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占い屋に着いた 第34話

カランコロン


 占い屋のドアを開けると、ドアから変な音が鳴った、もしかして魔法で音がでるように仕組んだのか、手が混んでる。


 それに店の中は質屋かってほど大量の商品が棚に並べられている、だけど店員の姿が見えない。

 

「あの…誰か居ませんか」


「あ、少し待ってくれまへんか、棚の整理が終わっとらんのや」


 あ、なんだ本棚の裏に居ただけか、それに店員が居るってことは、この店は営業中なんだな。


 俺はそう思いながら店員の言う通り、少し待っていると、その棚の奥からおどろおどろしい見た目をした黒い怪物が現れた。


「ほんますいまへん、待たせてしまいだったな」


 え、なんだ…あいつ。


 詳しく説明しようにも、どう説明すれば良いのかわからない、とにかく禍々しい姿をした怪物が棚の奥から現れた。


 見るだけで正気が狂いそうだ、まるで死神を見ているようだ。


「……どないしなはりました、ワイの顔変やろかい」


「え…いや……その……」


「マックスさん、この方はなんの種族なんですか」


 知らないって、まずこれ本当に生き物なのか、俺には恐怖を丸めてこねて作った、怪物にしか見えない。


「失礼なお客様ね、タナトスは生き物よ」


「え?」


 そんな声が聞こえ、巨大な怪物の影が突然歪み、その歪みから青いフードを深く被る、小さな少女が現れた。


 影から出てきたぞこの子。


 しかし、フードを深く被りすぎなんじゃ無いか、顔が見えない、だけど子供っぽいし…もしかしてこの店の子供かな。


「子供じゃなくて私が店長よ、失礼な人ね身長だけで子供扱いなんて」


「あ、すみません……」


 子供が店長なのか、と言うか…俺喋ったけ?


「あの!この店ってなんの店なんですか」


「占い屋サーティーンと書いていたはずよ、クロリアさん」


 本当にここ占い屋なんだな、初めて来る店だし、占い屋と言う割にはデカイから、疑っていたが占い屋か


「占いってなんですか」


「人生相談をする場所よ、それか誰にでも当てはまる事を言って高いツボを買わせるの」


 それはちょっと違うだろ。


「へ〜、よくわかんないてますけど、そういう店なんですね………あれ?私名前言いましたっけ?」


「悪いけれどまだ準備中なの、ちょっと私も2作品目から追放されたから、ここで出張販売でもしようと思って」


 追放か、どこの世間も大変なんだな。


 しかしクビになったのに自分の店を建てるなんて、度胸あるなこの子、何歳か知らないけど、どの時でも自分で店を建てるのは勇気がいるぞ。


「と言うか、占い屋なのにそこらの質屋並みに品揃えがいいんだな」


「ワイが必死こいて集めやしたからな、レアな素材いっぱいありまひゅわ」


「記憶がなくて知りたい事ばかりでしょう、好きに回るといいわ、タナトス彼女を案内してあげて」


「おかのした、お嬢はんワイについて来れや、案内しますどすえ」


「あ、いいんですか、ではお言葉に甘えて」


 クロリアは怪物の後ろをついていき、店の物を見て回る、喋り方についてツッコむべきか…どうしようか…


 と言うか、凄いなクロリア、あれの隣に入れるって、と言うか…なんでこの子、クロリアの記憶がないの知ってんだ。


 それに、クロリアの本名も知ってるし……なんか…怖いんだけど、あのタナトスって人?もそうだけど、なんか怖い。


「怖いとは失礼ね、私も小動物系のキャラ目指してのだけど」


「いや、小動物系って言われても、と言うかさっきから変と言うか……もしかして」


「1.私は店員ある」


「え?」


 なんかクイズが始まったけど。


「2.私はプロト・サーティーン・タイプルである」


「それが君の名前?」


「あら?言ってなかったかしら、分からないことがあったら5段階に分けて考えようって」


 言ってないよな、それに関しては普通に言ってない。


「だから、情報をわかりやすくまとめてあげてるの、と言うことで情報3.彼女は心を読んでいる」


「やっぱりそうか」


「…ココロヨメマス、リトルなスターじゃ無いけれど勘弁してね」


 なんだこの子、変わってると言うか…会話が微妙に通じてないと言うか、言葉のキャッチボールが出来てないというか。


「変わってて悪かったわね、改めて自己紹介するわ、私は プロト・サーティーン・タイプル、アビスでも良いわよ」


「え?どっちプロト、アビス、どっちで呼べば良い」


「お好きにどうぞ」


 お好きにって言われてもな、別にプロトとアビスに特別な感情を抱いた事無いしな、と言うかなんで名前が2つあるんだ。


「ちょっと国外逃亡的なアレで名前を変えてるの」


「へぇ〜」


 え?この子国外逃亡して来たの。


「冗談よ、単純に名前が多いとカッコいいと思っただけよ」


「別にカッコよくないだろ」


「…そう言う考え方もあるわね」


「で、プロトは何を」


「占い屋をしている、ここにある商品は、その占いで最終的に買わなきゃ不幸が起きる、って言って買わせようと用意した物よ」


 悪どい商売やってんな、この子。


 だけどここに置かれてる商品…見た感じはかなり良い素材が揃ってる、そんなレベルが高い物が棚いっぱいにある。


 とても占い屋とは思えないぐらいに。


「気になるなら、何か買っていくといいわ、ちょっと長い旅路が待っているのでしょ」


「君もしかして記憶も見てないか」


「さあ、ミステリアスキャラで稼ごうかと」


「どう稼ぐんだ」


「常連になってくれたら、教えようかな?」


「そう言う稼ぎ方かよ」


 しかし、普通に良い物揃ってるしな、占い屋には勿体無いほどに、しばらくはここで買い物しても良いかもしれないな。


「それは良かった、それと常連になってくれるなら、少し頼みがあるのだけど」


「頼み?俺は客なんだけど」


「大したことはないわ、旅の途中落ちてる剣を見つけたら、私に持ってきて欲しいの」


「剣が欲しいなら、武器屋とかで売ってるぞ、それに落ちてる剣なんていい物じゃないぞ」


「実は私、5本の剣を持ってたんだけど、それを奪われてね、それを回収するために旅をしているの

【定めの鎖】と言う剣は回収済みで、今貸してるの、だから後3つ」


「4つじゃないのか」


「そうね、正確には4つだけど、1つは場所がわかってるの、だから実質3つ」


 奪われた剣か…


 ぶっちゃけ剣ぐらい新しく買え、と言いたいが多分探している剣は特別な剣なんだろう、親の形見とか純粋にレア物とか


 そう言う特別な剣なんだろう、流石に見つけられないと思うが、変な剣を見つけたら持ってきてみるか。

ちょっと休み明けがテストなんで、ここ数日は投稿を休もうと思います、身勝手な理由で本当にすみません。

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