと思ったようだ。いつものエリスであれば、先ほどのスレイの言葉を聞いてもそうは思わなかっただろう。

 しかし、相手がスレイであるため冷静になることができないようだった。大切な姉と結婚した信用することができない男を前に、全ての原因がツェルなのではと思ってしまっているようだ。だが、スレイがそれを否定する。

「スピカが死んだのはツェルの所為じゃないよ。だって、ツェルはスピカが亡くなってからここへ来たんだ。それなのに……あれに関わっているはずがないだろう」

 とても低く冷たい声だった。それでもエリスは知りたくて口を開いたが、声は出なかった。どうしてスピカはあの日殺されてしまったのか。本当は殺された理由をスレイは知っているのではないか。犯人は別にいるのではないのか。あの男が犯人なのではなく、別にいるのでは。そう問いたかったのだが、スレイが怖くて声が出なかったのだ。

 エリスの様子から言いたいことがわかったスレイは、笑みを浮かべて口を開いた。しかし、目は笑っていなかった。

「教えてあげよう! 何故彼女が殺されたのかを!」

 両手を左右に広げて、スレイは笑いながら言った。あの日のことを。スピカが殺された日の真実を告げるために。










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そして、長いスレイの話しが始まる。

本当。勝手に話しはじめる始めるから何度進まなくなったことか……。

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