第4.5話転校生1.5
チャイムが響き
私の一日が始まる
今までどこか退屈だった日々
私はみんなに馴染めていなかった
いや、友達は多い方だし先生からの信頼も厚い
彼氏はいなかったがそれなりに順風満帆な高校生活を謳歌していたはずだ
けど、私は本気で笑うことが出来なかった
最後に心から笑えたのはいつだろう…
みんないい子達だ
私の友達はみんないい子だ
けど私はいい子じゃない
だから取り繕ってきた
けど、それも今日で終わりだ
私は私らしく生きるんだ
ガトーショコラ(遅刻するぞ)
『わかってるって
もー、心配性だなぁ』
ガトーショコラ(…悪い)
家から出発し、ご近所さんである戟の家の前を通って学校に行く
丁字路を右左と車通りを確認しながら通り、学校に滞りなく到着
これが一軍女子の嗜み
教室に入ると同時にみんなへの挨拶も忘れない
もちろん笑顔も
って、私は何をしてるんだ
決別するんじゃなかったの……?
みんな私みたいなやつといると不幸に…
SHRが始まりどうやら転校生がやってくるようだ
2人も
自己紹介が終わりふたりが何故か空いていた戟の両隣に座る
あいついじめられてるのかな
休み時間
転校生の1人、マッカーロンちゃんがやってくる
『hi!よろしくオネガイシマース!ガトッチでいい?』
なんかアメリカンだ…
『YEA!よろしく、まっちゃん!』
ならばこちらもアメリカンな感じで対抗する
それが一軍女子の嗜み
『放課後体育館裏に来てくれマセンカ?』
マッカーロンちゃんが頬を赤らめ私を誘う
『?いいけど…』
まずいまずい、私に彼氏がいなければ心が乱れまくっていたに違いない
放課後
『遅かったデスネ』
『ごめんごめん
今日日直で…』
日直ということでクラス全員が出ていってから鍵を閉め、鍵を職員室まで持っていっていたのだ
これが一軍女子の嗜み
『私はマドロッ
マドロッコッ
マド』
『まどろっこしい?』
いくらなんでも噛みすぎだと思う
『そ、ソウ!それです
それは嫌いなのでタントーチョクニューに言いマス!』
ゴクリッと唾を飲む
『私の甘味能力は硬い
早くあなたのスイーツを出してくだサイ』
そう言って、マッカーロンちゃんはポケットからピンク色のマカロンを取り出し1口かじる
『はぁ?甘味能力?何それ』
何を言っているのか全く分からない
『シラを切るおつもりデスネー?
思い知らせてやりマス!私の甘味能力、甘味能力ヲ!』
マッカーロンちゃんが左腕を振り、体育館の壁にぶつける
その瞬間、体育館の壁に大穴が開くことになった
『えぇ』
言葉を失うというのはこのことだ
『次はガトッチです!』
そう言ってマッカーロンちゃんはこちらに向かって走ってくる
まずい、死ぬ
にっげっろー!
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