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第一章 現在の状況

世界には人々を混沌たらしめ、時には絶望を与えるあらゆる出来事が多数存在する。

人が決して抗えないものを挙げるとするならば―――自然災害がいい例だ。


自然災害に対しての対策は常に進化の時を超えて日々成長している。

だが―――それでも、まだ足りない。


対処しようにも対処しようにも。

幾度も人々が作り上げてきた強靭な壁を奴らはいとも簡単に破壊していく。


しかし、人間とてやわではない。

その度に人間は奴らと戦い凌ぎ切っていた。


だが、そんな耐え忍んでいた人々の努力にも――――ついに限界が来た。

その理由は明白だ。


何故なら、この世界にはそれらの比ではない物が存在していたからだ。

自然災害が更に強力な力を得て変わったもの。


人々はそれらの事象をこう呼んだ。


厄災ディザスター


それは―――

数年前のある日。


なんて事の無い日常に突如として起こった異変の時に名付けられた異名である。


晴れた日の穏やかな日常に、突然訪れた非日常。

そのありえない日常の風景を見た時、人々は空を見上げながらこう呟いた。


『信じられない』……と。

でも、心のどこかで思っていた。


こういう日常もたまにはあるのかもしれないと。

それが—―――晴れた日の雨模様ともなれば、極普通のことなのかもしれない……と。


晴れている空にも関わらず、雨が降っているというありえない日常。

その現象は人々にこう呼ばれるーーー。


青天せいてん霹靂へきれき


たまの日常ならば、それはあってもいいと思っていた。

しかし――――


それが毎日起こったのでは、とてもじゃないが信じられないと口にするしかなかった。

そうして次第にその情景は不自然なものではなくなり、青天の霹靂は当たり前になっていった。


ありえない事象である青天の霹靂が増えてからというもの、人々の生活は一気に変わっていった。

あらゆる自然災害はこの影響により、以前に比べて凶暴さを更に増していき、もはや人類に対抗策は無いとまでされていた。


突然変異とは怖いもので、平坦だった地形をあっという間に大地を浮き彫りさせるほど変形させ、生命体を百八十度変異させた。


何故その事象が起こったのかは、未だ解明されていない。

いや、解明のしようがないのだ。


今までなかった物が突然出現するなんてことはありえない。

物理法則を返さない限りは無理だ。


既に起こってしまったものを解明するのは時間の問題である。

だが、この厄災が発生してからまだ数年と経っていなかった。


発生してから月日が長ければ解明の余地はいくらかあるだろうが……

如何せん、まだサンプルが少ないのである。


辛うじて解析出来たとしても、再度新しい厄災が現れてしまえば解明しなければならない。

月日の流れが解決してくれるまで待つにはあまりに長過ぎるだろう。


更に言えば、この厄災はあらゆる方面に存在していることが調査により解明された。

世界各国で確認された厄災は、人々に甚大な影響を与えている。


自然災害や地球温暖化にしろ厄災には人知的に引き起こせるものも多数存在している。

そのどれもが人間が自発的に起こした結果だ。


人々が生活していく上で必要不可欠な事柄のせいで厄災が活性化したとさえ言える。

そう考えると、活性化した厄災が存在してしまったことは当然の結果と言えるだろう。


これは人々が起こした自業自得の結果なのである。


万物浄化を軸とし厄災ディザスターは人間が倒すべき相手・討伐対象として名立たる強者を押し退けて頂点に君臨している状況である。


そして、瞬く間にそれらの厄災が世界を支配していった。

もちろん、それこそどこにでもいるのだ。


人々を簡単にあやめることが出来てしまう厄災など―――


それは潤達がいるこの場所にさえも……。

それこそが厄災の出現地と言われている初国――――東国とうごく


ここ『東国』は別名『厄災エリア』と呼ばれている間柄で、東国エリアは厄災の所有を最も優先し、戦闘の最前線を有する一つの小国でもある。


厄災の総数は他のエリアと比べ約数百倍以上に相当している。


過去には東国を飲み込むほどの尋常じゃないスコールに幾度となく襲われ、そのどれもが東国を壊滅に追い込むほどの甚大的な厄災しろものであった。


いずれにしても厄災は一種の個体を常備しており、その個体が個体として有しているのには、星々(せいせい)のみなもとという静動の原動主となるコアを身に宿しているからである。


厄災の中心部に位置する星々の源は、まさに厄災にとっての生命活動の原動力といっても過言ではない。

星々の源を破壊することにより厄災は活動限界を迎え、行動が収まると言われている。


収まることにより厄災の原動力である星々の源を採取と分析をすることで新しい資源に変えることが可能であると新たな研究で判明した。


星々の源の回収に成功した場合のみ、コアを有する厄災の再発防止の対策源ともなっている。

だが、そんなものは一時的の休息に過ぎない。


奴らは子孫が自主再生をし、再び新たに復活した場合において東国はそれを狩らなければならない。

種である厄災を根絶することは、科学的に不可能とまで言われてしまっている。


これは研究によると『あるものを無くすのは時しかない』ということだ。


自然に消えゆくのが最善の道だと豪語するが、そんなに長く時を待っていられるほどお人好しが多数存在するわけもなく。


ここ『厄災エリア』である東国の他に外には隣接するようにして四つの国が存在する。

東国は他国と比べると、幾分か緑が多い。


緑が多いということは、それだけ自然が栄えているということに繋がる。

それが意味することはつまり、自然の力が他の国より強過ぎるのが影響していると加味する。


自然同士が結び付き引き寄せられるかのようにしている場合、吸引の力が作用していると小言を吐く者もいる。


東国は厄災被害件数有数として名の知れた有名な小国である。

だが、その小さな国であるということと被害件数が考慮せれることにより、他国からの見る目は厳しい。


その為、他国の方に援助を投げ掛けたところで、それに応じてくれる国も者もいない始末である。

他国からの嫌われものとして今や鎖国状態の厄災エリア―――東国。


この苦しい境地の中で一体何故、とぼしい東国が今の今まで生き残れているのか……。


何故まだ『東国』という押せば倒れるくらい弱い少国が、世界共通である世界の地図に乗ることが出来ているのか?


それは――――小国である東国エリアには、ある者達による平和の維持が保たれているからだ。

絶対的ではないにしろ、彼らと彼女らのおかげで今はまだ壊滅を免れている。


彼らと彼女らを含めて呼ばれている名前が存在した。

その名は――――

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