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手術開始!!麻酔はえ?なし 第25話

「あぁぁぁ!!!!!!!!!」


「うるさ!?」


 俺は洗脳者を緊急治療所からそれなりに遠い所にある木に縛りつけた。


 いくら邪魔とは言えこの対処は雑すぎんかね、まぁ適切と言えば適切だけど……もう少しあっただろ。


「ああああああああああ!!」


バタバタバタバタ


 しかし…コレ記憶消しといた方がいいか、凄い暴れるしもう体を壊す勢いでやってないかコレ。


 それにうるさいし、この人の喉壊れるだろ。


 やっぱりこの人のことも考えて消した方がいいのか……


「……いや、なんか怖いから良いや、早く緊急治療所に戻ろう」



◼︎



 俺は急いで緊急治療所に戻った。


 まるで地獄か、と言うほど阿鼻叫喚で耳を塞ぎたかったほど酷かった治療所は、今では怖いほど少し静かになっていた。


「こ、これは…」


 凄いな…俺が縛り付けている間に、殆どの問題を解決させたのか、ユニティ…いやユニティさんは凄いな。


「あ、マックスさん」


「あぁ〜クロリア…さん、その…お疲れ様です」


「なんで敬語なんですか」


 なんだろう、クロリアに関しては…その……罪悪感があると言うか、なんだろう…うん、罪悪感なんだよ(ヤケクソ)


「と言うか、敬語は知ってるんですね、と言うか敬語か?」


「ボルフェスさんから教えてもらいました」


「なるほど英才教育は始まってるのか、で、今どんな状況なんですか、あの怪我人かなりやばそうでしたけど」


「その…何か難しい単語ばかりでわかりませんでした」


「そう、ちょっと直接聞くわ、ユニティさん今どんな状況」


 洗脳者が眠っていたベッド周辺には、カーテンが引かれていた。


 なんでカーテンを用意したんだろう。


 あれかな…他の人達に見せないための配慮かな。


 かなり手術となるとかなりショッキングな事になるだろうし、それを精神的に傷ついている人達に見せない。


 そう言う配慮だと思う。


「入りますよ」


 俺はカーテン内を外の人に見せないように、カーテンをめくりその中に入った…が……


「…………」


「おいユニ、どうするんだよコレ」


「他の治療もある、この人1人に人員を割くわけには……」


 なんか…空気が異様に重い。

 治療所に集められた医者の人が6人ほど集まっているが、その6人全員が下を向いて、ボソボソ言ってる。


 なんだろうこの空気。


「あ、戻ってきたんですねマックスさん」


「は、はい…で、なんでこんな重い感じなんです」


「それがかなり危険な状況でね」


「だったら手術を…」


「その手術が危険なんだよ、患者に刺さった木がね調べたら肺に軽く刺さっててよ」


「肺に?生きてるんですかそれ」


「この人の能力が無呼吸でも生きれる能力みたいで」


「なんてご都合展開」


「いや、普通に考えて、この能力だからこんな状況で生きれてるんです、で呼吸に関してはどうにかなってるんだけど

他のところも大分キツくて、しかも木が邪魔で…」


「…それでこんな事に」


「まぁ、深くは刺さってないので、ゆっくりと取り除いた後に、縫えばなんとかなるんですけど問題がありまして」


「問題?人手が足りないとか」


「いや、人手は足りてるんです、ただ…

こう言う大掛かりな手術には、アストロチュラ、と言う魔物が放つ催眠粉で作った麻酔で眠ってもらうのがいいんですけど」


「もしかして…ない」


「はい、一応手術はできるんですが、このまま無理に手術を進めたら、患者はその痛みに耐えきれず暴れる可能性が高い」


 そりゃそうだ、歯を抜くだけでも痛くて麻酔を使うんだ、コレは明らかにその痛みを余裕で超えている。


 いくら生きるための痛みとは言え、耐えきれないのは当たり前だ、なんなら死ぬかもしれない。


 それなのに麻酔無しでの手術は危険すぎる。


「…まずいですね、それ……あ、クロリアに頼んで煙で気絶させるのは…」


「いや危険だよ、それにその程度の気絶だったら、すぐに目を覚ましちゃう」


「そっか」


 冗談抜きでやばいなコレ。


 早く決断しないと危険そうだし、決断しても他の怪我人がいる、最悪はまだ終わらないのか。


「おいユニ、早くどうするか決めろ、無駄に時間を割いてる場合じゃない」


「わかってますだけど…」


 ユニティはそう言いながら、鉛筆をガジガジ齧り始めた。


 まるでリスみたいだな、しかしこの手術…どうにかできないのか、流石にここまでは俺の回復魔法は無理だし…


「すみません入ります」


シャーァァ


 地獄みたいな空気漂うベッド周りのカーテンを全開にしながら、クロリアが現れた。


 なにしてんだこの人、丸見えやないかい、俺が閉めとこ。


シャーァァ


「リーダー…」


「あの、私手伝う事ってありますか」


「悪いけどリーダーの出番わ…」


「その…難しい事はわからないですけど、ようは痛みを感じなければいいんですよね」


「あのなクロちゃん、それができないから、こんな空気重いの」


「私に提案があります」

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