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微不運ダンジョン探索者  作者: 猫狂い
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ステータス検査とユニーク職

入学案内のマップを頼りに第二検査室に行くとゴルゾーマ先生が待ち構えていた。


「遅い!!貴様らはナメクジと同レベルか!!!」


いや、てかお前目的地一緒なら先導して行けよ!

一喝する先生を見ながらそう思った。

多分皆も気持ちは一緒だ。


「では中に入って出席番号順に鑑定石に触れて行け、ぐずぐずするな!!」


怒鳴られながら俺達は中に入って行くと中には机の上にポツンと水晶らしき物が置かれている。

この石は鑑定石といい触れたものの能力値、職業、スキルを写し出すことが出来る。


この世界には職業と言うものがあり、その人がどういった役割につけるかは完全に運次第だ。

大体の人は基本的な職

剣士、戦士、武道家、魔法使い、神官

と言った職につくことが多い。

双剣士や魔剣士等と言った派生職につくことも有ったりする。

中でも極希にだがユニーク職につくものもいる。

ユニーク職とは滅多に居なくそして強力なスキルを覚える事が多い為俺もそうだったら良いなと思っている。

俺の職は何だろう?

賢者とかだったりしないだろうか?

そんな風にドキドキしながら待っているとレガ君の番になっていた。


「ふん、オレの力を見てビビるなよ」


先程ガクガクしていたとは思えない程の傲慢さをさらけ出し鑑定石に触れると鑑定結果を確認していた教師の顔が驚愕に染まる。


「な、これは!?」


「ほう、随分といい結果だったようだな」


心なしかレガ君の表情が嬉しそうに歪む。


「君の職業は……」


「職業は?」


「ああ、君の職業は

ユニーク職 ヘッドバッターだ!!」


「そうか!!ユニーク職か!!………ん?」


一瞬嬉しそうになったレガ君が小首を傾げる。


「へ、ヘッドバッター?」


「そうだ、未確認の職だが恐らく強力な職だろう、え~とスキルは……」


愕然とするレガ君を尻目に教師はスキルを読み上げる。


「スキルはヘッドバットだね、以上!!

あ、ヘッドバット以外じゃ的にダメージが与えられないってその代わりヘッドバットのダメージが大幅に上昇

まぁ、一点特化の前衛職だね、頑張って!!」


「なん……だと……?」


にこやかな教師とは対照的にもはやまともに口も開けないレガ君がとぼとぼと退室する。

ダメージは大きい……


「よぅ!!職はユニークでも武器が空っぽ見てぇだな、砕け散るんじゃねぇのか!?」


血も涙も無いゴルゾーマ先生の煽りにより止めを刺されたレガ君は人目憚らず泣きながら走って出ていった。

御愁傷様だよ……レガ君……

次はオットー君の番だ。

オットー君は緊張しているのか顔を強張らせながら鑑定石に手を触れる。


「ふむ、君は魔法使いだね、前衛の皆を守れる様援護してあげなさい」


「はい、頑張ります!!」


派生でもユニークでも無いが魔法使いも立派な職だ、オットー君は胸を張って答えると退室していく。


途中でゴルゾーマ先生による一言が入る。


「もやし野郎が最初に覚えるのは机を粉砕する魔法か?」


胸を張っていたオットー君はうつむきとぼとぼ帰っていく。

お前それでも教師か!!

ゴルゾーマ先生による陰湿な攻撃は犠牲者を大量生産しながらも鑑定は続いていく。

そしてキャサリンの番になるとゴルゾーマ先生は目にも止まらぬ速さで鑑定石に張り付く。


「ウオォォォ、マイエンジェル!!

頑張れ!!お父さんがついているぞぉ!!!」


「もう、お父さんってばぁ!!

恥ずかしいよぉ…」


何だこのモンスター親子?

マジで誰か討伐してくれよ

キャサリンが鑑定石に触れると


「フォォォォイ!!

流石はマイエンジェルぅ!!!

神官だってよぉぉ!!

心優しいエンジェルにはやっぱり神官しかあり得ねぇよなぁぁ!!!」


「神官………頑張らなくっっちゃ!!」


どうやら神官だったらしい…………

えぇぇぇぇぇぇぇ!!!

神官!?どー見てもお前バーサーカーじゃん!?

あり得ねぇよ!!神官とか!?

前衛で暴虐の嵐を吹き荒らす係りじゃんお前!!

駄目だこれ……前衛より厳つい後衛爆誕の瞬間

圧倒的理不尽………!!


「さぁキャサリン、疲れただろう?

教室に戻って休んでなさい」


にっこりと退室を促すゴルゾーマ先生。

おい、さっきまでの対応どうしたよ!?


「じゃあ、皆も頑張ってねぇ」


軽やかに駆け出すキャサリン。

ああ、地鳴りが響いてる……

まぁモンスター親子はもうほっとこう……

次はメシュア君だ、彼は何か持ってそうな気がするから興味があるな。


「おお、これは!?

メシュア君……君の職業は……

救世主だ!!

過去にも確認されているが強力なユニーク職だ!おめでとう!!」


「はい、ありがとうございます!!」


やはり彼は何か持っているようだ。

救世主とかマジ羨ましい!!

時間を緩やかにしたり、超身体能力だったり

とにかく強力なスキルを覚える職だ。


「ジョン君、君も凄い!!

ユニーク職 エージェントだよ!!

これは未確認だけどスキルが凄いね!!

分身と変身だってさ!!」


「そうか

まぁアルガーロン君はマジぶっ殺す」


「えぇ……」


ただ愚直にアルガーロン君を殺害することに腐心するジョン君に教師もたじたじだ。

二人の戦いは人類の存亡を掛けそうな気がするのは気のせいだろうか?

てかユニーク職のバーゲンセールか?

既に四人も居るぞ。

とか考えている間に俺の番になった。


「じゃあこれに手を当てて見て」


教師に促され鑑定石へと手を伸ばす。

俺も何か格好いいユニーク職に!!

必死に心の中で祈りながら手に触れると……


「ん?君は魔法剣士だね

前衛も後衛もバランス良く出来る万能職だから大変だろうけど頑張ってね!!」


「はい、頑張って見ます!!」


ユニーク職では無かったが派生職らしい。

基本職より育成が難しいが器用貧乏な自分には良くあってるかも知れない。

これからパーティーの要となれるよう頑張っていこう。

そう胸に誓うと意気揚々と出口を目指す。

この時俺は忘れていた……

道の途中に悪魔が居る事を……


「魔法剣士とか中途半端なゴミ職だな、精々邪魔にならない様に隅っこで踞ってろよカス」


……………………

うつむきとぼとぼ帰った……

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