表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超超超大人気バンドのイケメンボーカルに転生した俺 〜初恋のあの子を幸せにするのに結局、誰かは関係ありません!?〜  作者: 甘い肉うどん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/14

第十二話 危機

なんでこんなことん...

ソロライブ当日。会場となる有明アリーナは、デビューしたばかりの新人とは思えない熱気に包まれていた。

バックステージで、俺は鏡の中の「天音蓮」を見つめる。

今日、このステージの最前列には陽葵がいるはずだ。聖たちの妨害を跳ね除け、彼女を招待した。そこで、世界中に宣言する。俺の歌は、彼女のためにあると。


「レン、時間よ。……顔色が悪いわね。緊張?」

冴子が心配そうに声をかける。


「……いや、大丈夫だ」

胸騒ぎが止まらない。

聖とめいが、あまりに静かすぎる。あの執着心の強い彼女たちが、俺の独断を黙って見過ごすはずがないのだ。


ライブが始まった。

暗転した会場に、1万人の地鳴りのような歓声が響く。

1曲目、2曲目と、天音蓮の最強のスペックを解放し、観客を熱狂の渦に叩き込む。

だが、中盤のMC。俺は、最前列の「関係者席」に目をやった。


そこには——聖と、勝ち誇ったように微笑むめいしかいなかった。

陽葵の席は、ぽっかりと穴が開いたように空いている。


(陽葵……!?)


動揺を押し隠し、バラードのセクションに入る。

俺はマイクを握りしめ、予定していた告白の言葉を口にしようとした。その時だった。


会場の巨大スクリーンに、予定外の映像が映し出された。


暗い路地裏。誰かの隠し撮り映像だ。

そこに映っていたのは、泣きながら誰かに詰め寄られている陽葵の姿だった。

そして彼女を取り囲んでいるのは、恭介と、その仲間たち。


「……なっ……」


歌が止まる。会場がざわめきに包まれる。

スピーカーから、恭介の歪んだ声が流れ出した。


『……おい、陽葵ちゃん。教えてくれよ。天音蓮が、どうして死んだ九重の曲を知ってるのか。あいつ、死んだ九重の部屋に忍び込んでたって証言があるんだぜ?』


『……違います、天音くんはそんなこと……!』


『じゃあ何だ? 幽霊か? お前、あいつに騙されてんだよ。あいつは九重の才能を食い物にしてるだけの、人殺しの化け物だ!』


映像の中の陽葵が、恭介に突き飛ばされて地面に倒れ込む。

その瞬間、俺の頭の中で何かがブチ切れた。


「……っ、ふざけるな」


俺はマイクをスタンドから引き抜き、観客席ではなく、舞台袖で冷ややかに見守る聖に向かって吠えた。


「神代聖! これもお前の仕業か!? 恭介を陽葵にぶつけたのは、お前なんだろ!」


聖は眼鏡を指で上げ、冷徹に言い放った。

「……貴方が公私混同をするからよ、天音くん。彼女を消去すれば、貴方は音楽に専念できる。……さあ、ライブを続けなさい。このスキャンダルも、演出の一部にしてあげるから」


「……死ねよ」


俺はギターを手に取り、予定されていたセットリストを完全に無視して、コードを掻き鳴らした。

前世、九重氷斗が死ぬ直前に、裏切ったメンバーに向けて書き殴り、結局披露することのなかった呪いの曲。


タイトルは**『デス・バイ・ジェラシー(嫉妬による死)』**。


「♪ 華が欲しいか 泥を舐めろ 俺のなかみを 奪えると思うな」


天音蓮の喉から放たれたのは、これまでの「美しさ」をかなぐり捨てた、血を吐くようなデスボイスと絶叫。

観客は恐怖に凍りつき、聖は初めて、自分が「怪物」の鎖を解いてしまったことに気づき、顔を蒼白にさせた。


ライブの途中。俺はステージを降りた。

スタッフの制止を突き飛ばし、陽葵が囚われている場所へと駆け出す。


「レン先輩、どこへ行くんですか!? 戻ってください!」

めいが泣きながら追いかけてくるが、俺は振り返らない。


17歳の身体が、24歳の怒りに燃え上がる。

恭介。聖。そして俺を笑ったこの世界。

今度こそ、すべてを音楽で、あるいは暴力で、完結させてやる。

評価してよおおおおお

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ