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飛ぶ命令は手術開始の宣言 第24話

トントン トントン


「すみません、この方の治療をお願いします」


 最悪とは押し寄せる物、俺は今日その事を学んだ、今緊急治療所は最悪と言う言葉で片付けられないほど、悲惨な状況。


 それなのにクロリアが運んできた怪我人は、もはや死んでるんじゃないか、と思うほど酷い怪我をしている。


 神は居ないな、シンプルにそう思った。


「…え、その…お取り込み中でしたでしょうか」


「今度はなに?って……リーダー」


 と言うか、なんでクロリアがここにいるんだ騎士団長(ギルドラ)と一緒に行動しているんじゃあ…


 と言うか怪我人…ベッドもマットも無い状況だと言うのに…


「リーダーなんでここに」


 ユニティは感動な再開の様な顔をするが、クロリアはまるで初対面の相手みたいな顔で聞き返す。


「あの…すみません、どちら様で」


「え?なに言って……」


 そう言えば、ユニティはクロリアのギルドに所属しているんだったか、まずいな 記憶が失ってる話もしてなかった。


 やばいぞ、説明するのめんどくさいし、説明してる場合じゃ無い。


「あの、この人をお願いできますか、今すぐ治療?が必要ってギルドラさんが」


「なにその傷」


「…酷い怪我だな」


 クロリアが運んできた怪我人はかなり酷い状態だ、血塗れで骨は見えていて、右腕は曲がってわ行けない方向に曲がっている。


 しかも、木材か?それが体に突き刺さってるし、右腕は黒く変色している、コレ本当に生きてるのかってぐらい、酷い有様だ。


「確かに危険…わかりました治療を…」


「おい!!」


 貴族は突然大きな声を出した、そんなに大きな声が出せるなら、もう大丈夫だろ、机を蹴り飛ばしてたし。


「なぜ…俺…より…その男が……先なんだ…俺の方が早かった!!」


「で、ですけど今すぐ手術しないと」


「だったら…俺も…しろよ!!そんなクズ…より…俺の命の方が……上だ」


 こいつ、まだ言ってる、そろそろいい加減に……


「あの」


 俺が拳を握った瞬間にクロリアが口を開いた。


「クロリア…」


「地味に会話聞こえてたんですけど、その…命懸けで人を救おうとしている人を邪魔しないであげてください」


「なんだと…貴様!!誰に言ってるのか………わかってるのか」


「知らないです!!」


 えぇ…(困惑)


 そんな事自信ありげに大きな声で言うなよ、まぁ知らないのは俺が原因だから文句は言えないけどさ。


「知らないですけど、あなたのその傷を癒してくれる人は、この人達ですよね

だったら、その人達に嫌われるような事はやめた方が良いんじゃ無いんですか」


「なに?」


「確かに自分の命が大切なのはわかります、けど…他の人だって自分の命が大切だと思うんです

なので……その…ですね、この人の事もわかってあげてください」


 クロリアは貴族の顔を見ながら、深く頭を下げる、その姿を見てユニティも深く頭を下げる。


 俺も下げた方が良いのかな?


「私からもお願いします、今は緊急事態なんです、1人に時間を使えば、その分人を救えません」


「そんな事……俺には…関係……ない」


「いや、関係なく無いだろ、今治療している人が終わらない限り、お前の番は回ってこない」


「…………」


「我々も全力を尽くしています、なのでしばらく待ってくれませんか」


「……クソ、仕方ない……」


 貴族はそう言うと頭をかかえながら、ゆっくり地面に座った。


 だからこいつはどの立場で言ってるんだよ、まぁ静かになっただけましか。


「ユニティさん大丈夫?」


「はい、大丈夫です、マックスさんは洗脳者を拘束して、近くの木にでも拘束してください」


「いいけど…扱いが雑だな、と言うかベッドはどうするんです」


「その洗脳者が元々使ってたベッドを手術台にします、リーダーはその人をベッドまで、運んでください」


「リーダーって私?」


「うん、君」


 しかし、調子を取り戻したみたいだ、よかったよかった、コレで少しは良い方向に進むだろう。


「モナさん!!血の用意を」


「瀉血か!?」


「瀉血はなんの意味ないですよ、まぁここら辺の話は手術が終わってからゆっくりましょう、とにかくこの患者と同じ型の血を集めてください」


「ふん、くだらん」


 あの医者瀉血を信じてるのかよ、距離を置いておこう。


「マイは手術道具を集めつつ、それを酒につけてください」


「え?尿は」


「アレは、無菌ですけど清浄作用はない、それにどうやって集めるんです」


「わかったよ、アルコールにつけるんだな」


 ユニティは地獄絵図が広がっていた治療所で激しく命令を飛ばす、それに医者は全力で答え、今広がる問題を解決する。


「…俺も、見てる場合じゃないな」


 俺はユニティの命令通り、洗脳者を拘束するために走り出した、俺が拘束している間にも手術の準備は整い始めていた。

久しぶりに後書きを書きます


さて今回より手術の話が続きます、と言ってもネットで5時間ぐらい調べた程度の知識なんで間違ってる可能性はありますが、そこら辺は許してください。


地味に調べてわかったのが、中世とかでは血を抜く手術が一般的だったそうです、あと尿で殺菌するとか。


他にも、イノシシの胆汁で浣腸、焼けた鉄で痔の治療、頭蓋穿孔とか言う頭に穴を開けたり、後麻酔があったりなど、調べると面白い物が多かったです。

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