表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/36

使命で仕事 第27話

【グルルルル】


 突然患者の腹から現れた、黒き龍はまるで俺達を見下す様に空を飛び威嚇する。


 生物の体内で育つ龍、こいつがデストサイトか…そう言えば患者の右腕黒く変色してたてが、まさか寄生されてるなんて。


「な、なんだこいつ」


「おいユニどうすんだコレ」


【グュルゥゥ!!】


 驚き騒ぐ俺達が気に食わなかったのか、デストサイトは口を大きく開け、火を吐いた、医者達はその火を交わすため姿勢を低くする。


「きゃぁぁぁ」


「火を吐きやがった、おいユ二なんなんだあいつ」


「見たことない怪物だ、おいユニティなにか知ってるのか!!」


「デストサイト、もしかして患者の体が危険だと察して出てきたの」


 バチバチバチバチ


 なんか…いきなり焼けるような匂いがして来た、なんだこの匂い……


「あ!!糸が燃えてやがる」


「もしかしてさっきの火で…」


【グラァァ!!】


 火を消そうとした医者に向けて、デストサイトは患者の上に立って威嚇する、そして患者の肉を我が物顔で喰らう。


「こいつ…」


「ヤバいですよ、こいつが居たら手術ができない」


「わかってる」


 あれ、これ普通にやばい状況じゃないか。

 

 流石にここは…


「俺が…」


「待って、マックスさんが手を離したら、患者は暴れる」


「な、何言ってんだ」


 この人、こんな状況でも手術しようと思ってるのか。


 どこからどう考えも無理だろ……いや、無理でもやるのがこいつのモットーか、ユニティの目は絶対に救うと言う目をしてる。


 本当に…こんな状態でも中断する気はないのか。


「ユ、ユニ!!」


「もうこの患者は無理だ撤退するぞ」


「……まだ…必ず救います」


 正気か?他の医者引いてるぞ。


「馬鹿が!!さっきので糸が燃やされたんだぞ」


「だからってここで死なせるわけには行けません」


 死ねせないって…この人本気で言ってる、こんな状況でも救えるって本気で思ってる、無理でもやる…か…


 それなら俺も…


【グラァァ!?】


「…(バインド)


 俺の手のひらに魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣から鉄の鎖が生成され、手術台で暴れるデストサイトを拘束する。


 そして、その鎖を握り思いっきり地面に叩きつける。


【グェエ?】


「よし」


 いくら龍とは言え子供、コレで首の骨は折れたか…次は……


凍結(フリーズ)


 俺は魔法で患者の傷を凍らせる。


 ダメだ、頭が割れそうなぐらい痛くなってきた、流石に記憶削除と同時進行で魔法使うのは無茶だったか。


「あ、ありがとうございますマックスさん」


「あんた それが使えたなら使えよ」


「いや、素人が首を突っ込むのもアレだと思ったんで」


「いい判断だ、だがこの先はどうする、このままずっと凍らせていれば、徐々に細胞が死滅していくぞ」


「分かってます、少し…考える時間を……」


 ユニティはそう言うと鉛筆をガジガジ齧り始める、いくら傷を凍らせたとは言え、かなり酷い傷なのは確か。


 元々酷いのに、デストサイトが出てきたことで悪化した、コレは諦めるしかないだろ。


「モナ…これ見ろよ」


「これは」


「さっきの怪物のせいで木が深く食い込んだんだ、もはや少し縫うなんてレベルじゃないぜ」


「ユニティよ、もう諦めた方が…」


「いや、諦めない、ここで救えなかったら、ここにいる人達が安心出来なくなる、病は気 精神をやられれば死ぬ

だから、成功さてて…安心を与えないといけない……それが私の使命で仕事」


 安心感を与えるか…だとしてもコレは無理だろ、肺はボロボロ腕は黒いし、骨すら見えてる部分もある、そんな状況でも救う気かよ。


「おいユニ、コレは無理だし危険だ、さっきの怪物が1体だけどは限らない」


「まず、肺が完全にダメです」


「血の輸血にも限りはある、もともと今回は血が流れすぎで足りない、ここで無駄に使うのも……」


「……死体」


 ボソッとユニティが呟く。


 なんて言った…こいつ、死体?死体って言ったのか。


「死体がなんだって」


「死体の…血と臓器を移植します」


「「な!?」」


 この場にいるユニティ以外の医者全員が、驚きの表情を浮かべる、死体を使う…そう言ったのか。


「まてユニ、臓器の移植なんて誰もやったことないんだぞ、それに死体からなんて」


「無謀すぎる…それにできる確証もなければ、前例もない」


「血の輸血が可能なら臓器も可能だと私は考えています」


「それは想像だろ、実際はどうかなんて…」


「それに事件発生からまだ5時間なら、心臓でない限りいけるかと…」


「…………」


 その場にいた全員が息を呑み、ちょっとした静寂がこの場を包んだ。


 臓器移植なんて聞いたことないし、この反応を見る限り、誰もやった事ないんだろう、それほど難しそうな手術を成功させようと言うのか。


「……なにもしないよりはマシだな、ユニティよやるなら早く行うぞ」


「マジでやるのかよ、おいユニ…」


「モナさんこの人と同じ型の死体を探してください、出来るだけ外傷がない物を」


「心得た」


 モスキートとモナは羽を動かし、この場から急いで去った……もしかして俺歴史的にすごい現場に立ち会ってる?


 と言うか、いつまで記憶を消せば良いんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ