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クビ宣言 第1話

「ムーン…すまないが君はクビだ」


 突然リーダーから、そう告げられた。


 俺はいきなりの事で一瞬何を言われたのか、わからなかった。


「…は?」


 なんだ一体…これは……どう言う冗談だ


 なんかの間違いだ、俺がクビだと、正直に言ってクビにさせる理由は…そこまで思いつかない。


 仕事中は真面目にやるし、ちゃんと時間を守って行動している、それなのにクビ。


「すまないな」


「いや、ちょっと待ってください、なんで俺が…」


 俺はそう聞くと、1人の女が鼻で笑いながら立ち上がり、軽蔑するような目をさせながら俺をみる。


「あなたが使えないからよムーン・マックス」


「スペア…」


 スペア・リブット、は隠しきれてない笑みを浮かべ、リーダーと俺の間に立ち、また鼻で笑う。


 スペア家の令嬢…だが性格の悪さ上にこのギルドに入れさせられた女、まさか今回の件もこいつが…


「…悪いがスペア君、僕は彼と話したいんだ少し席を離してくれると…」


「いいえ コレは私達の話ですの、ギルド・イリーザはこの国でも最強のギルドチーム

魔物が溢れるこの世界で、強敵と戦い、何度も国を救ってきた、そのギルドから役立たずをグビにする、大事な話ですわ」


 こいつ、俺が居ながらそれを言うか、しかもわざわざ大きな声で言いやがって。


「おいおい、使えないって…それはないだろ、俺は魔法を全て使える」


「たかが初級でして

 私達が戦っている相手は初級魔法の上の上を行く、上級魔法でもキツイ相手、初級魔法では意味がなくて」


 痛いところを突いてくる。


「…だがな……」


「それにだゼェ…テメェの役職は魔法使いじゃあなくてぇ、剣士じゃあねえか…」


 俺が反論しようとしたところに、スペアの助太刀をするように、普段はサボって来ない、ボルフェス・マーガが口を出した。


 いつもならこんな早朝から来ないサボリ魔なののに、こう言う日にだけ来るのか。


「何黙ってんだぁ、三流がぁ」


「…剣士が魔法を使って何が悪い」


「剣士はよぉ…前線で戦うのが仕事だろぉ

それなのによ、魔法とか言う後衛が上手だったら…意味ねぇじゃねえか」


「それは…」


「中途半端なんだよぉ、テメェはぁ…」


「そうですわ」


「それにヨォ、テメェの能力は地味すぎるんだよ、人が産まれた時に手に入れる力ぁ

人によって違う能力って言うのによ、テメェは…」


「なんだよ」


「触れた生物の行動を鈍らせる、とか言う地味すぎる力

たまに逃げ出すが、俺達は殺す気できてる、つまりテメェの能力は誰も求めてねぇんだよ」


 こいつ。


「ボルフェス、言い過ぎだ」


 下を出し歯を剥き出しにして俺を挑発するボルフェスをリーダーが止めた。


「こんな事を言われる君の気持ちはわかる、だが君も理解してるだろ…最近は荷物持ちに成り下がっていると」


「だからってクビか、それはないだろ」


「この先…僕にはやらねばいけない事がある、それに君を巻き込むつもりはない」


「なんの話だ」


「悪いがヨォ…決定事項だ、無能はとっとと帰るんだ」


「いきなりクビはないだろ、それにクビになったら、この先どうすればいい」


「知りませんわ、役立たずは地べたに這いずり回ってなさい」


「スペア君言い過ぎだよ」


(わたくし)は現実を言ってるだけですわ、ムーン・マックスはイリーザーには必要ないと」


「そうだゼェ…イリーザーはオレ達だけで十分ダァ…」


「2人とも…もう少し言葉を選んだ方が……」


 スペアとボルフェスの容赦ない罵倒。

 そんな2人を止めようと、リーダーは口を開くが2人は聞く耳持たず、罵倒大会を続ける。

 

 罵倒には慣れているが、このままだと時間がかかって、ここに住む皆んなが起きる。


 罵倒されることには慣れているが、俺はそれを他人に見られるのが嫌いだ、スペアの奴、そのことを知っててこの時間帯にこの話をさせたな。


 少し納得いかないが、クビなら受け入れるしかない。


「……わかった、出てく…」


「やっとですの」


 どうせ俺が拒否し続けても、結果は変わらないし、スペアが悪い噂を広げて、俺の居場所を無くすに決まってる。


 いつもあいつがやる事だ。


 どうせ結果は変わらないなら、早めに終わらそう、時間の無駄だし…


「すまない…ムーン」


「別にいいさ…」


「君なら1人でやれると考えた僕の判断だ」


「………そうか…」


 今…自分がどんな顔をしているのか、想像がつかない、敗者のような顔をしてるのか、絶望してるのか、笑ってるのか。


 全然わからない。


 だけど厄介コンビが鼻で笑ってるから、多分間抜けな顔をしているんだと思う。


 とにかく今は自分の部屋に戻ろう、戻って…ここを出る準備を…


「待ちなさい」


 階段の手すりに手をかけた所でスペアが止めた、正直に言って嫌な予感がする。


「…なんだスペアリブ」


「誰が豚の骨付きばら肉よ」


「ああ悪い、豚の骨付きばら肉」


「この野郎…ま、まあ負け犬の遠吠えと思えば、心地いいですわね」


「で、要件はなんだ、俺は今気分が悪い、と言うかさっき悪くなった」


「荷物…置いていきなさい」


「……は?」


 何を言ってんだ、この小娘は、荷物を置いてけ、そう言ったのか。


 いや、いくら性格悪くて、その性格の悪さゆえに親から勘当された、バカでも流石に荷物が無かったら生活できない事は理解してるよな。


「おい、スペア君…それは……」


「別にいいわよね、ここは私達イリーザが経営する共同住宅 で私有地ですの

…あなたは今ここでギルドを抜けたわけだし、ここにある荷物を私がもらっても」


「何馬鹿な事言ってんだ、その理屈で言ったらここに住んでる奴の荷物は全部お前の物になるぞ」


「なに?私とやり合う気」


 やり合うか…こいつ、俺ができない事を知っておきながら言ってきやがって…


 今ここで俺が手を出せば、アイツは暴力を受けたと言え、噂を広げられる。


 女に手を出した、そんな噂が広まれば、俺はたちまちクズ野郎に成り下がる。その事を理解してる。


「チッ、置いてけばいいんだろ、言っとくが…金目なものはないぞ、高額な物はお前が馬鹿にした収納魔法で閉まってる」


「だったらそれを…」


「スペア!!」


ドン!


 珍しくキャプテンが怒って、机を叩いた。


 それにスペアも驚き目をパチパチさせる。


「…わかりましたよぉ〜」


 スペアは少し物足りなさそうな顔をして、椅子に座った。


 こいつここまでして物足りないのか。


「べ、別に荷物はスペア君の冗談だ」


「クビも冗談であって欲しかったな…」


「それは…」


 この反応…キャプテンも俺がいなくなった方が良いとは前々から思ってた感じか、はぁ、ここら辺がひきどきだったのかもな。


「…もういい」


バン!!


 俺は少しやけくそ気味にギルドハウスを出た、出る間際にスペアがクスクスと笑った気がするが


 おそらく気のせいじゃないだろう。


「さて、どうするべきか…とりあえずギルド管理局に行って依頼を探そう、俺1人でもなんとかなるだろ」


 自然と猫背になっていた姿勢をただし、自分の頬を軽く叩く、クヨクヨしても仕方ない、今はこの先どうするかだけ考えよう。

第1話、どうでしたでしょうか。


第1話がこれでよかったのか、少し心配な自分もいます、まだまだ未熟ですね、後個人的にあらすじがアレでよかっただろうか。


ま、まぁ変なところがあれば直します、一応今のところ7章分の話は考えています、今後の展開次第では伸びたりするかもしれません。

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