散歩
遅くなりました
母、満を持して9話ぶりに登場
『戟ー?
藍ちゃん?2人とも何してるのー?』
俺の部屋へと近づく足音と共にお袋の声が聞こえる
『まずいっ!』
俺と藍ちゃんは、今正にそれぞれ食べている最中でありお袋に見られる訳には行かない
俺の賢い頭脳がフル回転する
しかし、何も案は思い浮かばない
クソ、糖分不足で頭が回らない
こんなことになるならもっと口付けしておけばよかった……
そうやって、絶望感に打ちひしがれている俺を傍目に
藍ちゃんは、動き始める
『甘味解放
雪山』
藍ちゃんは、そう唱え俺の手を握った
『急になんだよ』
俺には彼女がいるため手を繋がれても全くときめかない
『モンブランの能力を使ったのよ』
『能力……?』
『そうでございます
私めの能力は、雪山これを解放すると、時間が止まります』
『なるほど……
なら俺はなんで止まってないんだ?』
『私めとお嬢様、どちらかに触れているものは能力対象外にございます』
『そういう事か……』
なんで俺は納得してるんだ……
『今のうちにシフォンケーキを食べ切るのよ、戟』
『わかった』
そう言うと同時に俺は、勢いよくシフォンケーキと食べるをする
数分後、俺と藍ちゃんはそれぞれスイーツを食べきった
藍ちゃんが最後の一口を食べきった瞬間、件の執事は光の粒子となって消えてしまった
『藍ちゃん!急ぐぞ』
『わかってるのよ!』
俺たちは、ドアを勢いよく開き母親を待ち構える
『あら、あなた達
遅いじゃない
早く朝ごはん食べちゃいなさいよ?』
『あぁ、わかってるよ』
ふぅ、何とか疑われずにすんだな
その後は、何事もなく藍ちゃんは昼過ぎに帰路に着いた
翌日
『くぁぁ、』
子鳥のさえずりで目が覚め、俺は体を伸ばす
『おはよう、シフォンケーキ』
俺は、できる限りのイケボでシフォンケーキに語りかける
(おはよう!戟くん)
今日も可愛いななどといちゃつきつつ、俺はシフォンケーキに食べるをする
さて、今日は日曜日だ
何をしようかと悩んでいる間にも時間は過ぎあっという間に、日曜日は終わってしまう
俺は、何をするか迷った時はとりあえず散歩に出かけることにしている
『シフォンケーキ、散歩でも行こう』
(うん!私、散歩好きだよ)
なんて愛らしいんだ
家から出て、いつもの通学路とは真逆の方向に行ってみることにする
しばらく歩き、4つ角に差し掛かる……
俺の意識が覚醒する
ここはどこだ……?
辺りを見回してもそこは真っ暗な空間で何も無い
そこにいるのは俺と手に持っていたシフォンケーキのみ
『大丈夫か?シフォンケーキ』
(私は、大丈夫
だけど、ここはどこ?)
皆目見当もつかない状況に俺たちは困惑する
『おや?どうやら目が覚めたようですね?』
なんだこの声、頭の中に直接響く
『誰だ?』
『なんと無礼な
人の子よ、私は神ですよ』
『神?』
『えぇ、私は甘味と幸せを司る神シュガーです』
『シュガー……?』
『人の子、そしてシフォンケーキ
お前たちは死にました』
『は?』
『これを見なさい』
俺の脳内に映像が流れ始める
能天気に4つ角の真ん中を歩く俺、四方から向かってくる自動車達
普段車通りなんてほとんどない住宅街の道なのになんでこんな車がいるんだよ
そして、それぞれの車の運転手全員が居眠りをしていた
何してるんだよ…まじで
ここから先はあまりにもショッキングなので、控えさせてもらおう
し、シフォンケーキが車に……
そこで、俺の頭に流れた映像は途絶えた
『つまり、俺たちは車に轢かれて死んだってことか?』
『随分物分りがいいですね』
『彼女と一緒だからな
俺たちに怖いものは無い』
『素晴らしい
その愛情、信頼を見込んで提案があります』
『提案?』
『異世界に転生させてあげましょう』
次はまだ考えてません




