終宿主
深まる底
誰かの身を食べて
ボクはボクじゃないまま
呼吸していた
透明な殻に包まれて
唯一の灯を追った
寄り添うように
侵すように
身も蓋もない食いつぶした穴だらけの中で
それでもなんとか形を変えて
忘れられた名前をもう一度
上書きした
それは最後の場所
痛みも嘘も全部
細胞まで溶けていく
深まる底
誰かの身を食べて
ボクはボクじゃないまま
呼吸していた
透明な殻に包まれて
唯一の灯を追った
「ごめんね」と「ありがとう」が
同じ色に染まる頃
きっと
以前と同じ存在に生まれてくる