第四話 決意とため息と
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夜の公園に、不穏な静寂と火花が散る。
俺の服の裾をぎゅっと掴む陽葵の体温が、指先を通じて伝わってくる。その震えが、24歳の俺の保護欲を最骨頂まで沸き立たせた。
「天音くん、説明して。……どうして、よりによってこの子なの?」
聖が震える指先で眼鏡を直す。その瞳には、生徒会長としての威厳ではなく、一人の少女としての絶望が混じっていた。
「そうですよ先輩! 私、さっき助けてもらって、本当に運命感じたのに……!」
めいはスマホを握りしめ、今にも泣き出しそうな顔で俺を睨む。
そこへ、植え込みから這い出してきた松本先生が、膝の汚れを払いながらおずおずと口を開いた。
「あの……レンくん。先生、ショックだな。夜の公園でデートなんて、そんな不純なこと……先生が相手なら、相談に乗ってあげたのにっ」
三者三様の追及。
前世の、地味で「華がない」と言われた俺なら、この状況に泡を吹いて逃げ出していた。だが、今の俺には天音蓮の最強のスペックと、24年分の図太さがある。
「……みんな、落ち着いてくれ」
俺は立ち上がり、陽葵を背に隠すようにして一歩前へ出た。
天音蓮の喉から発せられる声は、夜の空気を震わせ、彼女たちの言葉を物理的に封じ込めるような力を持っていた。
「まず、校則違反については俺の責任だ。会長、明日きちんと生徒会室で報告する。一ノ瀬も、驚かせて悪かった。松本先生、心配かけてすみません」
一人一人の目を見て、誠実に、かつ断固とした態度で告げる。
24歳の「大人の対応」に、彼女たちは一瞬、毒気を抜かれたように黙り込んだ。
「でも、これだけは言わせてくれ。……俺が彼女を呼んだんだ。俺が、彼女を好きだからだ」
その言葉が落ちた瞬間、公園の温度が数度下がった気がした。
聖の顔が蒼白になり、めいの口がわななき、松本先生が「ひえっ」と短い悲鳴を上げる。
「天音くん……本気なの? 貴方はこれから、もっと広い世界へ行く人なのに」
聖の声が震える。
「……ああ。世界がどうなろうと、俺が歌う理由は彼女なんだ」
俺は振り返り、呆然としている陽葵の手を優しく取った。
「……ごめん。怖かったろ。送っていくよ」
「あ、天音くん……」
俺は三人のヒロインたちの視線を背中に受けながら、陽葵を促して歩き出した。
背後から「待ってくださいよ!」「まだ話は終わってないわ!」という叫びが聞こえたが、今は一刻も早く、この「高嶺の花」を安全な場所へ届けたかった。
陽葵の家の近く。
街灯の下で立ち止まると、彼女は俯いたまま、小さく口を開いた。
「……どうして、私なの? 天音くんの周りには、あんなに綺麗で、華やかな人たちがたくさんいるのに」
「陽葵。……俺には、あの子たちの『スペック』は見える。でも、俺の『中身』をちゃんと見てくれそうなのは、お前だけなんだ」
それは、嘘偽りのない本音だった。
前世で、俺がどん底にいた時、唯一「氷斗くんの歌が好き」と言ってくれた彼女。
天音蓮という完璧な皮を被っていても、俺が求めているのは、あの時と同じ彼女の言葉だった。
「……私、天音くんのこと、もっと知りたくなっちゃった」
陽葵が顔を上げ、月明かりの中で微笑む。
その破壊的なまでの美しさに、天音蓮の心臓が不規則なリズムを刻んだ。
翌朝。
俺が登校すると、下駄箱の前にはすでに聖とめいが待ち構えていた。
さらに、教室の入り口には松本先生がそわそわしながら立っている。
昨夜の修羅場は、終わったのではない。
「天音蓮の隣」を巡る、本格的な戦争のゴングが鳴っただけだった。
「レン先輩! 今日は私と一緒にランチですっ!」
「いいえ、彼は生徒会室で昨日の反省文を書く義務があるわ」
「天音くん、先生と一緒にプリントの整理、してくれるよね……?」
……24歳の俺は、深い溜息をついた。
この最強の身体、使いこなすのは想像以上に骨が折れそうだ。
いかがでしたか?
筆者自身に彼女がいたことがないし、男子校に通っているので女子について詳しくない...
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